はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習 WebX
CoinPostで今最も読まれています

FATF「各国のコンプラ状況は改善」、ペーパーカンパニーなど課題も残る

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

FATF、各国の法的遵守状況について報告

金融活動作業部会(FATF)は19日、マネロン・テロ資金調達防止策について、同機関の提唱する国際基準がどの程度遵守されているか調査したレポートを発表した。

レポートによると、法律や規制の面では、76%の国がFATFの勧告を十分に履行していた。2012年時点でこの数字は36%であったが、現在までに大幅に法や規制の整備が行われた形だ。

FATFは、これは評価とフォローアップが、前向きな影響を及ぼしていることを示すとしている。一方で、まだ課題があるとして、次のように述べた。

多くの国が、直面するリスクに見合った行動をとる上で、依然として大きな課題に直面している。例えば、複数の国にまたがって行われる事件の調査・起訴や、匿名のペーパーカンパニーなどを防ぐことに困難がある。

FATFとは

「Financial Action Task Force」の略で、マネーロンダリング対策(AML)やテロ資金供与対策(CFT)を監督する国際的な組織のこと。提示するルールや勧告自体に法的拘束力はないが、加盟国に対して審査を実施し、AMLやCFTにおける非協力国リストを公開するため、大きな影響力を持っている。

▶️仮想通貨用語集

今回の調査では、FATF加盟国の他、FSRB(FATF-style regional bodies:FATF型地域体)加盟国も対象となった。

FSRBとは、FATFに加盟していない国が所属するもので、FATFの勧告をベースとして相互審査を行っている。アジア太平洋、中央アフリカ、ラテンアメリカなど9つの地域体から構成されている。FATFとFSRBの加盟国を合計すると、FATFの勧告は、世界で190以上の国や地域に適用されている格好だ。

現在の課題

レポートによると、FATF加盟国は、リスクの理解や対応について80%以上が高い水準を達成していた。一方で、FSRB加盟国でこの割合は低く、高い水準を達成しているのは19%に過ぎなかったという。

FATFは、こうした国で、マネーロンダリング(資金洗浄)やテロ資金調達のリスクに対する理解向上や、リスクに応じた政策強化を行っていく必要があるとした。

また、今回評価対象となった120か国のほぼ全て(97%)で、民間部門におけるマネロン・テロ資金調達防止策の有効性が、低いか中程度であった。特に、非金融セクターでは、リスク認識や予防措置の適用という点で不十分であったという。

FATFは、民間セクターにおいて全般的に、顧客デューデリジェンス(リスク評価)、記録の保存、疑わしい取引の報告などの点で体制を整えていく必要があると指摘した。

また、レポートによると各国は、法規制の枠組みや、監督当局の権限強化等の面では改善をおこなっているものの、実際の監督行為実施と、その程度は依然として不十分だったという。

監督制度について、効果的に行っていた国はわずか10%だった。FATFは、特に非金融セクターにおいて、監督体制を効果的に実施することが優先課題だとしている。

特に、匿名のペーパーカンパニーが、犯罪や汚職の資金洗浄に広く利用されている方法の一つであり、ある企業の受益権所有者について透明性の要件を遵守することが重要だという。

