Mt Gox最大債権者の意向
2014年に経営破綻した暗号資産(仮想通貨)取引所Mt Gox(マウントゴックス)による弁済開始が迫る中、最大債権者であるファンドの一つがビットコイン(BTC)を売却しない意向を示していることが9日に分かった。
マウントゴックスの債権を購入したMt Gox Investment Fund(MGIF)の事情に詳しい匿名情報源がブルームバーグに語った内容によると、同ファンドは今後弁済される予定のビットコインを売却しない方針を示したという。
同人物によれば、MGIFは債権額の90%を受け取る「早期一括弁済」を選択しており、ビットコイン70%、現金30%の割合で弁済期限(23年9月30日)までに引き渡される。
MGIFは取引所「Bitcoinica」(閉鎖済み)と合わせてマウントゴックスの債権の約20%を有する最大の債権者。3月初旬にはMGIFとBitcoinicaが「金銭による弁済」を選ばなかったことが伝わり、大量のビットコイン売却に対する懸念が緩和されていた。
マウントゴックスと弁済計画
マウントゴックスは2010年から2014年にかけて運営された、東京を拠点とする仮想通貨取引所。2011年に発生したマウントゴックスからの仮想通貨流出と、その後の2014年の経営破綻により、約127,000人のマウントゴックス・ユーザーが影響を受けた。同取引所は、当時の金額で4億6,000万ドル(約526億円)相当である、85万ビットコインを失ったとされている。
2019年9月時点に再生管財人が報告したデータによると、マウントゴックスの保有資産は、現預金として約693億9760万円、仮想通貨は14万1,686 BTC(4,250億円)と14万2,846 BCH(約23億円)とされる。
現在、マウントゴックスの債権者への弁済は、2021年11月16日に東京地方裁判所による認可決定が確定した再生計画に基づいて行われている。
マウントゴックスの債権者は複数の選択肢の中から弁済方法を選択でき、23年3月10日までにどの手段を希望するか届け出を行う必要がある。主な登録事項は以下の通り。
- 早期一括弁済を受けるか否かの選択
- 金銭による弁済の受取方法と受取先情報の登録
- 仮想通貨債権の一部の弁済を、ビットコインとビットコインキャッシュで受けるか否かの選択
- 仮想通貨による弁済を受ける場合の、仮想通貨取引所等のユーザー情報の登録
早期一括弁済を選択しない場合は、破産に関する民事訴訟の終了を待つこととなり、5年以上の期間がかかると予想される。
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