はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習 WebX
CoinPostで今最も読まれています

仮想通貨の市場心理「Extreme Fear」水準に再転落、ETH反発はThe Merge進捗を好感か

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

仮想通貨市況

24日の米株式市場では、ダウが前日比59ドル(0.2%)高と反発した。 4営業日ぶりに下げ止まりを見せたものの、ジャクソンホール会議を控え、手控えムードが強い。

外資系FX企業Oandaのアナリストは、「金融市場のリバウンドに十分な出来高が伴っていない。多くのトレーダーは、ジャクソンホール会議におけるパウエルFRB議長の姿勢を見極めようとしている」と指摘した。

金利先物市場では、9月開催の米連邦公開市場委員会(FOMC)で0.75%の利上げ確率を58.0%ほど織り込む中、FRB(米連邦準備制度)の姿勢に2023年上半期までにピボットの明確な兆候は見られない。過去類を見ない金融引き締めペースでさえ、現在のインフレ高進抑制に対して不十分と見る向きが強く、長期化懸念は払拭しきれていない。

暗号資産(仮想通貨)市場では、ビットコインは前日比1.5%高の21,554ドルに。引き続き狭いレンジ内で推移しており、様子見基調か。

BTC/USD 日足

Glassnodeのオンチェーンデータ分析ブログによれば、「ビットコインは約3週間に渡って実現価格を上回って取引されるなど、ひと時の安堵をもたらしたが、一方でネットワーク活動の弱さが露呈していた」という。

取引所のフローは2020年後半の水準に巻き戻っており、新たな資本流入が見られず、投機的関心も著しく低下した。

Glassnode

また、短期保有者のSOPR(90日平均)では、次のようなデータが見られた。

Glassnode

SOPR(Spent Output Profit Ratio)は、BTCホルダーの利益率を表す指標。ブロックチェーントランザクションから受金時の購入価格と送金時の売却価格の差分を算出するもので、SOPRの低下は、投資家が損失確定して売却(損切り)したことを意味する。

特に意識される閾値は「1.0」のクロスオーバーであり、利益確定の戻り売りをこなした上でこれを超えてくるようであれば、市場に流れ込んだ新しい資本が短期保有者の利益分を吸収しきり、過去の例からもトレンド転換シグナルとして機能し得るとされる。

例えば、上図でSOPR(90日平均)がクロスオーバーしたのは、19年5月、20年5月(コロナショック後)、21年9月となっており、その後いずれも強気トレンド転換を鮮明にしている。

現在の市場構造は、前回の仮想通貨バブル崩壊後(2018年後半)の弱気相場に匹敵するが、持続的な上昇トレンドに必要な収益性、及び需要流入などマクロトレンドの反転は現時点では確認されていない。

この点についてGlassnodeは、現在は底固めフェーズである可能性が高く、マクロ経済の不確実性に左右されやすい状況下にあることを総括した。

市場心理を示すCrypto Fear & Greed Indexは、14日時点で「中立」の47まで回復したが、その後の地合い悪化に伴い反落。わずか10日間で極度の恐怖(総悲観)を示す「Extreme Fear」まで転落した。

Crypto Fear & Greed Index

弱気相場の長期化局面において、投資家の高い警戒心を示している。

一方、Whalemapのデータによれば、BTCの最大確率損失(MPL)は大規模なパニック売りを示しており、過去の傾向を踏襲すれば短期的な底値となり得る。

アルトコイン相場

時価総額2位のイーサリアム(ETH)は前日比4.2%高と反発。ビットコインの前日比1.5%高と比較して強めの買い戻しが見られた。直近1ヶ月の騰落率では、BTCの前月比1.29%高に対し、ETHは前月比15.4%高と明暗を分けている。

前月比ではBNBが19.1%高、ポルカドット(DOT)が12.2%、イオス(EOS)が51.8%高と一部主要アルトへにも買いが集まった。

ETHの反発は、イーサリアム財団が24日に大型アップグレードThe Merge(ザ・マージ)の実施日程を正式発表したことも材料視されたものと見られる。マイニングの最終合計難易度(TTD)を元に、9月10日から20日の間に実施される見込み。

仮想通貨史上「最も重要なアップグレード」の一つとして数えられるThe Mergeは、入念な準備の下すでに複数段階のテストネットを完遂し、最終段階のメインネットを残すのみ。ドレスリハーサルとされた最終版の第3テストネット「Goerli」におけるマージ実装も成功を収めている。

9月6日に予定する合意レイヤー(CL)のアップグレード「Bellatrix」を経て、バリデータの管理チェーンであるビーコンチェーンをアクティベート。その後、実行レイヤー(EL)のアップグレード「Paris」へと移る予定だ。

詳細:イーサリアム財団、「マージ」の実施日程を正式発表

マージ実装後は合意形成アルゴリズムがPoWからPoS(プルーフ・オブ・ステーク)へと移行することになるが、ネットワーク上でマイニング(採掘)ができなくなることから、利益を享受できなくなる既存マイナー(採掘業者)の一部はこれに反発。

