はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習 WebX
CoinPostで今最も読まれています

ビットコイン一時2万ドル回復、マイナー(採掘業者)の売り圧力は上昇傾向

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

仮想通貨市況

週明け20日の暗号資産(仮想通貨)市場では、ビットコインは前日比+6.6%の269万円(19,930ドル)と反発した。

BTC/USD 日足

ショートカバーで一時2万ドルを回復したが、戻り売り圧力にさらされるなど上値の重さも目立つ。

Glassnodeによれば、16〜19日のビットコイン実現損失は73億2,500万ドルに達し、過去最高記録を更新した。2万ドルの節目を底割れたことで、1年以上保有する長期投資家までもがパニック売りに陥ったことを示唆する。

複数の懸念材料

DeFi(分散型金融)市場規模拡大と共に成長してきたイーサリアム(ETH)のエコシステムは、ここ数ヶ月は負の連鎖に陥っている。

関連:仮想通貨市場の「負の連鎖」に強い警戒感、ビットコイン下落で2万ドル節目に再接近

仮想通貨暴落で莫大な損失を被ったとされる大手ベンチャーキャピタル「Three Arrows Capital(3AC)」が債務超過に陥ったとして関連情報が錯綜し、リスク回避売りが先行したことも背景にある。

また、仮想通貨のレンディング大手Celsius Network(セルシウスネットワーク)が臨時的な出金停止措置を発表し、Aaveからラップドビットコイン(wBTC)の流動性を引き出したことも投資家心理を悪化させた。

詳細:レンディング大手セルシウス(Celsius)、資金引き出しの一時停止を発表

セルシウスは、最大APR18.6%の高い利回りを維持するため、顧客の預かり資産でDeFiの流動性マイニングを行うなどハイリスクな運用戦略を取っていた疑いがあることがウォレット分析等から判明している。

詳細:仮想通貨融資大手セルシウス、財務再編巡り弁護士事務所と協議か

なお、22年4月時点で約30億ドルの資産を運用していた3ACは、アルゴリズム型ステーブルコインUST(TerraUSD)ディペッグ騒動を受けて暴落したテラ(LUNA)のプロジェクトにトークンセールを通じて約270億円(2億ドル)出資していたとされる。

昨今の金融市場の市況悪化を背景に、先週火曜日にはLido Staked Ethereum(stETH)を含む資産売却を開始したことが明らかになったほか、17日には3ACが暗号資産の融資大手Genesis TradingとBlockFiのマージンコール(追加証拠金要求)に応じることができず、大量保有するポジションを強制清算されたことが報じられた。

関連:大手ヘッジファンド「Three Arrows Capital」、ビットコインのポジションを強制清算か=FT報道

ウォール・ストリートジャーナルによれば、外部企業からの救済策を含め、複数の選択肢を検討している。

マイナー情勢

ビットコイン(BTC)の採掘速度を示すハッシュレートが、前週比10%以上下落した。

ハッシュレート推移(blockchain.com)

12日時点で過去最高の231.4TH/sだったが、18日時点で205.1TH/sとなっている。

ハッシュレートは、中国の仮想通貨全面禁止令でマイニング事業者の締め出しがあった21年6月に急落する場面があるも、大手マイナーの海外移転が進むにつれ回復。採掘マシンの性能向上に伴い、右肩上がりに上昇してきた。

2018〜2019年の弱気相場同様、「損益分岐点」を割り込み採算が取れなくなった場合、大手マイナーが保有する旧型マシンの稼働停止を余儀なくされたり、中小マイナーがマイニングファームの閉鎖・撤退に追い込まれるリスクが高まる。

オンチェーンアナリストのWilly Woo氏は以前、過去の相場傾向から「下落トレンドが長引いた場合、効率性の悪いマイナーは収益性を保てず、事業撤退や採掘コスト補充のため、採掘済みのビットコインの大量売却を余儀なくされるシナリオもあり得る」と分析した。

その上で、マイナー崩壊を可視化する「Hash Ribbons(ハッシュリボン)」を取り上げ、マイナー情勢の可視化によりトレンド転換の予兆を察知するのに役立つ可能性があるとの見解を示した。

ハッシュリボンは、ハッシュレートにおける30日移動平均線と60日移動平均線の2つを観測することで、マイナー動向から相場を予見するための指標の1つ。過去の相場サイクルでは、降伏シグナルが出た後に売り圧力が一巡するとビットコイン価格が回復する傾向にあった。

マイナーの降伏シグナルを意味するデッドクロスを経て、ゴールデンクロスへと転換した場合、弱小マイナーが淘汰され、効率的なマイナーが台頭するなど世代交代が進んだことを示唆する。(下図)

ハッシュリボン(19年11月〜20年11月)

オンチェーンアナリストのWill Clemente(@WClementeIII)氏は、ビットコイン(BTC)価格の大幅下落により、ハッシュプライスが20年10月以来の最低値まで下落したことを指摘。直近の相場でマイナーによる売り圧力が上昇していることを指摘した。

