CoinPostで今最も読まれています

ビットコイン一時急騰も、持続的な価格上昇が実現しない理由|仮想通貨市況

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

仮想通貨市場
22日のビットコインの相場は、レバレッジ100倍を有する大手取引所BitMEXが日本時間10時よりメンテナンスを実行、メンテ中にポジションが動かせない状況下を狙い大きく買い仕掛けられ、価格が急騰。しかしその後はだらだらとした右肩下がりの相場を形成している。

仮想通貨市場

22日のビットコインの相場は、レバレッジ100倍を有する大手取引所BitMEXが日本時間10時よりメンテナンスを実行、メンテ中にポジションが動かせない状況下を狙い大きく買い仕掛けられ、価格が急騰しました。

メンテ明け後もショートの大量ロスカット(及びロング)で一段高を見せるも、RSIが買われすぎの70%を大きく超える83%を記録(15分足Bitfinex)したことなど、短期的に急騰した反動で暴落し、乱高下を見せました。

出典:TradingView

しかし、ここ数日続いたボックス相場の上値サポートラインの一つと考えられていた日本円建83万円を超えたことは、大きな進展であると言えますが、依然上値は重く、高騰後はだらだらとした右肩下がりの相場を形成しています。

また、XRPもこのBitMEXのメンテナンスの動きが影響、一時0.0002BTC(日本円換算では約148円)の価格をチャート上で記録しました。

出典:Bitmex

これには、BTCの急騰でロスカットとなったアカウントのXRPポジションが清算された可能性が考えられます。

買いを支えた2つの材料

BitMEXのメンテナンスの他に影響した材料と考えられるのは、テザー社が発行するUSDTをトラッキングするサイトomniexplorerにて、100,000,000USDT(約110億円)が価格操作の渦中にあるBitfinexに送信されたことが確認され、過去のUSDTの動きと高騰相場の関係性から、買材料とされた可能性があります。

また、アメリカの証券会社ProSharesが発行元となる二つのビットコインETFの最終可否判断日程が、米国時間8月23日に控えていることに期待する投資家心理が影響しているとの見方もありますが、専門家の中にはCboe関連ETFを最有力視する意見も多く、非承認時の相場急落を避ける動きが明日23日に見られる可能性があるため、注意が必要となります。

相場がなかなか上昇しない理由

CNBC番組「Futures Now」にて、先物取引市場で30年の経験を持つAnthony Grisanti氏が、上値が重く、相場に大きな進展がないことに関する持論を展開しました。

ETF申請の認可のメドが立っていない点や、ビットコインやそのほかのコモディティでも取引量が下がっているとの現在の仮想通貨相場の傾向を挙げ、再び一時的に5900ドル台まで下がる可能性があると予想、今後秋以降の価格上昇には、出来高の上昇があるかどうかがカギとなると述べました。

CoinPostが配信した「ビットコイン急落で「売られ過ぎの目安」RSI30%を下回る」の記事でも記載しましたが、昨年末(12月31日)から8月時点(記事内では21日)では約4分の1まで出来高が減少、アルトコインは価格下落に比例する形でより大きく出来高を減少させています。

出典:CoinMarketCap

出来高の重要性は、仮想通貨に限らず株式市場をはじめとする金融市場全般に置いて言及されており、出来高を伴う価格の上昇がない限り、上昇後の価格維持は難しいと言えます。

株価が個別企業の活力を表わすモニターだとすれば、その裏づけとなるエネルギーは売買高によって示される。

市場人気を集めるようになると売買高が膨らみ、人気が衰えると売買高は細る。

株価の上昇・下落はその結果でしかない。つまり、エネルギーの裏づけなくして株価の上昇・下落はホンモノになりえず、それが「株価に先行する」売買高の魔術といっていい。

参考元:株価と出来高の「親密な関係」

上記の参考元「四季報ONLINE」でも語られているように、出来高の上昇は価格に大きく影響し、出来高が先行して上昇することで、その後の価格上昇を大きく促す状況へと変化させることになります。

