はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習 WebX
CoinPostで今最も読まれています

ポリゴン、「Polygon PoS」を「zkEVM Validium」にアップグレードする提案を議論へ

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

Polygon2.0を推進

暗号資産(仮想通貨)ポリゴン(MATIC)の技術を開発するPolygon Labsは20日、エンジニアチームが「Polygon PoS」を「zkEVM Validium」にアップグレードする提案を行ったと発表した。

zkEVM Validiumは、ゼロ知識証明を活用するL2ソリューションである。このアップグレードによって、Polygon PoSは安全性とパフォーマンスが向上すると説明。そして、次世代のポリゴンである「Polygon2.0」の中心として機能するため、このアップグレードはエコシステムにおいて重要な到達点になるとした。

zkEVMとは

ゼロ知識証明を活用したロールアップ技術「ZKロールアップ」を導入したスケーリングソリューション。イーサリアム(ETH)の仮想マシンと互換性や等価性を持つ。

▶️仮想通貨用語集

関連スケーリング問題の打開策「ロールアップ」とは|仕組みや注目点を詳しく解説

Polygon Labsは12日、「Polygon2.0」の開発計画を公表。この時に、新たに開発されるソリューションではゼロ知識証明を活用すると述べている。

関連新たな開発計画「Polygon 2.0」を発表、ZK技術活用のレイヤー2ネットワーク

今回の発表でもこの開発計画に触れ、Polygon2.0のビジョンの中心は、すべてのポリゴンチェーンをゼロ知識証明を活用したL2にすることだと説明。一方で現在のPolygon PoSは、ゼロ知識証明ではなく独自のバリデータによって安全性が保たれており、この特徴からPolygon PoSはL2ではなく、「サイドチェーン」に分類される。

関連ブロックチェーンのレイヤー2とは|種類や注目点、代表的なネットワークを解説

Polygon Labsは提案したアップグレードについて、「現在最も成功しているチェーンの1つにzkEVMの技術を追加する作業」だと説明。Polygon PoSが1日に平均で250万トランザクションを処理していることなどの数値を引用し、「特にこれだけの規模と重要性を持つ既存のチェーンがL2になるために、ゼロ知識証明を追加することは初めてのことである」と主張した。

コミュニティに認可されれば、今回のアップグレードを実施する。事前にテストも行うため、メインネットでアップグレードを行うのは2024年の2月から3月になる予定だとした。そして、今回の提案がユーザーや開発者の体験、ネットワークのエコノミクスを変えることはないと強調している。

Validiumの課題

ポリゴンのエコシステムでは、すでにPolygon zkEVMが開発されている。Polygon Labsは「zkEVM Validiumは、Polygon zkEVMなどのロールアップ技術の兄弟のような存在と考えることができる」と説明した。

一方、zkEVM ValidiumはZKロールアップと同様の方法で安全性を担保するが、トランザクションデータをオフチェーンで保管する点が違うと指摘。この違いはロールアップに対し、主に以下の2つの優位性があるとしている。

  • 手数料を大幅に下げる
  • 拡張性を大幅に高める

出典:ポリゴン

なお、この「Validium」と呼ばれる技術自体は新しいものではない。手数料を大幅に下げられる理由は、イーサリアムのガスの消費を抑制できるため。拡張性を大幅に高めることができるのは、ロールアップの処理がトランザクションデータに制限されているからだという。

一方、イーサリアムのL2開発企業「Matter Labs」のAlex Gluchowski CEOは2020年6月、Validiumの仕組みは処理量を増やすことにつながるが、犠牲もあると指摘。ZKロールアップのような仕組みでデータ可用性が担保されていないと、資産の凍結を行うことができるという課題もあると述べていた。

トークンの有用性とバリデータの役割

Polygon Labsは今回、トークンであるMATICの有用性についても説明。 Polygon PoSでは現在、MATICをステーキングしたバリデータがネットワークを維持しており、アップグレード後の運用についても解説した。

既存のPolygon PoSと同様、アップグレード後もバリデータはトランザクションデータが利用可能であることを証明すると説明。この仕組みによってPolygon PoSは「分散された安全な仕組みでデータ可用性が担保された初めてのValidiumになる」と主張している。

また、バリデータがどのトランザクションをどんな順番でブロックに含めるかを決めることも変わらないとした。この仕組みで分散性を維持し、アップグレード後も取引手数料がステーカーに支払われるようにすると述べている。

そして、バリデータを活用しデータ可用性における課題解決にも取り組むと説明。また、zkEVM ValidiumとPolygon zkEVMは共存し、補完し合う関係だとした。

