はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習 WebX
CoinPostで今最も読まれています

米財務省、DeFiの不正金融リスクを評価=レポート

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

DeFiの不正利用を指摘

米国財務省は6日、分散型金融(DeFi)に関する不正金融のリスクを分析・評価した報告書を発表した。

この評価は、昨年ジョー・バイデン大統領が発表した暗号資産(仮想通貨)に関する大統領令で示された作業をさらに進めるもので、この種のものとしては世界初であるという。

報告書では、「朝鮮民主主義人民共和国、サイバー犯罪者、ランサムウェア攻撃者、泥棒、詐欺師のような者が、DeFiサービスを利用して不正な収益の移転と洗浄を行っている」と指摘。このような不正行為者が悪用する主な脆弱性は、DeFiサービスがマネロン防止/テロ資金供与対策(AML/CFT)と制裁に関する義務を遵守していないことに起因すると主張した。

ブライアン・ネルソン財務次官(テロ・金融情報担当)は、DeFiサービスに関連する潜在的な恩恵を受けるには、このようなリスクに対処する必要があるとして、以下のように述べた。

民間セクターは、この報告書の評価結果を用いて、自らのリスク軽減戦略に反映させ、AML/CFT規制や制裁義務に沿って、不正行為者によるDeFiサービスの悪用を防止するため、明確な措置を講じるべきである

AML/CFTの義務と分散化

財務省の調査によると、「DeFi領域における現在最も重大な不正金融リスク」は既存のAML/CFT義務に準拠していないDeFiサービスによるものだという。

報告書では、AML/CFTの義務が、DeFiサービス事業者にどのように適用されるかについて、業界内で共通の理解が得られていないことが問題だとしている。中には、「AML/CFTの義務が課される可能性を回避するために、意図的に仮想通貨サービスを分散化しようとする事業者もある」と指摘した。

しかし、「銀行秘密法(BSA)が定義する金融機関として機能するDeFiサービス事業者は、そのサービスが集中型か分散型かにかかわらず、AML/CFT義務を遵守することが求められる」ことから、サービスプロバイダは認識を改める必要があると警告した。

一方、BSAの対象金融機関であるかどうかは、その金融活動に関する特定の事実や状況によって決定されるため、「一部のDeFiサービス」が既存のAML/CFT義務の対象外となる可能性も示唆している。

その場合、違法行為の特定や阻止、疑わしい行為の規制当局への報告などの取り組みにおいて、サービスプロバイダ間でギャップが生じる可能性があると指摘。このギャップを埋めることで、米国のAML/CFT規制体制を強化することを推奨すると述べた。

政府への提言

このリスク評価は不正資金リスク環境の理解を促し、主に問題の範囲を特定することを目的としているが、報告書には、米国政府がリスク軽減のためにとるべき行動に関して、次のような提言が含まれている。

  • 米国のAML/CFT規制監督の強化
  • DeFiサービスのAML/CFT義務に関する民間セクター向けの追加ガイダンスの検討
  • DeFiサービスに関連するAML/CFT規制のギャップに対処するための強化を評価

不正金融の規模と業界サービスの有効性

DeFiや仮想通貨関連の不正金融は、法定通貨や伝統的金融システムを使った活動に比べれば、依然として小規模であることを、報告書では認めている。

このリスク評価では、取引量と取引額において、マネーロンダリング、テロ資金、資金拡散のほとんどは、法定通貨またはその他のより伝統的な方法を介しており、仮想通貨エコシステムの外部で発生していると認識している。

また、十分だとは言えないが、DeFiサービスに向けた業界主導のコンプライアンスソリューションの開発や、パブリックブロックチェーンのデータ分析が、不正金融リスクの軽減に貢献することにも、報告書は言及した。

CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
12/10 水曜日
11:05
「ビットコイン・アフターダークETF」申請 夜間取引時間の高パフォーマンスに着目
ニコラス・ウェルスが米国夜間取引時間のみ仮想通貨ビットコインを保有する新たなETFを申請した。夜間の高リターン傾向に注目したものだ。ヘッジ型ETFも同時申請した。
09:50
プライバシー重視のステーブルコイン「USDCx」、Aleoのテストネットでローンチ
仮想通貨のステーブルコインUSDCを発行するサークルは、プライバシー機能を持つL1ブロックチェーンAleoのテストネットでUSDCxがローンチされたことを発表。ユースケースなどを説明した。
09:48
仮想通貨市場は政策待ち姿勢 ビットコインとイーサリアムに資金集中=Wintermute分析
Wintermuteの最新市場分析によると、仮想通貨市場は米FRBや日銀の政策決定を前に様子見姿勢を強めている。資金はビットコインとイーサリアムに集中し、レバレッジ水平は低位。先週金曜の急落後も市場は底堅さを保ち、質への選別が進む。レンジ相場継続の見通し。
09:05
プライバシー重視ブロックチェーン「Octra」、30億円規模のICO実施へ
完全準同型暗号技術を採用する仮想通貨プロジェクト「Octra」が2000万ドル規模のトークンセールを実施する。これまでも分散化重視で資金調達を行ってきた。
08:40
コインチェック、NACの新規取扱いを検討 NOT A HOTELとRWA領域で協業強化へ
コインチェックがNOT A HOTEL DAOの暗号資産NACの取扱い検討とRWA領域の協業強化を発表。NACの活用や共同サービスの開発方針について解説します。
08:20
「仮想通貨市場は次の10年間で最大20倍成長する可能性」Bitwise幹部
Bitwiseの最高投資責任者は、仮想通貨市場は次の10年間で10倍から20倍まで容易に成長する可能性があるとの見方を示した。ビットコインなどを例に挙げ、根拠を説明している。
12/09 火曜日
17:40
リミックスポイント、エネルギー事業の中期経営計画を発表 3年で営業利益3.7倍目指す
リミックスポイントが2027-2029年度の中期経営計画を発表。エネルギー・蓄電事業で売上高692億円、営業利益91億円を目指す。日本蓄電池と提携し系統用蓄電所7カ所を共同運営。同社は242億円超の仮想通貨も保有し、多角的な事業展開を推進。
15:52
補正予算の国会質疑で仮想通貨税制が議題に 国民民主党が質問、高市首相は「与党税調で検討中」と答弁
補正予算の国会質疑で暗号資産(仮想通貨)税制が議題に。国民民主党は雑所得として最高税率55%が適用される現行制度を見直し、分離課税化を要求。高市首相は税制改正大綱に基づき与党税調で検討を進めていると答弁した。
13:35
米XRP現物ETF、全期間で純流入を記録 約1459億円に到達
米XRP現物ETFが上場以来全期間で純流入を記録し、約1,459億円に到達。仮想通貨ETF史上2番目の速さで8億ドルを突破し、機関投資家の継続的な買いが続いている
13:20
カナダ税務当局、仮想通貨利用者の4割が未申告と推定
カナダ歳入庁が過去3年間で仮想通貨関連監査により1億カナダドル以上を徴収したが、2020年以降刑事告発は行われていない。同庁は仮想通貨プラットフォーム利用者の40%が未申告または高リスクだと推定している。
12:50
『ガス先物市場』、ヴィタリックがイーサリアム手数料を安定させるアイデアを披露
仮想通貨イーサリアムの共同創設者ヴィタリック・ブテリン氏がガス代先物市場を提案した。将来の手数料をヘッジ可能にする構想であり、コミュニティ内で議論が活発化している。
12:00
XRPの買い方|おすすめ取引所と購入手順を図解【初心者向け】
暗号資産(仮想通貨)XRPの特徴から買い方、将来性、リップル社の最新動向や取引所の選び方も紹介します。ドナルド・トランプ次期米大統領の思惑やSECゲンスラー委員長交代による規制環境の変化、価格への影響を分析。
11:45
米大手銀行CEO、上院議員と仮想通貨市場構造法案を協議予定 ステーブルコインの利息付与に反対表明へ=報道
バンク・オブ・アメリカ、シティグループ、ウェルズ・ファーゴのCEOが9日、上院議員と会談し仮想通貨市場法案を協議する。銀行側はステーブルコインへの利息付与に反対し、仮想通貨分野での競争能力確保を求める姿勢だ。
11:23
テザーのUSDT、アブダビで「法定通貨参照トークン」認定範囲が拡大 9チェーン追加
テザーのUSDT、アブダビで法定通貨参照トークンの認定範囲を拡大。新たに9つのブロックチェーンで規制業務が可能に。USDC、USD1、RLUSDも承認済み。UAEがステーブルコイン規制拠点として台頭。
10:43
スイ(SUI)の買い方|元Meta開発者が手掛ける仮想通貨の将来性、おすすめ取引所
仮想通貨(暗号資産)スイ(SUI)の特徴や将来性、国内取引所での購入方法を初心者向けに詳しく解説します。
通貨データ
グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