過去に掲載したマーケットレポート一覧はこちら

CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
12/09 火曜日
06:02
リップルの780億円資金調達、異例の年10%リターン保証で株式売却 投資家ヘッジに応じて=報道
ブルームバーグによると、リップルが11月に実施した5億ドルの株式売却で、投資家に3〜4年後に最低10%の年間リターン保証で未上場株式を売却する権利を提供していた。企業価値は400億ドルと評価されている。
05:35
ブラックロックもステーキング商品提供へ、イーサリアム現物ETFで
世界最大の資産運用会社ブラックロックがステーキング機能を備えたイーサリアムETFの登録届出書をSECに提出した。グレースケールやフィデリティなど他の発行体も仮想通貨ETFにステーキング機能を追加している。
12/08 月曜日
16:57
マクロン仏大統領、米仮想通貨規制緩和に警鐘 「金融不安定化のリスク」と指摘
フランスのマクロン大統領が米国のステーブルコイン規制緩和について警告を発し、金融不安定化のリスクを指摘。欧州中央銀行に金融政策の見直しを求め、欧州の金融主権維持を主張。ステーブルコイン市場は3000億ドル超に急拡大。
16:42
決済データDePINのSyFu、Finverseと提携しアジア5カ国のオープンバンキング展開へ
決済データ活用プロジェクトSyFuが、オープンバンキングプラットフォームFinverseと提携。香港、シンガポールなどアジア5カ国の約40金融機関と接続し、日常の支払いデータをトークンやNFTに変換できる仕組みを構築。欧州とアジアで世界規模のネットワークを確立。
14:58
トランプ大統領支援者所有の米Monet Bank、仮想通貨サービス事業に参入
トランプ大統領支援者アンディ・ビール氏所有のモネ銀行が仮想通貨特化型金融サービスに参入する。トランプ政権下での規制緩和により、エレボール銀行やN3XTなど仮想通貨対応銀行が相次いで誕生する中、資産60億ドルの小規模地域銀行がデジタル資産の保管・融資を提供開始する。
14:23
トランプ政権の国家安全保障戦略、仮想通貨に言及せず AI・量子技術を優先
トランプ政権が発表した最新の国家安全保障戦略で仮想通貨への言及がゼロ。AI・量子技術を重視する一方、「仮想通貨大統領」を公言してきた経緯との整合性をめぐり議論が起きている。
11:44
FOMC控え不安定な展開続くビットコイン、前週末は大口の協調売りか
暗号資産(仮想通貨)市場ではビットコインが一時9万ドル割れで3.4億ドル規模の大量清算発生。クジラによる協調売りの可能性が浮上し、週末の薄い板で2000ドルの乱高下が見られた。一方でマイナー降伏を示すハッシュリボン反転で底打ちサインも。FOMC利下げ観測と円キャリー巻き戻しが市場を揺さぶる。
11:30
ソラナDEX「ジュピター」の再担保に関する議論 「伝染リスクゼロ」主張を疑問視
仮想通貨ソラナ基盤のジュピターが「伝染リスクゼロ」と主張したことについて、競合Kaminoなどが再担保の実施を指摘し批判した。ソラナ財団プレジデントは両者に協力を呼びかけている。
09:11
フランスの大手銀行BPCE、仮想通貨4銘柄の取引サービス開始
フランスの大手銀行BPCEが約200万人の顧客向けに仮想通貨取引サービスを開始する。ビットコインなど4銘柄が銀行アプリで売買可能になる。
08:54
韓国、取引所に無過失損害賠償責任を導入へ アップビットのハッキング事件を受け
韓国金融当局が仮想通貨取引所に無過失損害賠償責任を導入へ。アップビットの445億ウォン不正アクセス事件を受け、2段階立法で規制強化。課徴金も売上高3%まで引き上げの方針。
12/07 日曜日
20:40
「ビットコインを価値の橋渡し役に」Bitcoin Japan CEO、繊維業からの大転換とAI戦略を語る
東証上場の堀田丸正から「ビットコインジャパン」へ大胆に転換したフィリップ・ロード(Phillip Lord)CEOが、CoinPost独占インタビューでビットコイン準備金戦略とAIインフラ投資の詳細を明かした。「日本の品質×米国の規模」で2030年までに500MW規模のデータセンター投資を目指す。
17:00
ハイパーリキッドの将来性・HYPEの買い方|注意点まで徹底解説
HYPEトークンの買い方から注目理由まで完全解説。手数料収益による自動買い戻し、機関投資家参入、ステーキング機能など、急成長するDEX「Hyperliquid(ハイリキ)」の魅力を詳しく紹介します。
14:35
仮想通貨取引所のキャンペーン・特典情報【2025年12月最新】
2025年12月更新:主要な暗号資産(仮想通貨)取引所が展開するキャンペーンと特典情報を徹底解説。仮想通貨取引の第一歩は、国内取引所の口座開設。初心者もトレーダーもキャンペーンや特典を駆使して、投資の機会を最大限に活用しましょう。
14:00
今週の主要仮想通貨材料まとめ、イーサリアム「フサカ」実装完了やソラナスマホの独自通貨発行計画など
前週比で振り返る仮想通貨市場の最新動向。ビットコインやイーサリアム、XRP、ソラナなど主要銘柄の騰落率や注目材料を一挙紹介。市場トレンドと関連ニュースを詳しく解説する。
12:00
ステーキング 主要取引所の仮想通貨別・年率報酬を徹底比較
【2025年12月最新】国内主要取引所のステーキング対応銘柄と年率を一覧比較。イーサリアムやソラナなど人気コインの高利率サービスを紹介し、各取引所のメリット・デメリットや税金のポイントも解説します。
通貨データ
グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