香港で仮想通貨取引ライセンスを申請へ
中国の国営企業Greenland(グリーンランド)は、香港で暗号資産(仮想通貨)取引事業のライセンスを申請する構えだ。サウスチャイナ・モーニング・ポストが17日に報じた。
上海市政府が46.4%を所有する、上海最大の不動産開発会社グリーンランド・ホールディングスの完全子会社「グリーンランド・フィナンシャル・テクノロジー・グループ」が仮想通貨、NFT(非代替性トークン)、炭素クレジットなどの取引を目指してライセンス取得を目指す形だ。
グリーンランド・フィナンシャル・テクノロジー・グループの、ジェームス・ゲン・ジンCEOは、次のように説明した。
私たちは、香港を世界への玄関口として、デジタル金融事業を拡大したいと考えている。
香港政府が、仮想通貨取引プラットフォームに対する新たな制度を立ち上げようとしている今は、当社が香港でその分野のビジネスに参入するのに最適なタイミングだ。
同社は、仮想通貨取引に焦点を当てた新会社を設立し、香港金融管理局(SFC)に申請書を提出する予定だ。
ジンCEOは昨年のFTX破綻は、香港にとって良い教訓になったとも述べた。そのような出来事を香港で繰り返さないためにも、SFCが仮想通貨取引について適切な規制や投資家保護を実施することを支持すると続けている。
中国本土では仮想通貨について厳しい取り締まりが行われる中、中国企業が香港で仮想通貨事業を開始することを計画していることには注目される。
グリーンランドとは
グリーンランド・フィナンシャル・テクノロジーの親会社であるグリーンランド・ホールディングスは1992年に設立された企業。不動産開発に加え、金融、小売、ホテル、デジタル事業にも進出しているところだ。
資産約39兆円(2,312億8,000万ドル)、売上高約12兆円(844億5,000万ドル)を誇っており、中国本土ではすでに、ブロックチェーン、データ管理、炭素排出量取引などのさまざまなデジタルビジネスを展開している。
仮想通貨の中心地目指す香港
香港は現在、仮想通貨のハブ(中心地)になることを目指して規制環境などを整備しているところだ。
香港金融管理局(SFC)は、6月1日に新ルールを施行して取引所らにライセンス制度を導入する予定だ。案には、個人投資家にも仮想通貨取引を認可する内容が盛り込まれている。
4月時点では、仮想通貨取引所向けのガイドラインを5月にリリースすると伝えられていた。
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また、香港のポール・チャン財務長官は4月、FTX破綻や仮想通貨市場が不安定な状況が指摘される中、「バブル崩壊を生き延びた有能なプレイヤー」は、Web3分野の実質的な発展に貢献していくことになると発言している。
Web3の発展を促進するために、香港で「適切な規制」と「発展の促進」の両方に重点を置いた戦略を採用するとも話した。
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Web3とは
現状の中央集権体制のウェブをWeb2と定義し、ブロックチェーン等を用いて非中央集権型のネットワークを実現する試みを指す。代表的な特徴は、仮想通貨ウォレットを利用したdAppsへのアクセスなど、ブロックチェーンをはじめとする分散型ネットワークのユースケースがある。
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