ブロックチェーン導入をテスト
イスラエルの財務省は、ブロックチェーン基盤のプラットフォームで、デジタル債券の取引をテストすることがわかった。現地メディアが19日に報じた。
今回のテストにはテルアビブ証券取引所(TASE)、デジタル資産のカストディサービス等を提供するFireblock、ソフトウェア企業VMwareが参加。ブロックチェーンを活用することで、コスト削減や債券発行の最適化をテストする。
テストの期間は2023年1Q(1月から3月)までの予定。デジタルウォレットを活用し、債券の送受信を行う。
Fireblockの担当者は今回のプロジェクトについて、「Blockworks」に以下のように説明した。
テストで使用するのは、イーサリアム(ETH)の仮想マシン(EVM)と互換性のある許可型のブロックチェーンだ。
現在はプライベートなテストだが、EVM互換の環境のため、財務省が将来パブリックブロックチェーンを使用したくなっても発行方法等に大した違いはないだろう。
また、財務省の幹部は以下のようにコメントした。
ブロックチェーン基盤の技術が普及し、やがて金融市場を変革すると私は信じている。
ブロックチェーンと金融資産
債券などの伝統的資産の取引で、ブロックチェーンを活用する取り組みは以前から行われてきた。
2021年6月には、金融大手ゴールドマンサックスが、JPモルガンのブロックチェーンプラットフォーム「Onyx」を利用し、米国の長期国債をトークン化。ステーブルコインのJPMCoinと交換する取引を行った。
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最近では今年9月、米資産運用会社WisdomTree社のデジタルファンド「WTSY」を規制当局が承認。WTSYは、米財務省が発行する手形や債券などを対象とした「Solactive1-3年国債インデックス」に連動するファンドである。
従来のファンドとWTSYが異なる点は所有権の記録方法。証券代行会社は独自の登録記録を保持するのに加え、イーサリアムまたはステラ(XLM)のブロックチェーン上で、ファンド所有権の二次記録を管理する。
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