はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習-運用
CoinPostで今最も読まれています

ラップドビットコイン(wBTC)とwETH、担保付資産のティペッグ騒動相次ぐ 投資家の市場への不安を反映

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

wBTCのマイナス乖離

暗号資産(仮想通貨)ビットコイン(BTC)を担保に発行する「ラップドビットコイン(wBTC)」は24日、本来価値が維持されるべき「1:1」のペグを外れて1.5%ほどマイナスに乖離する「ディペッグ」状態が発生した。

主な原因は、先日経営破綻した取引所FTX関連の投資会社アラメダ・リサーチがwBTCの最大発行者である情報が伝わり、リスク回避目的で投資家がWBTCを売り出したことにあるとみられる。

関連:仮想通貨市場に激震、アラメダショックとFTX騒動の動向まとめ

FTXは、ソラナ(SOL)で流通するビットコイン(soBTC)やイーサリアム(soETH)を発行していたことが知られており、同社の破産申請直後には原資産SOLに対してso資産の価値が半値近くに下落した経緯がある。

アラメダがこれまで約10万ものwBTCを発行した一方で、償還分は約2.9万wBTC。このデータを利用して、まるで残りの7.2万wBTCの裏付けがないかのように印象付けされた情報が拡まった。

重要ポイント

しかし、wBTCについて重要なポイントは、その発行と裏付けビットコインの管理を米カストディアン大手BitGOが担っていることだ。BitGOのChen Fang最高執行責任者(COO)は、wBTCの裏付け資産であるビットコインが100%維持されていないとする噂は「フェイクニュース」だとツイートした。

BitGOでは、顧客向けに保有資産の残高確認「Proof of Reserves(プルーフ・オブ・リザーブ)」を開示している。Fang氏はまた、wBTCの裏付けビットコインが保険付きの米国で認可された信託会社で保管されていること、仮にBitGoが破産しても影響を受けないことを確認している。

wBTCは、2018年の10月26日に初めてアナウンスされ、米カストディアン大手BitGOを中心に、DeFi(分散型金融)プロトコルのKyber Network、Ren、その他のコミュニティパートナーと共同で発足したプロジェクト。

BTCを担保にイーサリアムのトークン規格ERC20で代替資産「ラップドビットコイン(wBTC)」が発行され、レンディングの担保やDEX(分散型取引所)のマーケットメイク(流動性提供)等に使用できる取り組み。

執筆時点にwBTCの時価総額は4,700億円(35億ドル)で仮想通貨市場で21位。wBTCのBTC建て価格は0.997BTCであり、マイナス乖離はほぼ解消されている。

出典:CoinMarketCap

関連:全ての仮想通貨ビットコイン保有者が「WBTC」を通してイーサリアム・エコシステム活用可能に

wETHのディペッグ騒動

仮想通貨“冬の時代”に投資会社Three Arrows Capital、融資プラットフォームCelsius、仮想通貨取引所FTXなど業界元大手企業の経営破綻により、債務問題が業界中に飛び火。

融資大手BlockFiも同様の破産を申請し、Genesis Capitalも流動性問題に直面するなか、投資家の間で業界各社への警戒感が高まっている。

他方では、イーサリアム(ETH)をDeFiスマートコントラクトで運用可能にする代替資産「ラップドイーサリアム(wETH)」について、監査レポートで「バグ(脆弱性)」という言葉が使われ、投資家の警戒感を高めた。

出典:Etherscan

29日にwETHの市場価格は、原資産であるETHに対し一時0.72%のマイナス乖離が発生した。

ブロックチェ―ン監査会社Zellicは、wETHの総供給量として表示された値が実際に流通しているトークンの合計と一致しないことを指摘。レポートでは「些細で害のないバグ」と説明しているが、実際に4ETHほどの差が生じている事実が一部ユーザーの不安、または不安を煽る行動を助長した。

複数のイーサリアム有識者によると、wETHの総供給量の差は、コントラクト自体へのETH残高が反映されるために起きている。ネットワーク手数料(ガス代)を節約するために敢えて取られた仕組みだ。

イーサリアムのコア開発者のHudson Jameson氏や著名なイーサリアム伝道者sassal.eth氏らは、WETHのバグに対する話題は「かわいいジョーク」として、以下のような内容を説明している。

wETHは、wBTCやsoBTCは性質が異なり、中央集権型企業の介在しない、完全にスマートコントラクトで動作するプロダクト。そのコードは、ERC20規格+3つの追加機能という、シンプルな構成。流通総額は約6,370億円(46億ドル)に上り、その重要性から多くの開発者と監査会社がオープンソースコードをレビューしてきた。それゆえ、WETHのスマート コントラクトのリスクは無視できるレベルである。

ディペッグ (でぃぺっぐ)

米ドルなどの通貨とのペッグを目指す、ある通貨の価格レートが参照価格から乖離した状態。ステーブルコインの準備資産が十分でなかったり、需要が極端に高まった(または低下した)場合等に、ペッグを維持できなくなり、デペッグが発生することがある。

