JPX、ジパングコイン取扱い企業に出資
日本取引所グループ(JPX)は25日、三井物産などが出資する株式会社デジタルアセットマーケッツに同日付で3.6億円の少数持分出資を行ったと発表した。
今回の出資により、JPXはデジタルアセットマーケッツ及び、三井物産の子会社である三井物産デジタルコモディティーズ株式会社などとの関係を強化する方針を示した。また、日本経済新聞の報道によれば、JPXはデジタルアセットマーケッツへの出資を通して仮想通貨事業を育成する方針だ。
デジタルアセットマーケッツは、仮想通貨関連サービスの運営に取り組む仮想通貨交換業者で、金(ゴールド)を裏付け資産とする新型暗号資産(仮想通貨)「ジパングコイン(ZPG)」を取扱っている。三井物産デジタルコモディティーズがジパングコインの発行を担う。
ジパングコイン(ZPG)とは
デジタルアセットマーケッツは、仮想通貨関連企業インタートレードやセブン銀行などからも出資を受けており、JPXの出資比率は3%強になる見込み。
同社は17日よりジパングコインの取引を開始。ジパングコインは、金の価格に連動することを目指す仮想通貨で、発行額に相当する金を三井物産が調達する。1ZPG=金1グラムとして、500円から取引可能。基盤技術には、大手仮想通貨取引所bitFlyerが独自開発したプライべートブロックチェーン「miyabi」が採用されている。
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ホワイトペーパーによれば、信頼性と利便性の高い資産運用・インフレヘッジ手段を提供し、決算手段としての利用促進を図ることが目的だという。
同社は今後、金の他、プラチナや原油などの商品(コモディティ)をもとにした仮想通貨の提供も予定。「新たなコインによる新しい経済圏の創造を目指す」としている。また、将来的にはジパングコインと金現物とを交換可能にする予定であるとも明かしている。
JPXの動向
今回出資を行ったJPXは、以前よりブロックチェーン事業参入を示唆していた。これまでに複数回金融機関と共にブロックチェーンを業務に適用するための実証実験を行っており、2021年11月には国内でブロックチェーンなど新しいデジタル技術を活用した動きがあることを背景とし、「株式会社JPX総研」という子会社を設立することを決議したと発表。JPX総研は、4月より事業開始予定だ。
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さらに、今月22日にはJPX傘下の東京証券取引所及び大阪取引所のデータ、デジタル関係事業をJPX総研に承継することにより、JPXのデータ、デジタル関係事業を集約することが発表されている。
日本取引所グループは、国内最大の東京証券取引所(東証)や、東京商品取引所、大阪取引所などを傘下に持つ企業。市場利用者が安心して有価証券の取引ができるよう、「株券等有価証券の売買」「デリバティブ商品の取引を行うための市場施設の提供」など取引所金融商品市場の開設・運営に関わる事業をグループ全体で運営している。