はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習 WebX
CoinPostで今最も読まれています

米SEC、400億円規模の仮想通貨投資詐欺を摘発

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

400億円規模の投資詐欺

米証券取引委員会(SEC)は4日、約432億円(2億9,500万ドル)の暗号資産(仮想通貨)投資詐欺プロジェクトについて、その設立者1人と米国におけるプロモーター3人を裁判所に訴えた。

詐欺防止規定や、証券法、ブローカーディーラー登録規定などに違反したとして、差止命令や損害賠償、民事罰を求めている。

このプロジェクト「Trade Coin Club」は2016年から2018年にかけて、世界の10万人以上の投資家から資金を集め、その資金をプロジェクト関係者の利益として分配した疑いが持たれている。

SECの申し立てによると、「Trade Coin Club」は、仮想通貨の自動取引ボットによる利益を投資家に約束。ボットが毎秒「数百万回のマイクロ取引」を行い、毎日最低でも0.35%のリターンを生み出すと宣伝してユーザーを勧誘していた。

しかし実際には、創設者であるDouver Torres Braga被告は、投資家の資金を取引ボットで運用することはせず、私的に横領したり、プロジェクトを宣伝するプロモーターらへの支払いに充当していたとされる。

SECは、Braga被告が少なくとも、当時の時価で約81億円(5,500万ドル)相当だった8,396ビットコイン(BTC)を個人的な収入にしていたと申し立てた。他3人のプロモーターも、数千万円から数億円相当のビットコインを受け取っていたと説明している。

ネズミ講で運営

SECは「Trade Coin Club」が、ネズミ講の一種であるポンジスキームであったことも指摘した。投資家がプロジェクトから引き出した資金はすべて、他の投資家らがプロジェクトに預けていた資金であり、仮想通貨取引活動が生み出した利益ではなかったとしている。

ポンジスキームとは

自転車操業のこと。「出資金を運用し、利益を配当金などで還元する」と説明しながら実際には運用せず、後から参加した出資者の資金を運用利益として偽装する手口。

▶️仮想通貨用語集

SEC執行部の仮想通貨・サイバー部門長であるDavid Hirsch氏は、次のようにコメントした。

私たちは、Braga被告が「Trade Coin Club」により世界中の投資家から数億ドルを盗み、仮想通貨投資への関心につけこんで財産を得ていたと申し立てている。

私たちは、市場が公正かつ安全であることを確実にするために、ブロックチェーンの追跡・分析ツールを使用して、証券詐欺を行う個人を追求していく。

なお、訴えられたプロモーターの一人はすでに、疑惑を認めることも否定することもなく、SECと和解することに同意している。和解は裁判所の承認待ちである。

アップグレードに乗じた詐欺も

ポンジスキームの他にも、詐欺は様々な形で行われている。

ブロックチェーン分析企業チェイナリシスによると、イーサリアム(ETH)で9月に「The Merge(マージ)」が実施された際にも、それに乗じた複数の詐欺で、合計約1.76億円相当が詐取されていた。

特定のアドレスに1ETHを送ると、2ETHを受け取れるとしたり、イーサリアムのアップグレードに対応するために特定のアドレスに資金を送金する必要があるなどと主張して騙す手口だった。

