はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習-運用 WebX
CoinPostで今最も読まれています

米ConsenSys、批判集まるメタマスクのユーザーデータ取得について釈明 プライバシー保護の観点から紛糾

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

米ConsenSysのプライバシーポリシー

米大手ブロックチェーン開発企業ConsenSysは24日、同社のプライバシーポリシーについて補足するブログ記事を投稿。暗号資産(仮想通貨)ウォレット「MetaMask」に関係するユーザーデータ取得は、規制当局の問い合わせへの対応を目的としたものではないと伝えた。

前日にConsensysは自社のプライバシー ポリシーを更新し、MetaMaskユーザーにデフォルトのRPCプロバイダーとして「Infura」を指定したまま取引を行うと、IPアドレスとイーサリアム(ETH)ウォレットアドレスが(Infuraで)収集されていることを明記した。

プライバシーポリシーの文言が11月23日に更新されたが、MetaMaskとInfuraの運営方法に変更はない。これは、ユーザーデータの取り扱いを明確にするステートメントだ。

同社はプライバシーポリシーを更新した理由について語る一方、なぜユーザーデータを取得するのかについては述べていない。リプライ(返信)にはWeb3にプライバシー保護を期待してきたユーザーから批判的な意見が寄せられている。

24日のリリースで、ConsenSysは改めて以下のように確認している。

ユーザーがInfuraなどのRPCプロバイダーを通じてイーサリアムやその他のブロックチェーンとやりとりする場合(取引の送信や残高の要求など)、そのプロバイダーはサービスを提供するためにユーザーのIPとウォレットアドレスの両方を受け取る。これはInfura固有のものではなく、一般的なウェブアーキテクチャの仕組みと一致する。

ConsenSysによると、ポリシーの更新は同社のデータ収集方法をより詳細に説明することが目的で、MetamaskとInfuraの運用方法は以前と変更はない。透明性を提供するための行動であり、「RPC設定を変更できるMetaMaskの仕組みをユーザーに教育する」目的もあったと加えた。

MetamaskもInfuraも共に開発組織が米国を本拠とするConsenSys社の管理下にあるため、法令遵守や政府の召喚状対応も考慮したものと推測されたが、これについては「規制当局の問い合わせへの対応を目的としたものではない」と明言している。

また、「行き過ぎたデータ収集やデータ処理につながるものではない」と主張している。

関連:仮想通貨ウォレット・メタマスク、ユーザーデータ取得へ

RPCの設定とは

ConsenSysのプライバシー ポリシー更新のきっかけは、11月2日にMakerDAOの有力者Chris Blec氏が指摘したこと。当時、ConsenSysがETHウォレットアドレスを収集する一方でMetamaskは収集しない、と説明し、Infuraの記述が欠如していたとされる。

RPCは、ブロックチェーンの大量データを保存するノードとの間で情報を通信する中継器。MetaMaskの初期設定でInfuraが指定されているInfuraはノードも実行しているため、トランザクションを発行するユーザーのIPアドレスを把握でき、それらを記録していたとされる。

多くのユーザーが恐れるのは、Infuraが保存するユーザーのウォレットアドレスとIPアドレスのセットが漏洩して個人情報が特定されるリスクが生じることだ。

本来、IPアドレスから住所や現在地などの場所までは特定できないとみなされているが、過去にはウォレットアドレスとIPアドレスを取得した犯罪者が、仮想通貨投資家を誘拐し、資産を強奪したとされる事例も報告されている。

ConsenSysが言うように、ユーザーは自身でサードパーティ製のRPCに変更できる。しかし、RPCの変更はプロバイダーの信頼性の面で別のリスクが伴い、各社が同様のデータ収集を行っていないかプライバシーポリシーを確認する作業負担もユーザーに要求される。

以下の画像はウェブブラウザからMetamaskのカスタムRPCを設定する場面と、イーサリアムメインネットのサードパーティ製のRPCの一覧だ。

出典:DeFillama

出典:Chainlist

ConsenSysはまた、匿名化技術など、情報のエクスポージャーを最小限に抑えるための技術的な解決策を追求すると述べている。Yearn Finance等のDeFi開発者@fubuloubuはこれらのデータ収集方法について、「ウォレットアドレスとIPアドレスをそのまま保存するのではなく、匿名化されたデータ収集方法を採るべきだ」と指摘していた。

