はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習-運用 WebX
CoinPostで今最も読まれています

デフォルト懸念後退でビットコイン反発、潮目が変わる3つの背景

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

マクロ経済と金融市場

前週末26日の米NY株式市場では、ダウ平均株価は前日比328ドル(1.0%)高、ナスダック指数は277ポイント(2.1%)高で取引を終えた。

債務上限問題を巡る不透明感を受け5日続落していたが、バイデン米大統領がマッカシー下院議長との協議で原則合意に達し、債務上限引き上げ法案を連邦議会に提出する方針を示したことでリスクオンムードが広がった。

ただし、両党全体のコンセンサスを得たわけではなく、議会で法案が無事可決されるかどうかの不確定要素もある。

関連:AI・半導体関連銘柄高騰、NYダウ5日続落|26日金融短観

関連:仮想通貨投資家にもオススメの株式投資、日米の代表的な仮想通貨銘柄「10選」

仮想通貨市況

暗号資産(仮想通貨)市場では、ビットコインは前日比3.78%高の28,129ドルと反発した。

BTC/USD日足

株式市場同様、重石となっていた米国のデフォルト(債務不履行)懸念が大きく後退し、悪化していた市場心理が急改善した。リスクヘッジのポジション調整も相当数入っていたことから、ショートカバーが相場を押し上げたものと見られる。

先物市場では、24時間でBTCのショートポジション約4400万ドル(50億円相当)のロスカット(強制清算)が確認された。

coinglass

テクニカル的にも重要な節目にあり、前強気相場の底値圏でレジスタンスライン(上値抵抗線)として機能する1BTC=32,000ドルをブレイクできれば、2024年の半減期を見据えた強気トレンドへの転換も現実味を帯びてくる。

関連:1年を切った次回ビットコイン半減期へのカウントダウン、市場動向と専門家の予測は?

6月以降は、3つの理由で暗号資産(仮想通貨)市場の潮目が変わる可能性がある。1つ目は、先述した債務上限問題だ。法案成立前の暫定的な取り決めで基本合意に達したことが好感された。

2つ目が、FRB(米連邦準備制度)の金融政策である。

FRBはインフレ抑制のため、過去1年間で歴史上でも前例のないペースで“金融引き締め”に踏み切ってきたが、副作用として金融不安(信用リスク)を引き起こし、銀行破綻が相次ぐなど問題も顕在化した。

利上げフェーズも最終段階にあり、早ければ6月米連邦公開市場委員会(FOMC)で利上げ停止に。今後米国経済がリセッション(景気後退)に陥れば、来年以降再び“金融緩和”へとピボット(政策転換)する可能性が見込まれる。

ただし、欧米諸国のインフレ(物価高)はピーク時より下がったものの依然として高止まりしている事実は否めず、クールダウン効果は遅効性であるため現時点では十分に認められない。金融当局関係者からは楽観傾向にある株式市場とのギャップを戒める声もあり、市場予想に反して6月も利上げ継続となれば、ネガティブサプライズ化するおそれも考えられる。

3つ目が、暗号資産(仮想通貨)業界における中華圏の情勢の変化である。

中国のハイテク産業の成長と競争力の向上に寄与する中国版シリコンバレー「中関村」を擁する北京市科学技術委員会の当局は先週末、web3ホワイトペーパーを発表した。

中国は2021年5月、伝統金融システムやデジタル人民元への影響を懸念して暗号資産(仮想通貨)の全面禁止令を発動。それまで世界一のシェアを誇っていたマイニング(採掘)産業界をも締め出した結果、ビットコインの市場価格やグローバル・ハッシュレート(採掘速度)の急落を招いた経緯がある。

しかし2022年のテラ(LUNA)崩壊や大手取引所FTXの破綻などを契機に、米SEC(証券取引委員会)が暗号資産(仮想通貨)規制を一段と強め始めると、一転して態度を軟化。

特別行政自治区と位置付ける「香港」が個人投資家の取引再開を示唆したほか、暗号資産業界の国際的な中心地を目指すと発表。web3企業の誘致などを推進し始めた。

関連:香港財務長官、Web3と仮想通貨の育成方針示す

このような動向を2017年の仮想通貨バブルの原動力の一つとなったチャイナマネー流入を想起させる強気シグナルと見る向きもあり、最大手暗号資産取引所バイナンスのチャンポン・ジャオ(CZ)も昂りを隠せない。

一方、中国情勢に詳しいWu Blockchainは、イーサリアム共同創設者のギャビン・ウッド氏がWeb3およびブロックチェーンの提案に携わったとしながらも、「ホワイトペーパーは暗号資産そのものではなくAI(人工知能)やメタバース(仮想空間)が主題であり、ブロックチェーンについてはNFT(非代替性トークン)のみ言及されている。海外メディアの報じ方は拡大解釈や誇張されている節も見受けられる」などと指摘。冷静な見立てを示した。