FATFは、この点について、規則をさらにリスクに適合させ、現在のグローバルな課題をよりよく反映させるために、勧告を見直しているところだとした。

結論部分でFATFは、各国が法規制の整備に加えて、それを効果的に実施していくことも重要であるとしている。

CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
12/05 金曜日
07:02
メタがメタバース予算を最大30%削減検討、VR・ホライゾン・ワールズが対象=報道
ザッカーバーグのメタ社がメタバース関連事業の予算を来年最大30%削減する検討を進めている。投資家から歓迎され株価が上昇した。
06:25
ロシアが仮想通貨マイニング収益の公式統計反映を検討、隠れた輸出として年間数千億円規模か
ロシア大統領府のオレシュキン副長官が仮想通貨マイニング収益を貿易収支に計上すべきだと提案した。マイニング収益は1日約10億ルーブルに達し、隠れた輸出として外国為替市場に影響を与えているという。
06:02
ソフトバンクなど出資のビットコイン企業「21キャピタル」、12月9日から「XXI」で取引開始
ビットコイン特化企業の21キャピタルとカンター・エクイティ・パートナーズの事業統合が株主承認を得た。ティッカーシンボル「XXI」として株式の取引を開始。
05:35
CFTCが仮想通貨現物取引を連邦規制市場で初承認、米国で取引開始へ
米CFTCが仮想通貨現物商品取引の許可を発表した。CFTC登録先物取引所で初めて取引が可能となり、厳格な監督と投資家保護の下で安全に取引できる環境が整った。
12/04 木曜日
17:45
2026年2月17日(火)、「Digital Space Conference 2026」開催決定
一般社団法人日本デジタル空間経済連盟(所在地:東京都港区、代表理事:北尾 吉孝、以下「当連盟」)は、2025 年 2 月 17 日(火)に、大規模カンファレンスイベント「 Di…
16:49
MUFGグループ、トークン化MMFの商品化へ Progmatと協業開始
2026年に機関投資家向け提供を目指す 三菱UFJアセットマネジメント、三菱UFJモルガン・スタンレー証券、三菱UFJ信託銀行の3社は4日、Progmat(プログマ)との協業を…
16:49
FRB利下げと流動性回復、2026年の仮想通貨市場に追い風か=Delphi Digitalレポート
仮想通貨リサーチ企業Delphi Digitalは、FRBの利下げ継続とQT終了、TGA取り崩し、RRP枯渇により、2026年に仮想通貨市場にとって追い風となる流動性環境が生まれると分析。ビットコインやイーサリアムなどデジタル資産に有利との見方を示した。
15:09
ランボルギーニとレジャー、限定ウォレット発表 「いつランボ買える」ミームに呼応
仮想通貨ハードウェアウォレット大手レジャーとイタリア高級車ランボルギーニが提携し、限定版「Ledger Stax」を2026年初頭に発売。フェラーリやポルシェなど高級ブランドのWeb3参入が加速する中、24万人超の仮想通貨ミリオネア増加が背景に。
13:25
米コネチカット州がロビンフッドなど3社に停止命令、無免許でスポーツ賭博提供と主張
コネチカット州消費者保護局がロビンフッド、クリプトドットコム、カルシに無免許オンライン賭博運営の停止命令を発行した。3社は州法に違反してスポーツ賭博を提供しており、利用者の資金や情報にリスクをもたらしているという。
12:30
仮想通貨スイ(SUI)の特徴|国内取引所・手数料を徹底比較
暗号資産(仮想通貨)スイ(SUI)の2025年価格予想や将来性を徹底解説。VanEckの16ドル予測、現物ETF申請、技術的特徴、投資リスクまで網羅。国内取引所比較や最新エコシステム情報も掲載。
12:26
スイの注目プロジェクト「Walrus(WAL)」、将来性・購入方法を解説
Walrus(WAL)は分散型ストレージであり、暗号資産(仮想通貨)です。Sui Networkを活用した高度な技術、将来性、買い方、投資リスクまで徹底解説。
12:26
チャールズ・シュワブ、2026年前半に仮想通貨取引開始へ 既存取引所に手数料圧力か
米大手証券チャールズ・シュワブが2026年前半にビットコインとイーサリアムのスポット取引を開始。低手数料戦略で既存取引所に圧力か。バンガードやバンク・オブ・アメリカも参入し、ウォール街で仮想通貨の主流化が加速。
11:15
メタマスク、最大1万ドルの損失を補償する「トランザクション・シールド」開始 
仮想通貨ウォレット「メタマスク」が有料補償サービス「トランザクション・シールド」を開始。対象となる取引について月額9.99ドルで最大1万ドルの損失を補償する。
11:02
NTT Digital、仮想通貨ソラナのバリデータを運用開始
NTTドコモグループのNTT DigitalがSolanaバリデータ運用を開始。Dawn Labsが技術支援を担う。国内ではモブキャストHDもソラナ財団認定を取得するなど、企業参入が加速している。
10:45
三井物産デジタルAM、デジタル証券ファンドを早期償還
三井物産デジタル・アセットマネジメントは、デジタル証券ファンド「日本橋・人形町」を早期償還し、当初予想3.0%を上回る年5.0%の利回りを達成。累計利益分配金は25億円を突破した。
通貨データ
グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