CoinPostで今最も読まれています

東京都がデジタル証券発行支援を開始、ブロックチェーン技術を活用

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

都がデジタル証券の発行支援

東京都政策企画局は5月31日、デジタル証券(セキュリティトークン)発行支援事業の開始を発表した。これは、ブロックチェーン技術の広範な活用を促進し、スタートアップ企業の資金調達を多様化するための取り組みだ。

デジタル証券はブロックチェーン技術を用いて発行され、従来の有価証券に比べて小口発行が可能であるとともに、流通市場がなかった商品が流動性を獲得してより換金しやすくなるなど、新たな証券市場の創出につながる可能性が期待される。これらの特性は、個人の投資促進やスタートアップ企業の資金調達の多様化に役立つとされている。

政策企画局の新たな支援事業では、東京都内の事業者がデジタル証券を発行する際、その経費の一部を補助する。具体的な補助対象経費はプラットフォーム利用料、専門家への相談経費、システム開発費用など。補助率は一般の事業者に対しては2分の1、スタートアップ企業に対しては3分の2に設定され、1件あたりの補助上限額は500万円となる。

募集期間は2023年5月31日から2024年2月29日まで。申請は随時受け付けられるが、都の予算限度額に達した場合には受付が締め切られる。補助金の採択は、概ね1~2か月ごとに開催する審査会で行われる予定だ。

関連:日本取引所グループ、セキュリティ・トークン「デジタル環境債」検討へ

稼ぐ東京・イノベーション戦略の一環

ブロックチェーンは分散型台帳技術とも呼ばれ、取引履歴を分散的に処理、記録するもの。記録の改ざんや不正取引を防止しやすい特性があるため、金融分野での利用が拡大している。

東京都政策企画局は、ブロックチェーン技術の一部としてデジタル証券の発行を支援する新しい事業を推進している。この事業はデジタル証券の特性を活用し、個人投資家とスタートアップ企業間での資金の流動性を高め、新たな経済活動を創出することを期待している。

この取り組みは、2019年12月に発表された東京都の「『未来の東京』戦略」の一環として推進されており、都市の戦略12「稼ぐ東京・イノベーション戦略」における、「国際金融都市・東京」実現プロジェクトの一部と位置付けられている。

この戦略は、先端技術の活用と、東京の経済を支える多様な主体の有機的な連携によって、都内産業の生産性と付加価値を高め、新たなビジネスやイノベーションを創出することを目指したものだ。

デジタル証券の発行支援事業を通じて、東京都政策企画局はノウハウの共有と課題解決を促進し、結果として東京都の経済発展と技術革新を推進することを期待している。本プロジェクトに関する詳細な募集要領や申請方法は、東京都スタートアップ・国際金融都市戦略室のホームページに掲載されている。

関連:Securitize Japan とSBINFT、Web3時代の新しいデジタル証券「特典NFT付きST」のサービス提供に向け、業務提携を発表

デジタル証券市場の国内動向

デジタル証券の二次流通市場を実現する私設取引システム(PTS)の制度整備が現在、着実に進行している。この動きは投資家の利便性を高め、企業の資金調達をより柔軟にすることを目的としている。

その一環として、三井住友フィナンシャルグループとSBIグループは、2021年4月に共同で「大阪デジタルエクスチェンジ株式会社」を設立した。この新会社は、流通と換金の機会を増やすことにより、株式とデジタル証券の取引を効率的に行うことを目指している。

さらに、日本政府もデジタル証券の取引推進に向けた動きを見せている。政府が発表した「経済財政運営と改革の基本方針2022」(通称「骨太の方針」)によれば、「Fintechの推進を図るため、デジタル証券による資金調達に関する制度整備を進める。また、利用者保護を考慮しつつ、暗号資産に関する審査基準の緩和や、決済手段としての経済機能に関する解釈指針を作成する」という方針を明らかにしている。

