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ビットコイン長期保有率(1年以上)が過去最高を更新、NFT通算取引量は6兆円規模に CoinPost週次データレポート Vol.48

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4月の仮想通貨動向

4月第3週の暗号資産(仮想通貨)市場。ビットコイン(BTC)は約1ヶ月ぶりに40,000ドルを下回った。米国の「確定申告」期日を迎えたほか、金融引き締め局面で軟調な金融市場に応じて仮想通貨市場も下落基調に。

出典:Tradingview

イーサリアム(ETH)も3000ドル台を下回った。なお、これまで22年上半期が想定されていたPoS(プルーフ・オブ・ステーク)への移行を意味する大型イベント「The Merge」の実装目処は、2022年下半期に延期されることがイーサリアム財団関係者から明かされ注目を集めた。

出典:Tradingview

関連:イーサリアム、PoS移行は2022年後半か

時価総額TOP20の騰落率

時価総額上位銘柄の週間騰落率は以下の通り。(17日時点:ステーブルコイン除く)

  • シバイヌ(SHIB)+0.65%
  • ニア(NEAR)-0.43%
  • リップル(XRP)-0.46%
  • バイナンスコイン(BNB)-2.68%
  • ビットコイン(BTC)-5.90%

参照:CoinMarketCap

関連:2015〜2020年、仮想通貨「時価総額TOP20」の顔ぶれと変化

ビットコインのオンチェーン・データ

ビットコイン(BTC)関連の注目のオンチェーンデータは以下の通り。

トレーダー動向

仮想通貨分析企業Santimentは、ここ最近のトレーダー動向はショート(売り注文)がロング(買い注文)をわずかに上回っていると指摘。反対決済の予測に役立つFundingRate(資金調達率)は現在価格と反比例するため、過去相場から見ると強気シグナルの一つと分析した。

ファンディングレートとは

暗号資産(仮想通貨)先物市場のポジション保有コストのこと。ポジションを保有し続ける限り掛かるコストを指しており、ファンディングレートの偏りは、すなわちポジションの偏りを示唆している。

▶️仮想通貨用語集

価格帯データ

オンチェーンアナリストのPlan C氏は、ビットコインのUTXOデータに基づき、BTC流通量の12%が38,100ドルから41,500ドルの価格帯で取引されてきたと指摘。これは歴史的に最も取引されている価格帯だと述べた。

UTXOとは

Unspent Transaction Output(未使用の取引アウトプット)の略。ウォレットから送金(取引)されていない未使用のビットコイン残高を測る指標。

▶️仮想通貨用語集

また、同じくアナリストのOn-Chain College氏はBTC供給量の69%以上が実利状態にあると言及。2022年に入り、実利率は3度62.5%ラインを死守しており、95%を超えると売り圧が高まると分析した。

出典:@OnChainCollege

同氏は他にも、ビットコインは実現利益/損失の観点では、2018年の弱気相場ではなく、2021年夏の相場と類似していると評した。

HODL率は過去最高

一方、ビットコイン・アドレスの長期保有率を計測するIllquid Supplyは過去最高値を更新した。BTC供給量に対して、1年以上ビットコインが取引されていない(継続保有された)ビットコインは64%に達し、これまでの過去最高値63%を突破した格好だ。

Illiquid Supplyとは

流動性が無い(長期保有されている)ビットコインの保有量を示す指標。glassnodeの統計では、ビットコイン流通量の内、最大78%がこれに該当するというデータも出ていた。(昨年12月時点)

▶️仮想通貨用語集

また、BTCウォレット(Accumulation Address)は2月以降、買い集め傾向がさらに顕著になっている。

なお、Accumulation Addressは、ビットコインを購入した後一切利用されていないウォレットを指す。

米国の確定申告の影響

ブロックチェーン分析企業glassnodeの共同設立者であるNegentropic氏はビットコインが38,000ドルに急落した前後で「仮想通貨 税金(Crypto Taxes)」の検索数が増加していたと指摘した。

マイナーの保有BTC量

ビットコインのマイナー(採掘者)のウォレット群におけるBTC保有量は1月6日以来となる185万BTCの低水準まで低下。2022年に入り、同指標は年初より5,000BTC以内のレンジに留まっていた経緯があり、On-Chain College氏は今後これが下降トレンド、または上昇トレンドの開始を告げるものが見極めていく必要があるとした。