関連:国内取引所のステーキングサービスを徹底比較|イーサリアムのステーキング手順も解説

CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
12/22 月曜日
15:53
ユニスワップ手数料スイッチ提案が定足数達成 UNI焼却メカニズムが今週始動へ
ユニスワップのプロトコル手数料スイッチ提案「UNIfication」が定足数を達成。賛成票6,900万UNI超で12月26日の投票終了後、1億UNIの遡及的焼却と手数料連動型の継続的焼却メカニズムが今週後半に始動する見込み。
15:20
量子コンピュータは仮想通貨の脅威なのか?カルダノ創設者が示す客観的評価と対策
カルダノ創設者ホスキンソン氏が、量子コンピュータによる仮想通貨への脅威について冷静な対応を呼びかけ、米DARPA主導の、量子ベンチマーク・イニシアチブ(QBI)の参照を推奨した。
14:54
香港、保険会社の仮想通貨投資を解禁へ リスク管理100%義務付け=ブルームバーグ
香港保険監督局が保険会社による仮想通貨投資を認める新規制案を発表。100%の資本準備義務付けで慎重姿勢を示しつつ、2026年に公開協議を実施。総保険料約13兆円の業界から機関投資家資金の流入可能性。
14:03
著名投資家レイ・ダリオ、「ビットコインは中央銀行に大規模保有される可能性低い」と指摘
著名ヘッジファンド創業者のレイ・ダリオ氏がポッドキャストで、ビットコインは中央銀行の準備資産として大規模保有される可能性が低いと指摘。透明性や技術リスクを理由に挙げた。一方、個人投資家には5〜15%の配分を推奨している。
11:44
米議員、仮想通貨税制で法案起草 少額取引非課税やステーキング関連所得繰り延べも
米超党派議員が仮想通貨税制の改正法案を発表した。少額のステーブルコイン取引を非課税化することや、ステーキングやマイニング報酬の課税繰延べを盛り込んでいる。
10:51
ニューヨーク近代美術館、CryptoPunksなどNFT作品を永久所蔵
ニューヨーク近代美術館(MoMA)が12月20日、CryptoPunks8点とChromie Squiggles8点のNFT作品を永久所蔵品に追加。ブロックチェーンアートが主流美術機関に正式認められる重要な節目となった。
09:45
ファンドストラットが2026年仮想通貨市場に弱気予測 トム・リー氏と対照的
ファンドストラットが2026年前半に仮想通貨市場が下落することを予測した。一方、同社のトム・リー共同創業者は、ビットコインやイーサリアムに強気見解を示している。
08:51
テザー、AI機能搭載モバイルウォレットの開発を発表
テザー社がAI機能搭載のモバイルウォレット開発を発表。ビットコイン、USDT、USAT、XAUTの4資産に対応し、WDKとQVACを活用してプライバシーと自己管理性を重視した設計を目指す。
08:23
VanEck、アバランチETF申請にステーキング報酬機能を追加
VanEckが米SECに提出したアバランチETF申請書を修正し、ステーキング報酬機能を追加。保有AVAXの最大70%をステーキングし利回りを創出する計画。米IRSの新規則が後押し。
12/21 日曜日
14:00
今週の主要仮想通貨材料まとめ、ビットコインの2026年相場予測やブロックチェーン人気ランキングなど
前週比で振り返る仮想通貨市場の最新動向。ビットコインやイーサリアム、XRP、ソラナといった主要銘柄の騰落率や注目材料を一挙紹介。市場トレンドと関連ニュースを詳しく解説する。
11:30
ビットコイン、流動性低下で来週も不安定な展開か|bitbankアナリスト寄稿
ビットコインの今後の見通しをbitbankアナリストが解説。年末のホリデーシーズンで流動性が低下する中、来週にかけても方向感に欠ける展開が続く可能性。12月の米雇用・物価データが金利見通しの鍵を握る。
11:00
週刊仮想通貨ニュース|与党税制改正大綱の決定に高い関心
今週は、米SECのポール・アトキンス委員長の講演、ノルウェー政府系ファンドによるメタプラネットのビットコイン戦略に対する支持、政府・与党の2026年度税制改正大綱の決定に関する記事が関心を集めた。
12/20 土曜日
13:22
イオレがビットコイン追加取得、累計保有量101BTC超に
日本上場企業イオレが約1億6640万円分のビットコインを追加取得。ネオクリプトバンク構想の初期トレジャリー運用の一環として実施され、2026年3月期中に120億円から160億円規模の取得を目指している。
11:55
ブラックロックのビットコイン現物ETF、年初来リターンはマイナスも流入額6位入り
ブラックロックのビットコイン現物ETF「IBIT」が年初来のETF流入で6位にランクインした。一方でリターンはマイナスとなっており背景にある投資家心理が注目される。
10:50
メタプラネット、米国預託証券プログラム設立
ビットコイン保有企業メタプラネットがドイツ銀行を預託銀行とする米国預託証券プログラムを設立し、19日より米国店頭市場で取引を開始する。米国投資家の利便性向上と流動性拡大を目指す。
通貨データ
グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