マイクロストラテジー社22年1Q業績報告
米マイクロストラテジーは3日、2022年第1四半期(1-3月)の業績報告を行った。その中で、保有する暗号資産(仮想通貨)ビットコインを、利回り取得や融資担保などで、さらに活用していく可能性も示唆した。
経緯として、マイクロストラテジーの子会社「MacroStrategy(マクロロストラテジー)」は3月、ビットコインを担保として、米シルバーゲート銀行より250億円を調達。この資金については、ビットコインの更なる買い増しやローンの利息、その他一般的な目的などで使用していくとしていた。
ビットコイン融資の追加証拠金(マージンコール)について、同社のCFOは業績報告発表会でビットコインが現在の価格より半減しない限り、追加証拠金は要求されないが、そのリスクを避けるために必要に応じて担保を増やす可能性があると説明。
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また、マイクロストラテジーのマイケル・セイラーCEOは、公式発表で次のように述べている。
当社は1Qに初めて、ビットコイン担保型ローンにより融資を受け、ビットコインへの上場企業投資家としての地位をさらに高めた。
当社の保有するビットコインを、資本調達取引の担保として役立て、ビジネス戦略をさらに実行することができることを実証した格好だ。
現在、マイクロストラテジーは約129,200枚のビットコインを所有しており、引き続き公開企業の中では最大の保有者である。
発表によると、このうち、約19,466枚が、2025年期限ローンの担保となっており、貸借対照表の「長期債務」として計上されている状況だという。
マイクロストラテジーは20年に初めてビットコインを購入して以来、定期的にビットコインを買い増ししており、その保有額は次第に増加している。
保有するビットコインについては、今後、(貸し出しを行って)利回りを得ることに活用する可能性もあると述べている。
ビットコインを巡る財務状況
マイクロストラテジーの保有するビットコイン取得原価は合計で約5,200億円(39億6,700万ドル)であったところ、2022年3月31日現在の時価は約7,700億円(58億9,300万ドル)とそれを上回っていた。
マイクロストラテジーの1Q総収益は、前年同期比でGAAP基準で2.9%減、非GAAP基準で0.4%減の約155億円(1億1,930万ドル)である。
一方、1Qの営業費用は約342億円(2億6,360万ドル)で、そのうち約221億円(1億7,000万ドル)相当がビットコインの減損費用として記録された。
これは、一部ビットコインの価格が、取得時よりも下落したことを表している。米国の一般に認められた会計原則(GAAP)では、仮想通貨の価値が下がった場合はそれを計上するが、価格が上昇した場合には、資産が売却されない限り、計上できない仕組みになっている。
GAAPとは
英語で「Generally Accepted Accounting Principles(一般に公正妥当と認められた会計原則)」の略。この原則は国ごとに異なり、米国会計基準はUS-GAAPと呼ばれている。米国企業の多くはGAAPに基づくものと、基づかないもの(Non-GAAP)の2種類を用いて決算発表を行っている。
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