国内最大手の仮想通貨取引所のコインチェックをグループに迎え入れたマネックスグループの株式会社 代表執行役社長CEOであり伝説のトレーダーとしても有名な松本大氏もCoinPostのインタビュー内で、昨年のビットコイン価格上昇の発端となったのは出来高の増加であると言及、昨年春の状況を振り返り、トレーダー的には値段が上がったことよりも、売買量が増えたことが大きな出来事であるとしています。

逆に言えば、一時的な価格操作などは、継続的な出来高を伴わない上での価格の上昇となり、結果的に持続性が伴わない「ホンモノとはなりきれていない相場」、まさに現在の仮想通貨市場に当てはまる部分であるといえます。

この出来高の観点が最も重要視しされている現在だからこそ、海外メディアを中心に、ETFなどを契機とする機関投資家の参入が注目され、規制を含む環境整備の明確性が求められています。

年末まで約4ヶ月を切っている2018年、昨年末の状況とまではいかずとも、価格を上昇させるホンモノの相場を形成するためには、出来高の上昇が必要であり、本日まで続く上値の重い相場を払拭する条件となるでしょう。

CoinPostの関連記事

マネックスグループ松本CEOインタビュー:仮想通貨コミュニティの期待に応えていく
国内最大手の仮想通貨取引所のコインチェックをグループに迎え入れた、マネックスグループの松本CEOに対し、「仮想通貨メディアCoinPost」としてインタビューを実施。仮想通貨に興味を持ったきっかけやグループの今後の展望について、今現在の心境を語っていただきました。
BitMEXのメンテナンスに合わせて仮想通貨ビットコイン価格が大暴騰|110億円規模のテザー砲も
ビットコイン相場は、22日10時を過ぎると価格が急騰、BITFINEXのBTC/JPYにて、15分間で、713840円から754,070円まで5.4%高を記録、仮想通貨相場もビットコインの値動きに合わせて全面高に。この動きの裏には、Bitmexのメンテナンスや、テザー(USDT)の動きが観測されている。

仮想通貨(ブロックチェーン)関連株

仮想通貨(ブロックチェーン)関連銘柄

決算説明会でも言及していた「自社株買い」を発表した、マネックスグループ(8698)が5.97%と大幅反発。

同社は、発行済み株式数の1.86%にあたる500万株(約20億円)を上限に自社株買いを実施すると発表。株主還元と需給改善施策が交換されたほか、買い付け期間が「8月22日から8月31日」までと通常よりも短期間であったことで、金融庁の認可待ちステータスである仮想通貨取引所「コインチェック」に関する思惑を呼んでいるようだ。

本日は、日経平均株価が142円高であった事に加え、底値割れしていた新興市場のマザーズ指数が+2.13%と好調だったことで、リスクオフ警戒で手仕舞いしていた投資家による買い戻しの動きが加速。仮想通貨(ブロックチェーン)関連株も全面高となりました。

