CoinPostで今最も読まれています

文化庁の分科会、「NFTの法的課題」が議題に

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

NFTの法的課題とは

文化庁は2日、文化審議会著作権分科会の基本政策小委員会にて、ブロックチェーンやNFT(非代替性トークン)の活用について会議を行ったことを発表した。

会議では、IT・デジタル領域全般を取扱分野とする、増田雅史弁護士が登壇。「コンテンツ分野で活用されるNFTの法的課題」などを議題として取り挙げた。

増田弁護士は、過去に、経済省にてデジタルコンテンツ制作に従事した経験や、金融庁にてブロックチェーン関連の法改正を担当した経験がある。現在では、ブロックチェーン推進協会のアドバイザーや、日本暗号資産ビジネス協会(JCBA)NFT部会の法律顧問を務めている。

関連:JCBA、NFT関連ビジネスを検討する事業者向けの重要「ガイドライン」を公表

資料では、NFTの基本的な特徴や取引方法、NFTアートの本質などに触れつつ、コンテンツ分野における課題が示された。

  • コンテンツデータの所在
  • 無権限者によるNFT化・販売
  • 保有者が有する権利が不明確
  • 二次流通ロイヤリティ(報酬)収受の限界

「ブロックチェーン上に記録されるのは取引情報のみ」である点や「コンテンツのデータはウェブサーバ上に存在する」と問題を指摘。

コンテンツホルダーや発行・取引サービス側が、データを所有している現状を見直すため、IPFSなどの永続的な保有方法が必要とした。

IPFSとは

IPFSは、「InterPlanetary File System」の略称。P2P型の分散型ファイルシステムで、特定にサーバに依存せずコンテンツの保持が可能。

▶️仮想通貨用語集

関連:新しいインターネット、分散型システム「IPFS」の革新性を解説|XSL Labs寄稿

また、増田弁護士は著作権を侵害するNFTが横行している状況や、チェーン上に記録されない情報に対する、信頼性を担保する方法の不明確さを問題視。本人性・実在性の確認機能を含む、NFT化コンテンツ関連情報の一元管理が必要だと指摘している。

さらにNFTの保有は、著作権ライセンスに直結しておらず、承諾されても「発行者によって提示内容・方法がまちまち」であるとコメント。提示内容の明確化に向けて、「利用態様や表示方法の標準化」が必要であるとした。

ロイヤリティの設定・実行がサービスに依存している現状や、NFTを個人間やその他サービスで取引した際のロイヤリティが無い点も課題であると考察。ロイヤリティ情報設定の仕様策定や、考案した仕様の業界標準化が必要であると述べた。

加速する議論

ここ最近、日本政府内で、ブロックチェーン関連の話し合いが頻繁に行われている。

中でも、自民党内で活発な議論が行われており、22年1月には、党内のデジタル社会推進本部に「NFT政策検討プロジェクトチーム」が設立。ブロックチェーンやNFTの関連事業を、政府の掲げる成長戦略に取り入れる方針を示している。

関連:自民党が「NFT政策検討プロジェクトチーム」設置 成長戦略踏まえた税制改正も視野に

また、内閣府副大臣などを歴任しており、先のプロジェクトチーム設立にあたって、「NFT特別担当」に指名された自民党の平議員は、先日の衆議院内閣委員会にて、「Web3.0」や課税の問題について言及。

「Web3.0はインターネットのあり方を必ず変えるという認識で政策を作る必要がある」「ブロックチェーンに関して一番の問題は課税の問題」として、日本のブロックチェーンにおける課題を強く主張した。

