はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習-運用
CoinPostで今最も読まれています

石油大手ExxonMobil、余剰ガスを仮想通貨マイニング企業に提供=報道

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

フレアガスを採掘企業に提供

米石油大手Exxon Mobil(エクソンモービル)が余剰ガスを暗号資産(仮想通貨)マイニング企業に提供する試験プログラムを実施していることがわかった。

また、世界各地の石油拠点でも同様の対応を検討していることを関係筋の話としてブルームバーグが報じた。

エクソンはこの試験プログラムを米ノースダコタ州の石油拠点として知られるバッケン(Bakken)地域で開始。ビットコイン(BTC)などのマイニングも手掛けるクルソーエネルギーシステム(Crusoe Energy Systems)社に石油の精製時に発生する余剰なガス(フレアガス)を提供することで、従来なら需要のないまま処分されるエネルギーが再利用される仕組みだ。

関係者によれば、2021年1月より開始した試験プログラムは7月より本格的に取り組みが進んでおり、Crusoe社は1ヶ月辺りおよそ50万立法メートル(m3)のフレアガスを仮想通貨マイニング目的で利用しているという。また、Exxonは現在アラスカやナイジェリア、アルゼンチン、ガイアナ(南米)、ドイツなどでも同様の取り組みを検討中だと語った。

Exxonの広報担当者は具体的な取り組みについてコメントは控えつつ、「フレアガスの削減に向けた新興技術の検討は常に行なっている」と述べた。

世界銀行などの国際機関は2030年までの持続可能な開発目標(SDGs)の項目でフレアガス削減も含まれており、石油企業は環境負荷の多い二酸化炭素排出量やグリーンハウスガスの排出量ゼロ化を求められている。

持続可能な開発目標(SDGs)とは

国際連合が提唱する2030年までの国際目標。「誰1人取り残さない」持続可能(サスティナブル)で多様性と包摂性のある社会実現を目指す為、17の目標やターゲットと指標を定めている。

SDGsの第7条は「安い値段で、安定的で現代的なエネルギー」や再生可能エネルギーの利用を促す項目が含まれている。

▶️仮想通貨用語集

なお、クルソーエネルギー社はウィンクルボス兄弟などから出資を受けている企業で、ノースダコタ州ではエクソン以外にもエクイナーやデボン・エネルギーなどのエネルギーとも同様の取り組みを行なっている。

ノースダコタ州関係者は州内で発掘されるガスの内90%がパイプラインで発電所に供給される反面、10%近くはそのまま無駄になっていると分析。そのため、このように仮想通貨マイニングを利用して、従来ならそのまま大気圏に放出されるガスを再利用する取り組みはノースダコタ州以外にもコロラド州やワイオミング州でも着目されている。

関連:ビットコインのマイニング(採掘)とは|3種類の方法を解説

フレアガスとは

フレアガスは元来、石油の精製時に必然的に発生した余剰ガスを手軽に処理する仕組み。本来ならパイプラインなどを経由して、市場に出回るところ、供給に対する需要が追いつかない場合に保管コストを削減するためにガス・石油を直接燃やす行為を指す。

フレアガスの禁止を求めている世界銀行はガスのフレアリング行為を「比較的安全な方法であるものの、無駄が多く環境汚染にもつながる」と評している。

一方で、石油企業はいずれにせよフレアガスを燃焼するなら、仮想通貨マイニングなどの用途に当てるべきとの声もあり、Exxonのような取り組みは2月にも石油大手ConocoPhillipsが行なっていることが明らかになっていた。同社もExxonに並ぶ世界的石油企業で、ノースダコタ州のバッケン地域で試験的な取り組みとして仮想通貨採掘企業にフレアガスの利用を認めていた。

マイニングASICを搭載したトレーラーが油井付近に移動して、その場でガスを電力に変換してマイニングを行う仕組みとなっている。

関連:米石油大手企業、ビットコイン採掘業者にフレアガスを提供

米国の仮想通貨マイニング

中国が21年5月に仮想通貨禁止令を再び発表したことで、ビットコインネットワークにおける米国のハッシュレート(採掘シェア)は世界1位に浮上。連邦政府レベルでは、今月上旬にバイデン政権が仮想通貨に関する大統領令を発表した反面、一貫した法整備はまだ整っておらず、州単位での取り組みが各々進めている状況だ。

出典:CBECI

関連:ビットコイン採掘シェアは米国1位に=英ケンブリッジ大学統計

今週ニューヨーク州では、マイニングの環境リスクを懸念して仮想通貨企業に対する新規ライセンスの発行を2年間停止する法案が議会に進んだ。

一方で、テキサス州やノースダコタ州、ケンタッキー州では仮想通貨マイニングを積極的に誘致する取り組みが多く散見される。また、米国先住民のナバホ族などは自治領内の太陽光発電で発生した余剰電力を仮想通貨マイニング企業に提供。マイニングの影響で、環境負荷の高い炭鉱に代わり、再生可能エネルギーの導入がインセンティブ化された事例もある。