クジラの動向

大口ウォレット(クジラ)からは先週月曜日から金曜日にかけて1億円以上の大口取引は4,000件以上確認された。このような取引は平日に行われる傾向があり、今後相場の好転には、こうした大口取引の急激な増加が先駆けて起きるとSantiment は説明した。

出典:Santiment

上記図から伺える通り、BTC価格(緑)が高騰、または急落する前後には大口取引が多く行われることが伺える。

オンチェーンアナリストのAli Martinez氏は4月中旬(10日〜13日)の4日間にかけて、10,000BTC以上を保有するアドレスが4.6%減少したと指摘。クジラが売却、または異なるウォレットに資金を移動している可能性も残るものの、売り圧力にもなり得ると分析した。

イーサリアムのオンチェーン・データ

イーサリアム(ETH)関連の注目のオンチェーンデータは以下の通り。

ETH2.0 ステーキング額

ステーキング額:1,112万ETH(前週比+25万ETH)

beaconcha.in

関連:仮想通貨ステーキングとは|初心者でもわかる「報酬」の仕組み

バーン量

イーサリアム・ネットワークのバーン数は18日、前週比で25,874ETH増加。通算バーン量は7,800億円相当の212万ETHに達した。

参照:Watch the Burn

「最も開発者がアクティブなプロジェクト」

Santimentは過去30日間、開発者がアクティブだった上位10のアルトコイン・プロジェクトを紹介。国内有識者も開発に携わったクサマ・ネットワークもランクインした。

  1. ユニスワップ(UNI)
  2. ソラナ(SOL)
  3. ステータス(SNT)
  4. ポルカドット(DOT)
  5. クサマ・ネットワーク(KSM)
  6. ファイルコイン(FIL)
  7. カルダノ(ADA)
  8. イーサリアム(ETH)
  9. チェーンリンク(LINK)
  10. アイオタ(MIOTA)

DeFi(分散型金融)

DeFiプラットフォームのTVLは18日時点で2,084億ドル(26.3兆円)だった。

出典:DeFi Llama

TVL(Total Value Locked)は、DeFiプロトコルへ預入れされた仮想通貨資産の総ロック額を指す。

NFT

2022年の月間取引量は以下の通り。21年8月の過去最高記録を1月に更新して以来、下降傾向を続けている反面、全て2021年の最高月を超えており、人気は健在だ。

ブロックチェーン分析企業IntoTheBlockによれば、NFTの通算取引量は約6.8兆円以上に相当する1,800万ETHを突破。また、NFT取引量の短期的な減少により、イーサリアムのガス代も低下が続く。

一方で、イーサリアムアドレスの内、NFTを保有しているアドレスは全体の4.5%に留まっており、NFTの普及は仮想通貨界隈でもまだ一部であることが伺える。

出典:IntoTheBlock

先週末にかけては、新たなNFTプロジェクト「Moonbirds」がセールを実施。10,000点のNFTは早くも完売し、週間取引量は早くも主要プロジェクトの「Bored Ape Yacht Club(BAYC)」などを9倍以上も上回る300億円相当の取引量を記録した。

限定クラブ「Proof Collective」への参加権や、ネスティングと呼ばれる独自の仕組みが注目を集めている。

関連:初セール実施の新NFTシリーズ「Moonbirds」、週間取引量1位で300億円規模を上回る

前回の週次レポートはこちら:イーサリアムのステーキング量が計1,000万ETHの大台突破、クジラの保有量は引き続き増加

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関連:クリプト指標導入「CoinPostアプリ」の使い方をトレーダー目線で解説|寄稿:Bit仙人

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米SECは、仮想通貨取引所Beaxyや幹部らを告訴。Beaxyはすでにサービス終了を発表した。SECは告訴の理由について説明している。
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日本銀行の黒田東彦総裁は、CBDCについて「今後実現していかなければならないし、実現していく」との見解を示した。具体的なCBDCの実装時期や手段について、あらゆる選択肢を準備しておくことが「中央銀行の責務」だと語った。
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リキッドステーキングの最大手プロトコルLido Financeは、仮想通貨イーサリアムの出金プロセスで、NFTを活用する計画を明らかにした。取得したNFTは転送できるため、ETHステーキング報酬の請求権が譲渡・売買可能になる。

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