関連:SBI主導の新PTS市場、大阪デジタルエクスチェンジとは|デジタル証券との関係を徹底解説

注目・速報 相場分析 動画解説 新着一覧
09/27 水曜日
17:32
ステーブルコインとマネーマーケットファンドの取り付け騒ぎとは?
米ニューヨーク連邦準備銀行はステーブルコインにおける資産逃避リスクに関するレポートを発表した。シリコンバレー銀行破綻の際の事例などを分析している。
14:35
米議員ら、SECゲンスラー委員長に現物ビットコインETFの承認を要請
米国の超党派議員らは米証券取引委員会ゲンスラー委員長に書簡を提出。現物ビットコインETFの上場をただちに承認するよう要請している。
13:30
ブラックロックなど大手運用会社、ビットコイン・マイニング投資が増加
世界の巨大資産運用会社であるブラックロック、バンガード、ステート・ストリートが、ビットコインマイニング市場での影響力を強めつつある。特にBlackRockは2020年から米マラソン・デジタル・ホールディングスへの投資を増加し続けている。
12:57
米パンテラキャピタル、Web3業界の報酬水準について調査結果を発表
米仮想通貨ファンド大手Pantera Capitalは、Web3業界の報酬調査結果を公表した。透明性を高めることで、新たな才能をエコシステムに呼び込み、イノベーションの促進を図るというのが、その動機だという。
12:25
SECがビットコインETFの審査判断を来年1月まで延期、BTC取引量は6年ぶり低水準
長期金利上昇や米政府機関の閉鎖リスクなど不確実性が高まり米株指数が続落する中、暗号資産(仮想通貨)市場では、Ark Investと21 Sharesが申請中のビットコインETF審査判断が2024年1月まで延期された。
11:05
Celestia、58万アドレスへのエアドロップで初期参加促す
モジュラー型ブロックチェーンCelestiaは、独自トークンTIAを配布する計画を明らかにした。エアドロップを通じてイーサリアムとコスモスエコシステムのアクティブユーザーの関与を促進するねらい。対象アドレスは約58万件に及ぶ。
09/26 火曜日
17:16
L2「Base」、取引数急増の背景とその重要性とは?
コインベース支援のL2「Base」がトランザクション数で競合のArbitrumとOptimismを上回った。新興のソーシャルファイ「Friend.Tech」の影響と、各プラットフォーム及びイーサリアム保有者にもたらす利点を探る。
15:17
テザー社、シンガポールにおけるUSDTの規約変更に関する噂を否定
テザー社のパオロ・アルドイノ氏は、シンガポールにおけるUSDTサービス停止に関する噂を否定した。利用規約は数年前に変更されたものだとしている。
13:21
Arbitrum、83億円相当のARBをDAOの財源へ
仮想通貨イーサリアムのL2アービトラムは、ARBのエアドロップ未申請分83億円相当をArbitrum DAOの財源に割り当てたことを発表。数量は6,944万ARBで、初期発行量の0.69%相当である。
13:14
JCBAがIEO制度改革案を公開、企業の資金調達推進へ
一般社団法人日本暗号資産ビジネス協会(JCBA)は、IEO制度の健全化を目指す自主規制改革の初期案を公開した。価格の安定性向上と制度の運用方法の改善を目指し、関係者のロックアップ制度の確立、流動性の確保、公募価格の算定方法の多様化、及び安定操作の整備が挙げられている。
12:54
米SEC、破綻したセルシウスの資産分配についてコインベースの役割に異議
米証券取引委員会は、破綻した仮想通貨融資企業セルシウスの資産分配について、コインベースが果たす役割に反対する文書を提出した。
10:06
Friend.techコード活用のソラナ「Friendzy」急拡大
「Friendzy」は、ソーシャルファイ分野で注目を集める分散型アプリ「friend.tech」の類似技術を利用しており、ソラナエコシステム内で活況を呈している。週間取引量は1.36億円に達し、市場を牽引するfriend.techの半分近くに迫る勢いだ。
08:30
HTX(旧Huobi)、ETH12億円相当が不正流出
仮想通貨取引所HTX(旧Huobi)のアドバイザーであるジャスティン・サン氏は、HTXからイーサリアム12億円相当が不正流出したと発表。ユーザーの資産は安全であると説明している。
09/25 月曜日
21:35
5000BTC以上ビットコイン買い増し、米マイクロストラテジー
米マイクロストラテジーは新たに1.47億ドルのコストで5,445 BTCの仮想通貨ビットコインを取得した。
20:14
三菱UFJ信託銀行、バイナンスジャパンと協業で新たなステーブルコイン検討へ
三菱UFJ信託銀行は、バイナンスジャパンとステーブルコイン発行・管理基盤「Progmat」の協業により、円建てやドル建てを対象とした新たなステーブルコインの共同検討を開始することがわかった。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