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金融相場反発でビットコイン堅調、Weiss Cryptoはブレイクアウトの予兆を指摘

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

マクロ経済と金融市場

昨日の米NY株式市場ではダウが大幅反発。前日比550ドル(1.9%)高で取引を終えた。これに伴い東京株式市場の前引けでは、日経平均株価が前日比209円(0.78%)高となった。

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米主要企業における四半期決算業績が概ね市場予想を超えたことで株指数が持ち直した格好であるが、相次ぐ金利引き上げの経済への影響は”翌年以降”に深刻化するとの見方もある。この先も当面の間、長期金利やドル指数に金融市場が振り回されるような展開で予断を許さぬ状況が続きそうだ。

また先日、英国の法定通貨ポンドの暴落を招いて市場を混乱させた、トラス政権の大規模減税策が撤回されたことも買い戻し圧力につながった。欧州発の通貨危機は、一方でポンド建ビットコインの取引高を急増させるなど、仮想通貨市場にとって追い風となった。

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このような状況を受け、ベストセラー「金持ち父さん貧乏父さん」の著者であるロバート・キヨサキ氏は15日、「私が不動産を推奨しなくなった理由として、2020年の米国選挙で台頭したマルクス主義者(社会主義思想)たちが、固定資産税(増税)や金利引き上げなどの政策に傾倒しつつあるためだ。不動産の価値は下落せざるを得ないだろう」と指摘。

「(繰り返しになるが)米ドルのインフレ局面においては、金や銀、ビットコインを推奨する」と述べた。

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仮想通貨市況

暗号資産(仮想通貨)市場では、ビットコインは前日比1.6%高の19,552ドルに。

BTC/USD日足

データ分析企業Coinsharesによると先週、デジタル金融商品に対して計1,200万ドルの小規模の流入が見られた。これは、機関投資家がボラティリティ(価格変動性)について慎重な姿勢を保っていることを示唆する。

そんな中、米大手格付け機関Weiss RatingsのCrypto部門アナリストを務めるMarija Matic氏は、ビットコインのチャート分析について、マクロ経済状況が引き続き悪化する中、ブレイクアウトの予兆が見えると指摘した。

昨年11月を天井にして転落した”下降チャネル”を約1年ぶりに脱するチャンスが芽生えたとしている。

BTC/USD日足 Weissratings

時価総額2位のイーサリアム(ETH)についても、1,335ドル付近のレジスタンスライン(上値抵抗線)をブレイクする可能性があるとした。

ETH/USD日足 Weissratings

ETH価格は、前日比2.6%高、前週比4.1%高で推移。合意形成アルゴリズムPoSへの大型アップグレード「The Merge」後の事実売りが一巡し、やや持ち直している。

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これに対し、金融マーケット全体の地合いの悪さが続く見通しから、暗号資産市場の再暴落は時間の問題だとする悲観予想も少なくない。

著名アナリストのRager(@Rager)氏は、週次チャートにおけるローソク足の値動きがボラティリティ減少で次第に収束していく過程は、18年9月の底割れ前の状況に近いとして警鐘を鳴らした。

ただし、当時の相場底割れのトリガーとなったのは、ビットコインキャッシュ(BCH)の敵対的ハードフォーク及びHashWars(ハッシュ戦争)の勃発であり、ビットコイン(BTC)をはじめとするPoW通貨全体に投資家の懸念が波及したことがある。

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採掘勢は強気継続

大手マイナーの動向における強気観測もビットコイン相場を下支えしている、と見る向きもある。

データ分析企業CryptoQuantのKi Young Ju(@ki_young_ju)CEOは18日、ビットコインの採掘速度(ハッシュレート)が、弱気トレンドへと転換した21年12月以降も、大きく成長し続けていることを強調。

影響として挙げたのは、大手暗号資産(仮想通貨)投資企業デジタルカレンシーグループ傘下のFoundryが運用する「Foundry USA マイニングプール」だ。

昨年11月時点で最大手のAntpoolに次ぐ世界2位の規模だったが、現時点で首位まで躍り出たという。この点についてKi Young Ju CEOは、同プールが機関投資家向けのサービスであることから、米国の機関投資家の参入を示唆した。

米国のマイニング企業が躍進した背景には、21年5月頃に中国でマイニング活動が全面禁止されたことがある。これにより、大手マイナーは稼働停止や採掘能力の海外移転を余儀なくされ、中国に一極集中していたハッシュパワーが世界中に散らばり、分散化した。

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