暗号資産富裕層
コンサルティング会社のヘンリー&パートナーズ(H&P)は5日、暗号資産(仮想通貨)富裕層に関する移住戦略を分析した「Crypto Wealth Report」を発表した。
100万ドル(1.4億円)以上の資産を持つ暗号資産ミリオネアは約8.8万人存在し、そのうちBTC保有者は約4.05万人と集計されている。
また、大富豪に相当する10億ドル(1400億円)以上の資産を持つ暗号資産のビリオネアは78人存在し、そのうちビットコイナーは6人。暗号資産センチミリオネア(資産1億ドル以上)は全世界で182人おり、このうち78人が「ビットコイン(BTC)で資産を保有している」とした。
この調査は、独立系富裕層リサーチ会社New World Wealthが2023年8月から9月にかけて更新した150,000人以上の富裕層(投資資産1,000万ドル以上の個人)に関するデータベースを基盤としている。学者や業界の専門家も協力した。
一方で、レポートはBscScanやEtherscanといったブロックチェーンエクスプローラーから収集されたデータも使用。
全世界で仮想通貨を保有する推定ユーザー数は約4.25億人に達しており、その内ビットコインを保有者数は約2.1億人とされている。ただし、集計されたウォレットアドレス数には、ボットや同一個人による複数のアカウントが含まれている可能性がある。
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仮想通貨に対する総合的な「友好度」
レポートの主目的は、各国の仮想通貨とブロックチェーン技術の採用度を数値で評価すること。その評価は6つのキーパラメータ―一般人の採用状況、インフラ整備度、イノベーション力、規制環境、経済安定性、そして税制の優遇度―に基づいている。
結果、仮想通貨に対する総合的な「友好度」で上位にランクインしたのは、シンガポール、スイス、アラブ首長国連邦(UAE)、香港、そして米国である。
特にシンガポールとUAEは、暗号資産に対する税制で満点の評価を受け、富裕層にとって魅力的な移住先とされている。スイスは仮想通貨取引・投資利益に対する課税はないものの、資産税が存在するため、8.1点と評価された。
ヘンリー&パートナーズのCEOであるユルグ・シュテファン博士は、「各国が仮想通貨に関する規制を急速に整えている状況で、クリプトトレーダー、マイナー、投資家、そして起業家たちは、自らの資産を守る最適な投資移住戦略を積極的に模索している」と指摘している。
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