分岐を伴うハードフォークにより反旗を翻す可能性が生じており、新トークンETH PoW(ETHW)付与に関する動向も投資家から高い関心を集める。

関連:イーサリアムPoWフォーク:新トークン付与に関する「仮想通貨取引所」対応一覧表

過去に掲載したマーケットレポート一覧はこちら

CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
12/19 金曜日
17:38
税制改正大綱で仮想通貨税制が大きく前進、申告分離課税20%と3年間の繰越控除を明記
政府・与党が2026年度税制改正大綱を決定。暗号資産取引に申告分離課税を導入し、税率は株式と同じ一律20%に。3年間の繰越控除制度も創設される。金商法改正を前提とした条件付きで、2028年施行の見通し。昨年の「検討」から具体化が進み、web3業界の発展に向けた重要な一歩として評価されている。
15:33
米国法銀行初、SoFiがステーブルコイン「SoFiUSD」を発行
米ソーファイ・テクノロジーズが完全準備型の米ドルステーブルコイン「ソーファイUSD」を発表した。パブリックブロックチェーン上でステーブルコインを発行する米国法銀行として初の事例となる。
14:15
2025年の仮想通貨盗難被害額5300億円突破、北朝鮮関連グループの犯行目立つ=チェイナリシス
チェイナリシスが2025年の仮想通貨盗難事件についてレポートを発表。総額5300億円規模であり、Bybitハッキングなど北朝鮮関連グループによる犯行が目立っている。
14:13
サークル、インテュイットと提携 USDC で税金還付や企業決済に対応
ステーブルコイン大手サークルが金融テクノロジー企業インテュイットと複数年の戦略的提携を締結。TurboTaxやQuickBooksなどでUSDCを活用した税金還付、送金、決済サービスを展開し、年間15兆円超の取引に対応へ。
12:10
米上院、トランプ氏の仮想通貨推進派2名を承認 CFTC・FDIC新委員長が就任へ
米上院は12月18日、トランプ大統領が指名したマイケル・セリグ氏をCFTC委員長に、トラビス・ヒル氏をFDIC委員長に承認した。両氏は仮想通貨推進派として知られ、デジタル資産に対するより友好的な規制環境の実現が期待されている。
11:28
米仮想通貨市場構造法案、1月に上院審議へ ホワイトハウス当局者が確認
米ホワイトハウスの仮想通貨担当官が、仮想通貨市場構造法案(クラリティ法案)の1月上院審議入りを確認。業界と伝統的金融機関が最終協議を実施、超党派の協力が成立の鍵に。
11:09
「10月の歴史的暴落の後遺症続く」ラウル・パル、仮想通貨の下落圧力は市場操作ではないと分析
グローバルマクロ投資家のラウル・パルが、10月10日に発生した仮想通貨市場の歴史的暴落について詳細を分析。市場操作の指摘は的外れであり、トランプ関税ショックとバイナンスの深刻な技術障害が重なり、数兆円規模の強制決済をもたらした大規模ロスカットに繋がったという。
10:35
SOL保有企業フォワード・インダストリーズ、株式をトークン化
仮想通貨ソラナの財務企業フォワード・インダストリーズは、自社の株式がソラナブロックチェーン上でトークン化されたことを発表。トークン化株式はDeFiで利用できるとした。
10:05
仮想通貨保有企業株、MSCI除外で約2兆円売却圧力 来年1月に判断
MSCIが仮想通貨保有企業を指数から除外する提案を検討。実施されれば39社で最大150億ドル(約2.2兆円)の強制売却が発生する可能性。業界は1,268の署名を集め強く反発。2026年1月15日に最終判断。
10:02
イーサリアム財団、「ステート肥大化」のリスクを指摘 3つの対応策提案
イーサリアム財団が、ネットワークのステート増大が続くことによる中央集権化リスクなどを警告した。この課題に対する3つの対策を提案している。
09:35
NYSEの運営会社ICEが仮想通貨企業ムーンペイに出資交渉、評価額50億ドル目指す
ニューヨーク証券取引所を運営するICEが仮想通貨決済企業ムーンペイへの出資交渉を進めていることがブルームバーグの報道で明らかになった。
08:35
JPモルガン、ステーブルコイン市場の成長予測を維持も1兆ドル規模には否定的
JPモルガンのアナリストがステーブルコイン市場は2028年までに5000億ドルから6000億ドルに達すると予測し、1兆ドル規模の予測を否定的に評価した。成長は仮想通貨市場全体と連動すると見ている。
07:55
トークン化株式xStocks、TON Walletに対応
株式のトークン化プラットフォームxStocksは、TONブロックチェーンのTON Walletに対応したことを発表。ユーザーはテレグラムからトークン化した株式やETFにアクセスできる。
07:44
JPモルガンのJPMコイン、コインベースのベースチェーンに移行
JPモルガン・チェースがデジタル預金トークンJPMコインを独自の内部ブロックチェーンからコインベースの「ベース」に移行した。機関投資家の需要に応え、24時間365日のほぼ即時決済を可能にする。
06:40
ビボパワー、韓国ファンドに4.5億XRP相当のリップル株式を調達へ
ナスダック上場のビボパワーがデジタル資産部門を通じて韓国の資産運用会社リーン・ベンチャーズ向けに3億ドル相当のリップル・ラボ株式を調達する。
通貨データ
グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