関連:MetaMaskが利用するインフラ、一部地域で利用制限 ウクライナ情勢受け

CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
09/18 木曜日
13:40
ウォーレン米議員ら、トランプ政権の仮想通貨特命官に対する倫理調査を開始
エリザベス・ウォーレン米上院議員ら8名の民主党議員が、トランプ政権のAI・仮想通貨特別顧問デービッド・サックス氏の特別政府職員としての任期制限超過疑惑について倫理調査を開始した。130日の上限を超過している可能性を指摘し、詳細な勤務日数報告を要求している。
13:35
米SECが承認、BTCやXRP投資のマルチ仮想通貨投資信託のETF転換
米SECがグレースケールのマルチ仮想通貨ETPを承認し、ビットコインやイーサリアムなど5銘柄への一般投資家アクセス投資が可能になった。新たな包括的上場基準も同時に導入されている。
13:02
ポリマーケットでの裁定取引で年間60億円の利益発生か 研究者ら分析
分散型予測市場ポリマーケットでミスプライシングを利用した裁定取引により年間60億円の利益が発生しているとの論文が発表された。研究者による分析を解説する。
12:04
FRB利下げ決定も仮想通貨の市場反応は限定的、BNB前週比9.2%高で1000ドルの大台迫る
FOMCでは米FRBが0.25%利下げを決定したが、暗号資産(仮想通貨)への影響は限定的だった。主要アルトコインでは、BNBが前週比9.2%高の1,000ドル目前に。背景としては、バイナンスの規制環境の進展の兆しとMegadropなどの需要が挙げられる。パウエル議長は年内2回の追加利下げを予想するも慎重姿勢を維持。
11:03
業界の行方を決める「天王山」に臨む──ビットバンク廣末氏が描く未来戦略
ビットバンク廣末紀之CEOが語る、預かり資産1兆円規模への成長と今後の展望。金商法への移行と分離課税実現に向けた2025年後半は業界の「天王山」。
11:00
ビットコイン・トレジャリー企業の勢い減速か、4社に1社が純資産割れで取引=K33報告
K33リサーチなどが報告したところによると、ビットコイン・トレジャリー企業の4分の1が純資産価値を下回る時価総額で取引されており、業界の統合が進む可能性が指摘された。
10:02
ヴィタリック、イーサリアムの開発計画をプレゼン
ヴィタリック・ブテリン氏は、仮想通貨イーサリアムの開発計画についてプレゼンを行った。大阪で開催されているイーサリアムのカンファレンスEDCONに登壇した。
09:40
フォワード・インダストリーズ、最大5900億円規模の資金調達でソラナ戦略を推進
米上場企業フォワード・インダストリーズが最大40億ドル規模のATM増資で仮想通貨ソラナトレジャリー戦略を推進する。DeFi Development Corpもソラナ買い増しを発表した。
08:45
トランプ・ジュニア出資のサムザップ、750万ドージコインを初購入
米ナスダック上場のサムザップメディアが750万ドージコインを200万ドルで公開市場から初回取得したと発表した。
07:20
米SEC、仮想通貨ETF上場手続きを大幅簡素化へ
米証券取引委員会が、ナスダック、Cboe BZX、NYSEアルカの3大取引所による包括的上場基準を承認。今後、仮想通貨を含むコモディティベース株式の上場プロセスが大幅に簡素化される見通しである。
07:10
SBI新生銀行、トークン化預金「DCJPY」の導入を検討へ
SBI新生銀行は、円建てトークン化預金DCJPYの導入を検討すると発表。JPモルガンらが参加するプラットフォームを活用し、トークン化預金での多様な外貨の取り扱いも検討する。
06:50
仮想通貨取引所Bullish、NY州からビットライセンス取得 米国展開へ
機関投資家向け仮想通貨取引所ブリッシュが17日にニューヨーク州金融サービス局からビットライセンスと送金業ライセンスを取得したと発表した。
06:25
マネーグラム、ステーブルコイン送金サービス開始 
国際送金大手のマネーグラムが9月17日にクロスミントと提携しステーブルコインを活用した新たな送金サービスを南米コロンビアで開始すると発表した。
06:02
カルシ、予測市場エコシステムハブ開始 ソラナとベースと提携
予測市場プラットフォーム大手Kalshiが17日、ソラナとベースとの提携によるエコシステム支援ネットワーク「カルシエコ」の開始を発表した。
05:45
米CME、ソラナとXRPの先物オプション取引を10月に提供予定
世界最大のデリバティブ取引所CMEグループが10月13日にソラナとXRPの先物オプション取引を開始すると発表した。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