関連:中国北京市、Web3産業の政策支援強化へ 年20億円以上の投資計画 

関連:横ばいで推移のビットコイン、上値余地は限定的か|bitbankアナリスト寄稿

過去に掲載したマーケットレポート一覧はこちら

CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
09/16 火曜日
19:12
Pudgy Penguins CEO、ミームコイン関連イベントでPENGUの日本戦略発表
暗号資産取引所MEXCのベンチャー部門であるMEXC Venturesは7日、「From Doge to Pengu: The Evolution of Memes」を開催した…
18:00
Superteam Japan代表が語るソラナエコシステムの日本展開戦略|独占インタビュー
ソラナエコシステムの日本展開を牽引するSuperteam Japanが、設立から1年3か月で世界トップクラスの実績を達成。コミュニティGDPで世界1位、ビジネスコンペ「Brea…
17:00
米SECアトキンス委員長、仮想通貨企業に訴訟前に「違反通知」を追加へ=報道
米SECアトキンス委員長が仮想通貨企業などへの執行措置前に警告段階を設ける方針を表明した。ゲンスラー前委員長の方針から転換し、トークンの多くは証券ではないとも改めて述べる。
15:20
Pudgy Penguins、日本で大型イベント開催|MEXC Venturesとの連携で世界展開を加速
人気NFTプロジェクトPudgy Penguins、東京でWebX2025イベント開催。MEXC Venturesと連携し、日本展開でグローバル戦略を加速。2027年IPO実現目指す。
14:50
MiCAの監督格差問題 仏・墺・伊が共同でEUの規制強化を要請
フランス、オーストリア、イタリアの規制当局がMiCA施行後の各国による監督格差を問題視し、EUの仮想通貨規制の強化を求める共同声明を発表した。EUパスポート制度の課題と3カ国の規制当局による4つの改善提案を解説する。
11:36
FOMC控え様子見基調の仮想通貨相場、デリバティブ市場は強気傾向
明日のFOMC会合を控え、市場の95.9%が25bp利下げを織り込む中、ビットコインは115,206ドルで小幅上昇。デリバティブ市場ではコール優勢の展開が続き、ETF流入も好調。利下げサイクル開始への期待が暗号資産(仮想通貨)市場の追い風となるか注目が集まる。
10:56
ロビンフッドが非上場企業投資ファンド「RVI」を計画 個人投資家の参加機会拡大へ
仮想通貨・株式取引のロビンフッドが米国で未上場企業への投資機会を個人投資家に提供するファンドの設立を計画している。SECに登録届出書を提出し、NYSE上場を目指している。
10:30
クレディセゾンのベンチャー部門、70億円超のWeb3ファンドをローンチ
クレディセゾンのベンチャー部門は、ブロックチェーンのスタートアップ対象のファンドOnigiri Capitalのローンチを発表した。トークン化RWAのソリューションを開発する企業に投資する。
10:12
コインベース支援のL2「Base」、独自トークンの発行検討を開始
仮想通貨取引所コインベース支援のL2「Base」は、ネットワークトークンの発行検討を開始。これまではガス代にイーサリアムを使用し、独自トークンの発行予定はないとしてきた。
09/15 月曜日
17:40
Web3インフラの進化はグローバル取引を変える|WebX2025
大型Web3カンファレンス「WebX」で「グローバル取引の絶対基盤: 世界を繋ぐインフラ戦略」をテーマとしたパネルセッションが開催され、Web3インフラの重要性と発展に向けた課題、そして10年後のグローバル取引の展望について活発な議論が交わされた。
15:00
人工知能と人間の創造性、消費者アプリの活用事例|WebX2025トークセッション
WebX2025で専門家が人工知能エージェントの可能性について徹底議論。創造性や、人間の仕事を消滅させる可能性、安全性や開発上の課題などを多角的に話し合った。
12:25
イーサリアム財団がプライバシー強化ロードマップ発表 3つの重点分野で取り組みへ
イーサリアム財団が包括的プライバシー構築のロードマップを発表。仮想通貨イーサリアムのネットワークが世界的な決済レイヤーになることを前提に3つの重点分野に取り組む。
10:00
アジア仮想通貨規制の現状と課題:香港・台湾の最新動向と地域連携の必要性|WebX2025
大型Web3カンファレンス「WebX」で、「アジアにおける規制フレームワークと今後の見通し」をテーマとしたパネルセッションが開催された。このセッションでは、香港と台湾の最新の規制動向から、仮想通貨規制におけるアジア諸国の国際協力まで、活発な議論が展開された。
09:55
「ビットコインは毎日最高値更新する必要はない」アーサー・ヘイズが語るBTC長期投資の真価
仮想通貨アナリストのアーサー・ヘイズ氏が、各国の金融緩和政策を背景にビットコインの長期的上昇を予想した。4年サイクルよりもマクロ見通しが要因になるとしている。
09/14 日曜日
16:00
DeFiが抱える最大の課題は? トークン化時代見据えソラナ財団らが議論|WebX2025
WebX2025でソラナ財団やBNBチェーンからDeFiの専門家が集いパネルセッションを行った。現在の課題やトークン化などの潮流、今後の各プロジェクトの展望を議論した。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