関連:「人材流出が著しい」NFT特別担当の平将明議員、ガバナンストークンへの課税の見直しを要望

CoinPost App DL
注目・速報 相場分析 動画解説 新着一覧
04/19 金曜日
09:35
Aptos開発企業、マイクロソフトやSKテレコムなどと提携
アプトス・ラボが数社と共同で開発するAptos Ascendは、金融機関向けのデジタル資産管理プラットフォームだ。この製品はAzure OpenAI Serviceを使用する。
07:55
仮想通貨取引所バイナンス、ドバイで完全な事業ライセンス取得
バイナンスは昨年同局からMVPライセンスを取得したが、同ライセンスには3段階のプロセスがあり、今回は最終段階をクリアしたことになった。
07:20
「半減期後にBTC価格は下落する可能性」JPモルガン
半減期後に仮想通貨ビットコインの価格は下落する可能性があると、JPモルガンのアナリストは分析。17日のレポートで分析の根拠を説明している。
06:30
バイナンス、新たな仮想通貨ローンチパッド「メガドロップ」発表
最初に選ばれたプロジェクトは仮想通貨ビットコインのステーキングプラットフォーム「BounceBit」で、168,000,000 BBトークンがMegadropを通して配布される予定だ。
06:00
コインベース、ソラナミームコイン「WIF」の永久先物提供へ
米仮想通貨取引所大手コインベース(およびインターナショナル取引所)は19日、ソラナ基盤のミームコイン「WIF」のパーペチュアル先物取引を新たに提供する予定を発表した。
04/18 木曜日
17:05
Flare Network、PFP NFT生成AIサービスの一部機能を公開
Flare Network(フレアネットワーク)はデータに特化したブロックチェーンとしてAIを強化。Atrivと提携してコードなしでNFTを生成するプラットフォームを提供。このプラットフォームは、デジタルアートの取引と集大成を容易にし、安全なクロスチェーン取引をサポートする予定。
17:00
ビットコインの新トークン標準「Runes」が注目される理由
仮想通貨 ビットコイン新たな代替トークン基準「Runes」にコミュニティの注目と期待が集まっている。ビットコイン版NFTの発行を可能にしたOrdinalsの開発者が、設計した新たなプロトコルで、ビットコインの半減期に合わせてローンチされる。
16:25
ソラナのDEX「Drift」、18万ユーザーに1億トークンのエアドロップ実施へ
ソラナのDEXプロトコル、Driftが1億トークンのエアドロップを実施予定。取引量200億ドル超のプラットフォームで、ユーザー活動に基づくトークン配布が行われる。新たな暗号資産(仮想通貨)DRIFTの詳細を解説。
15:00
コンサル大手EY、イーサリアム基盤の契約管理サービスを立ち上げ
世界四大会計事務所の一つ、アーンスト・アンド・ヤングは、ブロックチェーン技術を活用した企業契約管理ソリューション「EY OpsChain Contract Manager」の立ち上げを発表した。
14:00
「ビットコイン半減期は年単位で見れば価格に大きなインパクト」Bitwise分析
Bitwiseは今後の価格についてビットコイン半減期の長期的な影響は過小評価されていると述べた。一方、ゴールドマン・サックスはマクロ経済情況も重要と分析している。
12:00
RWA分散型金融Centrifuge、23億円調達
Centrifugeは新たな資金を利用し、Baseチェーン上に構築され、Coinbase Verificationと統合されたRWA向けの機関投資家グレードの融資市場の構築に取り組んでいく。
10:50
分散型決済Slash Payment、エアドロップ第一弾の詳細発表
仮想通貨決済サービス「Slash Payments」は、独自トークンSVLエアドロップ第一弾の詳細を発表した.。SlashのNFT保有者などが対象となる。
08:15
Roninチェーンが初のWeb2ゲームIP導入、韓国の「Ragnarok」
「Ragnarok: Monster World」は、Ragnarokが出すWeb3戦略ゲームで、タワーディフェンスとモンスター収集の要素を組み合わせたこのゲームだ。プレイヤーは「Ragmons」を集めたり、PvPモードで戦ったり、ギルドを作ったりできる。
07:15
「4月末までにブラックロックのビットコインETFがGBTCを追い抜く可能性」アナリスト予想
仮想通貨ビットコインのETFについて、4月末までにはブラックロックのIBITがGBTCを追い抜くとブルームバーグのアナリストが予想。両ETFの差は確実に狭まってきている。
06:30
ワールドコイン、独自のレイヤー2「World Chain」発表
ワールドIDを持ち人間であることが確認されたユーザーは、ボットよりも優先的に仮想通貨のブロックスペースを利用でき、無料のガスも利用できる。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
イベント情報
一覧
2024/04/20 ~ 2024/04/21
大阪 京セラドーム大阪
2024/04/25 ~ 2024/04/26
東京 国立新美術館
重要指標
一覧
新着指標
一覧