関連9月にETHマージに乗じた詐欺で1.7億円の被害=チェイナリシス

CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
12/25 木曜日
18:01
Komlock labと東証上場TDSE、AIエージェントによる自律決済の実証実験開始
TDSEとKomlock labがAIエージェントによる自律決済の実証実験を開始。日本円ステーブルコイン「JPYC」を活用し、AIが人間を介さず決済する「Agentic Commerce」の実現を目指す。
17:38
日銀総裁、利上げ継続示す 30年ぶり高水準更新へ
日銀の植田和男総裁が25日の講演で利上げ継続方針を表明。政策金利は既に30年ぶりの0.75%水準に達しており、今後の追加利上げによる円キャリートレード巻き戻しが仮想通貨市場に与える影響が注目されている。
16:21
SBI VCトレードとアプラス、USDCによる店舗決済の実証実験を来春開始
SBI VCトレードとアプラスが米ドル建てステーブルコインUSDCを活用した店舗決済の実証実験を2026年春に開始。大阪・関西万博のデジタルウォレット成果を発展させ、QRコード決済でインバウンド顧客向けに新たな決済モデルを創出する。国内唯一の電子決済手段等取引業者であるSBI VCトレードと、豊富な加盟店ネットワークを持つアプラスが協力し、ステーブルコイン決済の社会実装を加速。
14:55
量子コンピュータは仮想通貨の脅威か 専門家が語る「共存」の可能性
量子コンピューティングが仮想通貨業界に与える影響について、楽観論と懸念論が交錯する中、専門家は「共存」の可能性を指摘。ビットコインベテラン投資家やマイクロストラテジー会長は量子が仮想通貨を強化すると主張する一方、開発者は5~10年の移行期間が必要と警告。ソラナやイーサリアムなど主要ブロックチェーンは既に量子耐性技術の実装を開始している。
13:50
アステリア、JPYC企業利用支援の「JPYCゲートウェイ」発表
アステリアは企業向けJPYC入出金管理サービス「JPYCゲートウェイ」を発表。ウォレット管理やガス代負担など企業利用の課題を解消し、100以上の既存システムと連携可能。2026年1月よりβ版提供開始。
13:30
2025年世界仮想通貨浸透率ランキング、日本は47位
Bybitは2025年世界仮想通貨ランキングで、79カ国をユーザー浸透度、取引利用度、制度整備度、文化的浸透度の観点から相対的に評価。シンガポールと米国が上位にランクインし、日本は47位となった。また国別の一人当たりGDPから分析したところ、投資主導型と実用主導型の二つの採用パターンが明確となった。
12:13
ビットコイン価格予想が二極化 来年の37000ドル悲観論と最高値更新説の根拠は
仮想通貨市況 暗号資産(仮想通貨)市場では、ビットコイン(BTC)は前日比+%の1BTC=87,850ドルに。 ビットコインが一時的に88,000ドルを上回ったことは、米国上場…
11:44
仮想通貨投資大手が大規模取引か、ワールドコインに3000万ドル投入の可能性
マルチコイン・キャピタルと関連するウォレットが24日、ワールドコイン(WLD)6000万トークンを約46億円で購入した疑いが浮上。オンチェーンデータ分析サービスが報告。WLD価格は史上最高値から95%下落中。
10:30
個人投資家が計22億円の詐欺被害に、米SECが仮想通貨企業などを起訴
米SECは、複数の個人投資家から最低でも計約22億円をだまし取ったとして仮想通貨企業などを起訴。詐欺の手口を説明し、投資家に注意喚起を行っている。
10:22
Aave、所有権紛争でDeFiガバナンスの課題が表面化
大手DeFiプロトコルAaveで深刻なガバナンス対立が発生。年15億円超の収益配分とブランド資産の所有権をめぐり、DAOとAave Labsが対立。Snapshot投票では反対が過半数を占め、DeFi業界のガバナンス課題を浮き彫りに。
10:05
2026年の仮想通貨市場に期待できることは? Presto Researchがビットコイン16万ドル予想
Presto Researchが2026年の仮想通貨市場を展望。ビットコイン16万ドル到達の可能性、量子耐性議論、アルトコイン投機時代の終焉など様々なトレンドを予想している。
08:30
EUの仮想通貨税務透明性法「DAC8」、2026年1月1日に発効
EUの新たな税務透明性法DAC8が2026年1月1日に発効する。仮想通貨資産サービスプロバイダーは同日からEU居住ユーザーの取引データ収集を開始し、2027年9月までに最初の報告が必要となる。
07:35
ビットコイン現物ETF、4日連続で資金が純流出
仮想通貨ビットコインの米国の現物ETFは、23日の資金フローが約294億円の純流出で、これで4日連続の純流出となった。有識者が要因を分析している。
07:12
サークルを騙る偽の金・銀トークン化サイトが出現、同社が注意喚起
USDCステーブルコイン発行企業サークルを名乗る偽のプラットフォームが12月24日に登場し、トークン化された金と銀の取引を提供すると宣伝していた。サークルの広報担当者は偽物だと否定。
06:15
アーサー・ヘイズがイーサリアム売却継続、DeFiトークンに資金移動か
アーサー・ヘイズ氏が過去1週間で1800ETH以上のイーサリアムを売却し、仮想通貨ENA、PENDLE、ETHFIなどのDeFi銘柄に資金を振り向けている。ポートフォリオのリバランス計画の一環とみられる。
通貨データ
グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