▶️仮想通貨用語集

関連:チェーン間ブリッジ、ユーザーの「未回収資金」が30億円規模に

厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
04/01 火曜日
15:02
オリコン調査 ビットコイン取引所満足度ランキングbitbankが首位【現物取引】
オリコン顧客満足度調査2025で暗号資産取引所を徹底比較。現物取引ではbitbankが2年連続の総合1位を獲得し、手数料・システム安定性で3年連続首位となった。GMOコインはステーキング・レンディングで高評価。6,260人の利用者の声から見る信頼性の高い取引所選びに。
14:15
エックスモバイルがWeb3参入 暗号資産モバイルサービスを今年度中に開始
マジモバ・ホリエモバに続く展開 格安携帯電話サービスを提供するMVNO「エックスモバイル」は1日、暗号資産(仮想通貨)を含むWeb3事業への本格参入を発表した。今年度中に、ブロ…
13:45
テザー、1Qに8888BTC追加購入
ステーブルコイン最大手テザーが2025年第1四半期に約1,100億円相当のビットコインを追加購入。総保有量は92,647BTCとなり世界第6位のホルダーに。
13:10
イーサリアムL1の手数料収益が大幅減少 目標達成も課題浮上
仮想通貨イーサリアムのDencunアップグレード後、L1の手数料収益が大幅に低下。ガス代削減という目標は達成したものの、ETHのインフレ課題が浮上していることを解説する。
12:11
トランプ関税発表控え緊迫するビットコイン市場、ETF資金流入とマイニング課題の狭間で
4月2日のトランプ関税発表を控え、ビットコイン市場は複雑な状況に直面している。一方ではETFへの資金流入が9営業日連続で続き回復の兆しを見せる一方、マイニングコストは87,000ドルまで上昇。さらにハッシュレートは史上最高の8億5,000万TH/sを記録するという矛盾した状況だ。市場のリスク回避姿勢が強まる中、投資家とマイナーの動向から見える業界の今後を分析する。
11:25
ヘデラ関連企業ハッシュグラフ、企業向けネットワーク「HashSphere」発表
仮想通貨ヘデラ関連企業ハッシュグラフは、プライベートな許可型ネットワークHashSphereを発表。開発目的や想定するユースケース、今後の開発計画が明らかになった。
11:00
米上院議員、退職金での仮想通貨投資を可能にする『金融自由法案』を提出
米国のトミー・タバービル上院議員が退職金プランでの仮想通貨投資を許可する金融自由法案を提出。旧バイデン政権の規制に対抗し、トランプ大統領の仮想通貨支持政策を後押しする内容に。
10:10
REDXがBingXへの上場発表 モバイルサービス「REDX MOBILE」でユーティリティ拡張へ
ブロックチェーン×エンターテインメントを融合させたWeb3プロジェクト「REDX(レッドエックス)」は、2025年4月1日より、トークン還元型の次世代モバイルサービス「REDX…
10:00
トランプ大統領の仮想通貨活動に共和党内から異例の苦言
米下院金融サービス委員会のヒル委員長が、トランプ大統領の仮想通貨事業がステーブルコイン規制議論を複雑化させていると発言した。民主党からの批判を招いていることが背景だ。
08:40
トランプ家、ビットコインマイニング事業参入 Hut 8社と合弁会社『American Bitcoin』設立
Hut 8社と合弁会社『American Bitcoin』設立 米国の上場企業Hut 8(ハット・エイト)は、ドナルド・トランプ大統領の息子エリック・トランプ氏とドナルド・トラ…
08:01
ブラジル金融当局、主要年金基金の仮想通貨投資を全面禁止
ブラジル国家通貨評議会が年金事業体による仮想通貨投資を禁止。高リスクを理由に規制強化する一方、英国のカートライト社や米国複数州の年金基金はビットコイン投資を進めており、国際的な規制姿勢の違いが鮮明に。
07:30
ブラックロックCEOが見解、ビットコインが米ドルの支配的地位を奪うリスク
ブラックロックのCEOは、米国の債務が増加している現状に警鐘を鳴らし、債務を制御できなくなれば、ドルの準備通貨の地位が仮想通貨ビットコインのようなデジタル資産に奪われるリスクがあると指摘した。
07:00
ビットコイン、S&P500との相関性低下か クジラ数は3ヶ月ぶりの高水準
仮想通貨ビットコインはS&P500が下落する中でプラス推移し相関性の低下を示唆。1,000BTC以上保有のクジラウォレットは3月から11増加し1,991に到達。Cryptoquantアナリストは2020年の強気相場と類似したパターンを指摘した。
06:30
2880億円規模のビットコイン買い増し、ストラテジー社
米ストラテジー社は3月31日、22,048の仮想通貨ビットコインをさらに追加購入したことを公表した。今回の購入規模は2880億円相当のもので、このニュースが好感されビットコイン市場は一時83,757ドルまで反発。
06:05
USDC発行のサークル社、4月下旬IPO申請へ JPモルガンとシティを起用
ステーブルコイン大手サークル社が4月下旬にIPO申請予定。USDCの時価総額が1年で倍増し600億ドルを突破、テザーとの競争激化。JPモルガンとシティが上場支援へ。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