再び資金流入が始まるのか、注目されます。

有望視されている仮想通貨(ブロックチェーン)関連株の最新情報は、以下の記事でまとめているので参考にどうぞ。

CoinPostの関連記事

仮想通貨(ブロックチェーン)本命銘柄|関連株の最新情報まとめ
株式市場の仮想通貨(ブロックチェーン)の関連株一覧です。仮想通貨(暗号通貨)の将来性と市場の盛り上がりに伴い、時価総額(株価)の大幅上昇を期待できる本命銘柄と最新のポイント解説をまとめています。
▶️本日の速報をチェック
CoinPost App DL
注目・速報 相場分析 動画解説 新着一覧
07/27 土曜日
08:10
マスク氏のX(旧ツイッター)、ビットコインなどの仮想通貨絵文字表示を削除か
イーロン・マスク氏がオーナーのX(旧ツイッター)は、ビットコインなどの仮想通貨絵文字表示を削除した。ドージコイン擁護のためか。
07:35
BitwiseのETH現物ETFの横断幕、NYSEに掲揚
仮想通貨運用企業Bitwiseのイーサリアム現物ETFの横断幕が、ニューヨーク証券取引所に掲げられた。同社は、取引終了のベルを鳴らすことも報告している。
07:05
野村傘下のレーザーデジタル、利回り提供のイーサリアムファンド販売予定か
野村ホールディングスの仮想通貨資産子会社であるLaser Digital(レーザーデジタル)は、イーサリアム現物ETFの代替商品の導入を計画しているようだ。
06:40
米SEC、グレースケールのミニ版ビットコインETFを承認
仮想通貨投資企業グレースケールが提供するGBTCは手数料(1.5%)が最も高く資金流出は続いていたが、新商品を導入し0.15%という業界最安の手数料設定で競争力を高める狙いだ。
06:20
ビットコイン価格が21年後に最大で75億円に到達か、マイケル・セイラー氏の強気予想
ビットコインを最も保有する米上場企業マイクロストラテジーのマイケル・セイラー氏はカンファレンス「ビットコイン2024」で、BTCの今後の強気予想のプレゼンテーションを行った。
07/26 金曜日
17:10
「米大統領選で価格変動 トランプやハリス由来のミームコインの買い方
トランプトークンの概要 ドナルド・トランプ前米大統領とその「Make America Great Again」(アメリカを再び偉大に)というスローガンからインスピレーションを得…
17:10
ヤマハ発動機が初のVTuberコラボNFTを発行、Yamaha E-Ride Baseを訪れて進化可能
ヤマハ発動機が初のNFTデジタルステッカーを発行。横浜のYamaha E-Ride Baseで進化するダイナミックNFTを体験し、限定グッズをゲットできる。
15:13
ビットフライヤーがFTX Japan買収完了、カストディ事業展開へ
株式会社bitFlyer HoldingsはFTX Japanの株式100%を取得し、完全子会社化を発表。8月26日までに社名を変更し、クリプトカストディ事業を展開予定。法制度整備後の暗号資産現物ETF関連サービス提供も視野に入れている。
14:43
Neo Xメインネットが正式稼働 EVM互換でネオのエコシステムを拡張
Neoは高性能EVMベースのサイドチェーン「Neo X」のメインネット正式稼働を発表。クロスチェーンブリッジで流動性と互換性が向上し、エコシステムの可能性が広がる。
14:15
カマラ・ハリス氏のミームコインが過去最高値を記録、大統領候補指名の期待受け
PolitiFiと呼ばれる政治パロディのミームコインが、仮想通貨領域で独自のジャンルを形成しており、カマラ・ハリス副大統領のパロディコイン「 Kamala Horris(KAMA)」が急騰し話題となっている。
12:55
アルトコインETFの未来、ブラックロックが語る現実と可能性
ブラックロックのデジタル資産責任者は、イーサリアム現物ETFが承認されていても他のアルトコインETF誕生には困難があると話した。
12:14
仮想通貨相場反発、ビットコイン・カンファレンスのトランプ登壇に関心集まる
昨日までの大幅下落とは打って変わり暗号資産(仮想通貨)相場は反発した。強気シグナルのハッシュリボンが点灯しているほか、今週末にはビットコインカンファレンスに米国のトランプ前大統領が登壇予定であり、投資家の関心が集まる。
11:00
トランプ前大統領の陣営、4〜6月期で仮想通貨で6億円の寄付金調達
トランプ前大統領は、ビットコインなど仮想通貨で6億円以上の選挙資金を調達。「ビットコイン2024」でもさらに資金を集める予定だ。
10:30
BTCが290万ドルに到達するシナリオ、VanEckが公開
仮想通貨ビットコインが2050年までに290万ドルに到達するシナリオをVanEckのアナリストが公開。このシナリオを実現するための条件を説明している。
10:00
ソラナ初事例、パラオ共和国がデジタルID発行
主権国家が仮想通貨・ブロックチェーンであるソラナ上で、法的アイデンティティを発行する初めての事例となった。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア