ザ・サンドボックスと提携
エイベックス・テクノロジーズ株式会社(ATS)は2月28日、本年度中を目途に、ブロックチェーン・NFTゲーム「ザ・サンドボックス(SAND)」内で「エイベックスランド(仮称)」を設立する予定だと発表。メタバース(仮想空間)上でアーティストとファンが交流できる場所を提供する模様だ。
ザ・サンドボックスは、全世界で4,000万ダウンロードを突破する人気ブロックチェーンゲーム。メタバースを舞台に、ランド(仮想土地)やゲーム内アイテムをNFT(非代替性トークン)として制作・売買することで、独自の経済圏を提供する、ユーザー主導の「ゲームメイキングプラットフォーム」となっている。
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ATSは、「IP(知的財産権)を創造するための次世代テクノロジー基盤を構築すること」を掲げており、2019年5月から、NFT事業に取り組むエイベックスのグループ会社。ブロックチェーン基盤の著作権管理システムの開発や、仮想通貨プロジェクトのエンジン(ENJ)との提携など、以前からブロックチェーンに関連した動きを見せている。
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同社は、今回の参入を、「NFT、メタバース領域でのグローバルなIP(知的財産権)展開の拡大」を目的としたものだとして説明。
サンドボックス内のランドを購入・保有して、現時点で、「エイベックスランド(仮称)」と名付けている。ランドを通して、イベントや展示会、ファンとのミートアップやライブ配信などを開催することで、アーティストとファンが交流できる場所を提供することを予定しており、NFTアイテムの販売なども検討していく見込みだとしている。
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また、日本時間の2022年3月3日(木)22時より、ザ・サンドボックスが「Metavex District LAND セール」を開催する予定。セールでは、以下の作品セットが110組限定で販売予定となっている。
- ピコ太郎、浜崎あゆみ(ayupan)、AmPm、大沢伸一(MONDO GROSSO)の関連NFTアイテム計6点
- 「エイベックスランド (仮称)」内で開催される初回イベントに参加できる「エイベックス パス」
- サンドボックス内のLAND(土地)
NFTアイテムは、アバターに装飾したり、コレクションNFTとして保有することが可能となっている。
関係者コメント
今回の提携に関して、両社がコメントを残している。
The Sandbox COO兼ファウンダーのSebastien Borget氏は以下のようなコメントを寄せている。
エイベックス・グループがメタバースへの参入第一弾として「The Sandbox」を選んでくれたことを嬉しく思います。日本は、LAND(土地)の所有率がトップ5に入る重要な市場であり、エイベックス・グループは日本のエンタテインメント分野に深く根ざしています。J-POP、アニメ、ライブ・イベントなど、彼らの素晴らしい専門知識と才能を活用することで、「The Sandbox」の国内だけでなくグローバルな成長を促進することができると信じています。
また、エイベックス・テクノロジーズ株式会社 代表取締役社長 岩永朝陽氏は以下のようにコメントをしている。
「The Sandbox」に参入できたことに感謝しております。「The Sandbox」に LAND(土地)を持つだけではなく、イベントや展示会、ファンとのミートアップやライヴ配信など、メタバース上でしかできないデジタルエンタテインメントカルチャーを創りたいと考えています。「The Sandbox」の様々な機能の拡充によって我々ができることも増えていくので、今後にご期待ください。
ザ・サンドボックスへの参入が加速
これまでに、数多くの国内外の企業が、サンドボックスへの参入を表明している。日本国内の動きとしては、仮想通貨取引所のコインチェックが、NFTマーケットプレイスでの関連取引を開始したことや、ゲーム内での、近未来都市「Oasis TOKYO」の開発を発表したことなどが挙げられる。
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また、同ゲームはその人気から、多くの投資家・ファンドから資金を調達。日本国内からは、ブロックチェーン関連の大型出資を積極的に行うソフトバンクグループが、100億円規模の調達ラウンドを主導したことなどが知られている。
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