大手プールに一極集中
ビットコイン(BTC)とビットコインキャッシュ(BCH)のマイニングプールFoundry USAはここ数週間、世界のビットコイン・ハッシュレートに占める割合を拡大している。また、上位の大規模プールによるハッシュレート占有率も上昇傾向だ。
Mempoolのデータによると、過去1か月間でビットコインネットワーク全体の約32%のシェアを有しており、引き続き首位に立っている形だ。過去一年で見るとシェアは約24%であり、ここ数週間でさらに伸びていることが分かる。
二位はAntpoolで、過去一か月間の総ハッシュレートに占める割合は約19%だ。以降、同期間でF2プールが約15%、バイナンスプールが約11%、ViaBTCが約9%と続く。
これら上位5つのマイニングプールで、総ハッシュレートの80%以上を占めていることになる。2022年初頭には60%前後であり、ビットコインマイニングの集中化が進んでいることが示されている。
このことの背景には、大規模なマイニングプールの優位性も存在している。大きなマイニングプールは、その参加者に安定的に利益を分配することができるため、それによって、さらに多くのマイナーを引き寄せることが可能とされる。
ネットワークの過半数を超えて悪意を持ったマイナーが結託すれば、取引を不正に改竄する「51%攻撃」も理論上は可能だが、経済的ディスインセンティブも非常に強く、現実的でないとされる。
特に現在は、ビットコイン価格の上昇傾向にともなって採掘難易度も上昇しており、同じ量を採掘するのにより多くの計算力が必要とされている状況で、大規模なプールほど有利になる。
ハッシュレートとは
マイニングの採掘速度のこと。日本語では「採掘速度」と表現される。単位は「hash/s」。「s」は「second=秒」で、「1秒間に何回計算ができるか」を表す。マイニング機器の処理能力を表す際や仮想通貨のマイニングがどれくらいのスピードで行われるかを示す指標として用いる。
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Foundry USAの拡大
首位のFoundry USAは、米大手暗号資産(仮想通貨)コングロマリットのデジタル・カレンシー・グループ(DCG)が所有するマイニング子会社Foundryが運営するマイニングプールとしても知られている。
2021年5月に、中国が仮想通貨の全面禁止とマイニング禁止政策を打ち出した後、一部のマイナーが米国など海外に移転し、Foundry USAに参加するマイナーも増えた。これ以降、同プールのハッシュレート占有率は大幅上昇傾向にある。
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また、2022年11月には、破産申請した米仮想通貨マイニング企業Compute Northの施設を買収することを発表。サウスダコタ州、テキサス州、ネブラスカ州の施設や、マイニングマシン一式を引き継ぐことになった。このことも、ハッシュレート拡大に貢献しているとみられる。
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親会社DCGの流動性問題
一方で、Foundryの親会社DCGは、流動性問題に直面しているところだ。2022年に起きた旧テラエコシステムの崩壊やFTX破綻の影響により財政が悪化。スリーアローズキャピタル(3AC)破綻により子会社ジェネシスに生じた債務約1,410億円も肩代わりしている状況にある。
ジェネシスは、19日、米連邦破産法11条(チャプターイレブン)にもとづいた破産申請を行ったと発表したところである。事業再生計画について、資金調達と事業売却の二方面を検討しており、新たなオーナーの下で事業を再出発することも視野に入れているところだ。
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Foundryは21日、ジェネシス破産申請の影響は受けないとして、次のように説明した。
3/ Foundry USA Pool maintains its strong position and we continue to make payouts daily. We do not hold any mining earnings in Genesis accounts.
— Foundry (@FoundryServices) January 20, 2023
当社はジェネシスから独立して運営されており、ジェネシスの系列2社による連邦破産法の適用申請によって、当社の日常業務が影響を受けることはない。
マイニングプールFoundry USAは、高い地位を維持し、毎日支払いを行い続けている。私たちのマイニング収益について、ジェネシスと関連する部分はまったくない。