デジタルウォレットに関する商標を取得
JPモルガンは15日、米国特許商標庁から暗号資産(仮想通貨)関連の商標登録を認可された。デジタルウォレットを使った仮想通貨決済サービスなどに対する「JP Morgan Wallet(JPモルガンウォレット)」という商標である。
JPモルガンは、2020年7月にこの商標を出願していたが、2年以上経ってから、ようやく申請が承認された形だ。
出願書類では、商標の対象となるサービスについて次のように説明されていた。
金融サービス。具体的には、仮想通貨の電子送金の提供、仮想通貨の金融取引、仮想通貨支払処理、クレジットカード及びキャッシュカード支払処理サービス、電子外国為替支払処理、仮想通貨決済口座の作成・集計・財務リスク管理
仮想通貨の送金、取引、決済、口座管理などを想定している格好だ。
仮想通貨サービスの他にも、クレジットカードや外国為替など様々なサービスの提供を念頭に置いていることが窺える。この他に、「コンピュータサービス」の項目では「複数通貨の交換のためのオンライン仮想環境の構築」や「電子商取引」など、幅広いサービス内容を記していた。
JPモルガンは、現在すでに「JP Morgan Wallet」というサービスを展開している。決済・台帳管理サービスであり、企業が委託先に報酬を支払う際や、オンラインマーケットが出品者に収益を送金する場合などに使えるものだ。
1つのアカウントで、何億もの台帳を管理することが可能で、複数通貨や地域にまたがる決済も簡単に残高を照合できる。また、取引先への支払いは、170以上の国、120以上の通貨で、24時間365日可能としている。
このサービスに今後、仮想通貨決済も導入されるのかどうかは、現在明かされていない。
DeFi取引を実施
JPモルガンは、仮想通貨やブロックチェーンの分野で、様々な動きを見せはじめている。
11月には、初のDeFi(分散型金融)取引を行った。ポリゴン(MATIC)メインネット上で展開された、大手DeFiレンディングプロトコルAaveの修正版を使用している。
これは、シンガポール金融管理局(MAS)がDeFiの可能性を探る目的で立ち上げた「Project Guardian」の一環として実施されたものだ。実験には、SBIデジタルアセットホールディングスも参加した。
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またJPモルガンは、トークン化資産の取引ネットワーク企業Owneraや仮想通貨分析企業Ellipticなど、デジタル資産関連企業にも出資している。
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DeFi(分散型金融)とは
ブロックチェーンを活用し、中央管理者不在の状態で行われる金融サービス、またはそのシステムを指す。「Decentralized Finance」の略。DeFiで行われる金融サービスには、ステーブルコインの発行や通貨の貸出、仮想通貨取引所などがある。イーサリアムのブロックチェーンを利用しているプラットフォームが多い。
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