マクロ経済と金融市場
8月31日の米NY株式市場では、ダウ平均株価は前日比168ドル(0.48%)安、ナスダック指数は15.6ポイント(0.11%)高で取引を終えた。
本日21:30に米雇用統計発表を控え、持高調整売りが先行した。
関連:米国株5日ぶり反落、今夜発表の8月米雇用統計に注目|1日金融短観
仮想通貨市況
暗号資産(仮想通貨)市場では、ビットコイン価格は前日比4.4%安の1BTC=26,038ドルに。一時5%以上急落した。
確定したばかりの月足は2連続陰線となり、50SMAを下回った。25,000ドルのサポートライン(下値支持線)を割り込めば、21,000ドル水準も視野に入る状況にある。
ここのところの暗号資産(仮想通貨)相場では、リップル裁判結果を受けたXRP急騰→急落にあるように、市場心理の改善に時間を要することを露呈している。
米SEC(証券取引委員会)が、ブラックロックを含む7件(BlackRock、VanEck、WiseOrigin、Invesco Galaxy、WisdomTree、Bitwise、Valkyrie)の「ビットコインETF(上場投資信託)」申請に対し、十分な審査時間の確保を理由に審査判断の延期を発表した。
わずか2日前には、グレースケール・インベストメンツの運用する投資ファンド「Grayscale Bitcoin Trust(GBTC)」の上場投資信託転換を巡る裁判でSECに勝訴したことを受け急騰していたが、全戻しとなった。
ただ、ビットコインETFはこれまでも最終判断期日まで審査判断を引き延ばすことが通例で、今回のタイミングでのETF承認は織り込んでおらず、下げの口実に使われたとの見方もある。
延期により10月17日までさらに45日間の猶予が与えられることになるが、審査に万全を期すために最終期限の「最大240日間」まで引き延ばされる公算が高い。今回のケースでは、2024年3月となる。
ただし、グレイスケールの裁判結果の影響は、暗号資産の現物ETFをめぐるSECの判断基準に疑問を呈するものであり、無視はできない影響力を持つ。ブルームバーグのETFアナリストを務めるEric Balchunas氏は、「ビットコインETFへの確信度が高まり、承認確率は65%から75%程度まで上昇した」との見立てを示した。
関連:上場投資信託「ビットコインETF」とは|ブラックロックの申請が注目される理由
なお、現在1650ドル前後で取引されているイーサリアム(ETH)は、短期(50日)移動平均線が長期(200日)移動平均線を下回る弱気シグナル、デッドクロス成立が近づいている。
過去に掲載したマーケットレポート一覧はこちら