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Binance Japanが暗号資産取引サービス開始、既存顧客の移行は8月14日から 「ビルドアンドビルド(BNB)」が国内初上場へ

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

Binance Japanで34銘柄を取扱い

世界最大規模の暗号資産インフラを提供する Binanceの日本法人であるBinance Japan株式会社は8月1日、日本国内におけるサービスを開始した。また、Binanceの取引所トークンである「ビルドアンドビルド(BNB)」が国内初上場をはたしている。

利用者は日本国内居住者専用の新たな取引プラットフォーム(binance.com/ja)を通じて、サインアップと本人確認の審査を完了させることで取引を開始できる。また、App StoreまたはGoogle PlayストアからBinanceアプリをダウンロードすれば、同じ手続きを行うことが可能。

日本在住でグローバルなBinance口座を保有する既存の顧客は、2023年8月14日以降に通知が届くことにより、新しいKYC(本人確認)プロセスを通じてアカウントの移行プロセスを始められる。

なお、Binance Japanでは既に日本円の入金に対応しているが、出金については8月20日以降から可能になるとのこと。

Binance Japanが最初に提供するのは、ユーザー同士の取引を板によってマッチングさせる「暗号資産取引所(現物取引)」と、自動販売機のように単一の販売価格がリアルタイムで表示される「暗号資産販売所(コンバート)」だ。

なお、Binance Japanでは証拠金を利用して何倍もの資産を売買する「先物取引を含むデリバティブ取引サービス」は当初は提供しない。必要となる「第一種金融商品取引業」のライセンス取得に向けて、日本法令に準拠した形で「鋭意準備を進めている」とした。

Binance Japanの取扱う暗号資産の銘柄数は34銘柄で、これは国内の主要な競合他社であるビットバンク(30銘柄)、GMOコイン(26銘柄)、コインチェック(22銘柄)を上回る。したがって、立ち上げ時点での取扱銘柄数では国内取引所トップとなる見込み(CoinPost調べ)。

出典:Binance Japan

取扱銘柄の注目はBNBチェーンのネイティブトークンであり、Binance取引所におけるユーティリティも有する「ビルドアンドビルド(BNB)」が国内初上場となること。

関連:BNBとALGOが国内初上場へ、JVCEAが新規取扱銘柄を発表

DeFi(分散型金融)、Web3(ブロックチェーンベースのゲーム)における換金のニーズが予想される銘柄が含まれる。ソラナ(SOL)、アスター(ASTR)、アバランチ(AVAX)、ジャスミー(JASMY)、アクシー(AXS)などが挙げられている。これらの銘柄取扱いは、経験豊富なユーザーを引きつける意図が見て取れる。

一方、他の取引所の取り扱いのない国内未上場の銘柄については検討中、あるいは準備段階とみられ、現時点では発表されていない。

さらにBinance Japanは、ユーザーが保有する暗号資産を預けて金利を(通常は)暗号資産形式で得ることができる「シンプル・アーン(貸暗号資産)」や、「NFTマーケットプレイス」も提供する。その上、投資家やトレーダーのニーズに対応するための「自動購入(オート・インベスト)」や「API接続」機能も装備している。

Binanceは2022年11月に、金融庁に登録された交換業者である株式会社サクラエクスチェンジビットコイン(SEBC)の買収を公表。その後、SEBCからは全株式のBinance Holdingsへの譲渡と新経営体制への移行が発表されていた。

なお、株式会社サクラエクスチェンジビットコインが以前に提供していたSymbol(シンボル)、MonaCoin(モナコイン)、Flare(フレア)、Cosplay Token(コスプレトークン)などの銘柄については、現在は取扱いが中止されている。これらの銘柄の取扱い方針については、決定次第、改めて報告されるとのこと。

関連:バイナンスが日本進出「Binance Japan(仮称)」とは?期待と影響を徹底解説

BNBとは

BNBは2017年7月にイニシャル・コイン・オファリング(ICO)を実施し、Binanceプラットフォーム上でのユーティリティ・トークンとして利用されることを意図して誕生した。2023年8月現在、BNBの時価総額は5.2兆円を超え、仮想通貨市場で4位の価値を持つ。

BNBは取引手数料の割引や支払い、Binance Launchpadの抽選参加権利などの利点を持つ。また、BNBチェーンではトランザクション発行手数料(ガス代)の支払いにも使われる。

BNBの特徴的な機能として、四半期ごとに行われるバーン(焼却)がある。これは総発行枚数100億BNBに対し、四半期中にBNBスマートチェーン(BSC)で生成されたブロック数に基づいて、BNBの一部を無効化する行為で、通貨供給量を減らすことで一枚あたりの価値を高める効果がある(理論上)。

関連:仮想通貨BNB、890億円分のトークン焼却を完了

しかし、一方で規制当局からの圧力も増えている。2023年6月5日には、米国証券取引委員会(SEC)がBinance Globalとその米国支社、Binance.US、関連会社、そしてCEOのチャンポン・ジャオ(CZ)氏を米国証券法違反の疑いで訴訟を起こした。

SECはBinanceのトークンBNBを未登録の証券とみなしており、投資家は、今後の規制上の動向によってBNBの価値が影響を受けるリスクに留意する必要がある。

関連:バイナンスとコインベースのSEC訴訟|仮想通貨規制の現状と業界の反応を整理

日本では、暗号資産の取扱い審査プロセスが近年効率化されており、2022年3月には取り扱われている暗号資産の数が50種類未満だったものが、2023年5月時点では91種類にまで増えている。

Binance Japanの今後の動きとして、新規上場銘柄の追加に対する期待が高まっている。2022年には、BinanceのLaunchpadから誕生した「Move to Earn」アプリのSTEPNが生み出した独自トークン(GMT)が話題となった。これは日本でも公式ミートアップが開催され、アシックスや攻殻機動隊との提携など、日本との繋がりが深いプロジェクトである。このような背景から、GMTのBinance Japanでの初上場に対する期待感が高まっている。

関連:JVCEA、国内の仮想通貨上場審査を大幅効率化へ 「グリーンリスト制度」など導入

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