関連:米先住民のナバホ族、ビットコインマイニングに活路

厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
04/02 水曜日
07:50
『ビットボンド』提案、トランプ政権のビットコイン準備金戦略、年間10兆円の財政削減効果も
ビットコイン政策研究所が「ビットボンド」提案を発表。米国債の金利負担軽減と仮想通貨ビットコイン保有増加を同時実現する戦略で、2兆ドル規模で導入した場合、年間700億ドルの節約効果と推算。
07:20
ビットコイン購入準備のゲームストップ、2200億円調達済み
米ゲーム小売大手ゲームストップが15億ドルの無利子転換社債発行を完了し、ビットコイン購入計画を進行。マイクロストラテジーの戦略に類似する企業の仮想通貨投資の新たな展開に。
06:55
三井住友FG、アバランチらとステーブルコインを共同開発
三井住友FGは、ステーブルコインの開発を行うことがわかった。仮想通貨アバランチを開発するAva Labsら3社と協業し、26年度を目処にした発行を検討している。
06:35
トランプ家支援のAmerican Bitcoin、二社統合モデルでIPO計画
トランプ家支援のAmerican Data CentersとビットコインマイナーHut 8が設立した合弁会社American Bitcoinが上場計画を発表。エネルギー・インフラとマイニング事業を二社統合モデルで展開していく。
06:12
ブラックロック、英で仮想通貨事業者認可を取得、ビットコインETF提供へ
世界最大の資産運用会社ブラックロックが英国金融行動監視機構から仮想通貨事業者として認可を取得。資産12兆ドルの投資巨人が欧州向けのビットコインETFを英国拠点から運営へ。
05:50
AI関連株と仮想通貨が反発、OpenAI過去最大の6兆円調達受け
OpenAIが史上最大の400億ドル資金調達を実施し企業価値3,000億ドルを達成。週間ユーザー数は5億人に拡大し、年間売上高は127億ドルを見込む。これを受けてCoreWeaveが38%上昇、AI関連仮想通貨も5%以上上昇した。
04/01 火曜日
17:40
メタプラネット、ビットコインを696 BTC追加購入
メタプラネットが696BTCを追加取得した。キャッシュ担保付きプットオプションで第1四半期に7.7億円の収益を計上し、長期的なビットコイン蓄積と安定収益を同時に狙う戦略を公開した。
15:02
オリコン調査 ビットコイン取引所満足度ランキングbitbankが首位【現物取引】
オリコン顧客満足度調査2025で暗号資産取引所を徹底比較。現物取引ではbitbankが2年連続の総合1位を獲得し、手数料・システム安定性で3年連続首位となった。GMOコインはステーキング・レンディングで高評価。6,260人の利用者の声から見る信頼性の高い取引所選びに。
14:15
エックスモバイルがWeb3参入 暗号資産モバイルサービスを今年度中に開始
マジモバ・ホリエモバに続く展開 格安携帯電話サービスを提供するMVNO「エックスモバイル」は1日、暗号資産(仮想通貨)を含むWeb3事業への本格参入を発表した。今年度中に、ブロ…
13:45
テザー、1Qに8888BTC追加購入
ステーブルコイン最大手テザーが2025年第1四半期に約1,100億円相当のビットコインを追加購入。総保有量は92,647BTCとなり世界第6位のホルダーに。
13:10
イーサリアムL1の手数料収益が大幅減少 目標達成も課題浮上
仮想通貨イーサリアムのDencunアップグレード後、L1の手数料収益が大幅に低下。ガス代削減という目標は達成したものの、ETHのインフレ課題が浮上していることを解説する。
12:11
トランプ関税発表控え緊迫するビットコイン市場、ETF資金流入とマイニング課題の狭間で
4月2日のトランプ関税発表を控え、ビットコイン市場は複雑な状況に直面している。一方ではETFへの資金流入が9営業日連続で続き回復の兆しを見せる一方、マイニングコストは87,000ドルまで上昇。さらにハッシュレートは史上最高の8億5,000万TH/sを記録するという矛盾した状況だ。市場のリスク回避姿勢が強まる中、投資家とマイナーの動向から見える業界の今後を分析する。
11:25
ヘデラ関連企業ハッシュグラフ、企業向けネットワーク「HashSphere」発表
仮想通貨ヘデラ関連企業ハッシュグラフは、プライベートな許可型ネットワークHashSphereを発表。開発目的や想定するユースケース、今後の開発計画が明らかになった。
11:00
米上院議員、退職金での仮想通貨投資を可能にする『金融自由法案』を提出
米国のトミー・タバービル上院議員が退職金プランでの仮想通貨投資を許可する金融自由法案を提出。旧バイデン政権の規制に対抗し、トランプ大統領の仮想通貨支持政策を後押しする内容に。
10:10
REDXがBingXへの上場発表 モバイルサービス「REDX MOBILE」でユーティリティ拡張へ
ブロックチェーン×エンターテインメントを融合させたWeb3プロジェクト「REDX(レッドエックス)」は、2025年4月1日より、トークン還元型の次世代モバイルサービス「REDX…

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