マクロ経済と金融市場
昨日の米NY株式市場では、ダウ平均株価は前日比36ドル(0.1%)高に。ハイテク株中心で暗号資産と連動しやすいナスダックは1.1%続落した。
ロシアとウクライナの対立激化が地政学リスクを一段と高める中、日本時間13日3時頃に米連邦公開市場委員会(FOMC)議事録要旨の公開、13日21時半にCPI(米消費者物価指数)の発表を控えることで、相場の不確実性を嫌ったポジション調整が進んだ。
直近2ヶ月ほどでは、重要指標通過後はいずれも相場急落の憂き目に遭っており、警戒感が燻っている。11月FOMCの0.75%の大幅利上げは織り込み済とみられるが、今回のCPI結果を受け、12月以降のFOMCに影響を及ぼす可能性が高まる。
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仮想通貨市況
暗号資産(仮想通貨)市場では、ビットコインは前日比0.01%安の19,053ドルに。
Glassnodeは10日、最新のニュースレターで、現在のビットコインを取り巻く市況感について”嵐の前の静けさ”と形容した。
ここ数週間は、株式、債券、外国為替市場と対照的に比較的穏やかなボラティリティ(価格変動性)による価格推移を辿っているが、ネガティブな材料は枚挙にいとまが無い。
BTC市場は、テラ(LUNA)の崩壊と大手ベンチャーキャピタルThree Arrows Capital(3AC)の破綻に端を発した5〜6月の暴落を経て、先物取引のレバレッジポジションを一掃。以降、120日以上に渡ってレンジ内で値固めされてきた。
相場のストレスを推し量るにあたり、売り手の枯渇度合いを憶測する手段の一つとして、ビットコインの「Percent Supply Profit(週平均)」が挙げられる。
同オンチェーンデータは、保有されているビットコインの黒字比率を割り出したもので、50%以下は売られすぎ水準に該当する。
過去の歴史では、2014〜2015年の弱気相場で40〜41%、第1次仮想通貨バブル崩壊後の2018〜2019年で41〜42%、2020年3月のコロナ・ショックでは47%に達し、いずれも大底を形成。その後、相場は反転上昇した。
過去最高を更新したビットコイン・ハッシュレートと、採掘難易度の大幅上昇を受け、中小マイナーの多くが事業存続の窮地に立たされている可能性も指摘される。
一部では、普及率の高いマシンの損益分岐点1BTC=18,000ドルとの試算もあるが、暗号資産投資企業NYDIGの最新の調査によれば、現在のBTC価格は、最新鋭のマイニングリグと安価な電力へのアクセスを備えた大手マイナーの損益分岐点を遥かに上回っている。
一方、ハッシュレート上昇の競争激化に伴い、BTCマイナーがハッシュレート単位あたりに得る収益であるハッシュプライスは、20年5月の半減期直後に見られた安値付近まで減少しており、ピーク時の1/4程度まで採算性が悪化しているのも事実だろう。
ビットコインマイナーの収益は、現時点で1716万ドル/日。2021年の半減期以降、約10分間で6.25BTCが採掘され、1日あたり900BTCが供給されている。
アルトコイン相場
個別銘柄では、ApeCoin(APE)価格が、前日比7.7%安と急落した。
米大手メディアのブルームバーグは12日、米SEC(証券取引委員会)が、Bored Ape Yacht Club(BAYC)などの開発企業「Yuga Labs」の調査に入ったことを報じたことから、リスク回避売りが入ったされたものとみられる。
報道によれば、SECはYuga Labsに対し、NFT(非代替性トークン)などデジタル資産の販売、及びBAYCホルダー向けにエアドロップされたAPEについて、連邦法に違反しているかどうかを焦点に証券法違反の疑いで調査している。
現時点では調査の一環であり、起訴されない可能性もあるとされる。
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