Web3.0起業家を支援
22日、日本人起業家7名がシンガポールでWeb3.0(分散型ウェブ)起業家向けのアクセラレーター事業を行う「Next Web Capital(以下、NeW)」を立ちあげたことが分かった。
また、NeWはシリコンバレーと東京に拠点を置くベンチャーキャピタルWiL、暗号資産(仮想通貨)取引所bitbankを運営する株式会社ビットバンクなどから計1,000万ドル(約11億円)の戦略的資金調達を実施し、Web3.0起業家を総合的に支援するアクセラレーター事業を開始したことを併せて明かした。アクセラレーターとは、主にシードラウンド段階のスタートアップに対して少額投資及び集中的指導を行う投資企業を指す。
NeWは、Astar Network(ASTR)を開発・運営するStake Technologiesの渡邉創太CEOやブロックチェーン企業Fracton Venturesの共同設立者など、Web3.0領域で世界で事業展開する日本人起業家7名により構成される。「グローバルに拡大するポテンシャルのあるプロトコルへの支援を通じて、エコシステムを拡大させる」を目標として掲げる。
ビットバンクなどが参画
今回の資金調達では、WiLがリード投資家、ビットバンクが戦略的投資家として参画。NeWは資金調達により様々なネットワークや知見の共有を図り、日本での様々な支援体制を構築していくとした。NeWの創業メンバーは以下の通り。
- 渡邉創太氏(Stake Technologies CEO)
- 石川駿氏(Stake Technologies COO)
- 鈴木雄大氏(Fracton Ventures共同設立者)
- 亀井聡彦氏(Fracton Ventures共同設立者)
- 赤澤直樹氏(Fracton Ventures共同設立者)
- 関慶氏(日本株オルタナティブデータ分析責任者)
- 大日方祐介氏(Web3 Foundation所属)
また、以下の4つのサービスを提供予定とする。単なる資金援助にとどまらない包括的なサービスの提供を目指している。
- 意思決定のサポート
- 情報やノウハウの共有
- (トークン発行後に)ガバナンスへの参加
- 資金援助(DAOへの貢献を含む)
今回の発表に際し、NeWやビットバンクはそれぞれ次のようにコメントを残した。
NeW
各自がこれまでのWeb3.0分野への貢献や諸活動で培ってきた生きたノウハウ、ナレッジ、ネットワークを最大限に活かし、次世代のWeb3.0起業家へ還元していくことをモットーに、エコシステムに貢献するアクセラレーターの展開や、事業成長に向けたアドバイス及び資金支援等を行って参ります。
またこれら活動を通じて、Next Web Capital自身も世界に通用するWeb3起業家のロールモデルとなるべく、アントレプレナーや創業者の育成を行って参ります。
ビットバンク
Next Web Capitalのチームは、日本のWeb3.0領域における若手リーダーです。ビットコインを契機とした暗号資産革命は、取引フェーズから、NFT、GameFi、Web3.0、メタバースとその適用領域を広げ、いよいよ爆発的拡大が目前と迫っています。
これらの新領域がインターネットそのものを発展させ、新たな進化を遂げるものと考えていますが、Next Web Capitalのチームは、その高い志と見識を持ってこれら新領域を切り開き、日本人若手プレイヤーの先導役として活躍してくれると確信しております。
また、仮想通貨・ブロックチェーンメディア「あたらしい経済」の取材にNeWを設立した理由について「日本のブロックチェーンエコシステムは世界に対して何周も遅れをとっている現状があります。そこに対して日本から海外で戦っていくメンバーがもっと必要」と語り、日本の現状に危機感を示した。
Stake Technologiesの渡辺創太CEOは以前より日本の仮想通貨税制について問題提起している。同氏は16日、「Web3において日本の税制を変えない限り日本に未来はないと思う件について」と題するnoteを公開し、日本の仮想通貨税制についての見解を表明。日本の現行の税制が人材の海外流出を招いているとし、警鐘を鳴らしていた。
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また、1月にAstar Networkを正式にローンチした際も「Astarは本当は日本でローンチしたかった。日本の暗号資産税制は変えないといけない。ここが重点課題。もしAstarを日本で12月ローンチしてたら来季、300億円くらいの税金になる。現金ないので税制で会社が潰れます」と述べていた。
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