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需要拡大中のステーブルコインTUSDとは | 主な特徴と強みを解説

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

国際的に利用が急拡大しているステーブルコインTrueUSD(TUSD)。大手仮想通貨取引所Binanceのローンチパッドなどでも利用されています。

TUSDは、仮想通貨業界で初めて第三者機関によるリアルタイム監査を導入したステーブルコインです。2023年以降時価総額を急速に伸ばしており、仮想通貨コミュニティから注目を集めています。

当記事では、TUSD利用拡大の背景に加えて、その特徴や将来性を解説します。

ステーブルコインとは

そもそもステーブルコインとは、その価値が法定通貨の価格にペッグ(固定)されている仮想通貨のことをいいます。

例えば、米ドルにペッグされているUSDTは、価格が常に1ドルに保たれるようになっています。

画像出典:Coinmarketcap

業界に不可欠な存在

ステーブルコインは、ビットコイン(BTC)やイーサリアム(ETH)とは異なり、価格が安定していることが特徴です。ステーブルコインはキャッシュの代替資産として、多くの仮想通貨投資家に重宝されています。

ステーブルコインの代表的な存在であるUSDTは、2024年1月11日時点で約13兆円の時価総額を誇ります。これは、仮想通貨全体の時価総額ランキングで、ビットコインとイーサリアムに次ぐ3番目の大きさです。

ステーブルコインは、仮想通貨市場において不可欠な存在であることがわかります。

価格乖離や規制リスクも

ステーブルコインには価格乖離リスクがあります。例えば、TerraブロックチェーンのステーブルコインだったUST(現USTC)は、2022年に価格が数十%下落し、その後も回復できずにいます。

一方で、政府による規制リスクも存在します。2022年頃まで大手ステーブルコインだったBUSDは、米国政府からの規制により新規発行が中断されました。その結果、2024年1月時点でBUSDはほとんど流動性がない状態となっています。

TUSDの利用が急拡大

大手ステーブルコインが様々なトラブルに見舞われる中、2023年に入り急速に支持を拡大してきたのがTUSDです。

TUSDの特徴は、仮想通貨業界で初めて第三者機関からのリアルタイム監査を導入した点です。大手取引所Binanceが積極的にフィーチャーしていることもあり、仮想通貨コミュニティから注目を集めています。

TUSDとは

画像出典:TUSD

TUSDは、イーサリアム・トロン・アバランチ・BNB・ファントム・ポリゴンなど10種類以上のブロックチェーンで発行されるステーブルコインです。

BinanceやHTXなど、100を超える仮想通貨取引所や分散型取引所(DEX)で購入することが可能です。また、Travala.com、UQUID、HYVEなどのプラットフォームでもTUSDを利用することができます。

TUSDの運営はもともとTrueCoinが行っていましたが、2020年12月にアジアを拠点とするTechteryxに経営権を委譲しています。

時価総額は3000億円超

画像出典:Coinmarketcap

2024年1月11日時点で、TUSDの時価総額は3000億円を超えています。ステーブルコインの時価総額ランキングでは、USDT・USDC・DAIに次ぐ4番目の高さとなっています。

Binanceローンチパッドに登場したことで利用が急拡大し、TUSDの時価総額は1年で約3倍に膨れ上がりました。

24時間取引高は600億円超

ステーブルコインにとって、取引高は最も重要なポイントのひとつです。流動性が低い場合、投資家が迅速に取引を実行できない可能性があるからです。

2024年1月11日時点で、TUSDの24時間取引高はおよそ620億円に上り、ステーブルコイン全体の取引高ランキングでは4位です。なかでも、BinanceにおけるBTC/TUSDの取引ペアが全体の50%を超えており、流動性の高さを物語っています。

またTUSDは複数の取引所でメーカー手数料をゼロにしており、これも投資家から支持される理由のひとつです。

Binanceローンチパッドの常連

画像出典:Binance

TUSDは、2023年からBinanceローンチパッドに登場し、利用が急拡大しました。

Binanceローンチパッドは、Binanceに上場する新規プロジェクトの仮想通貨を配布するプラットフォームです。例えば、TUSDをBinanceで一定期間ステーキング(預け入れ)することで、新規上場トークンを入手することが可能です。

TUSDは11銘柄で登場

TUSDは2023年5月以降、RDNT・SUI・MAV・PENDLE・SEI・CYBER・NTRN・MEME・NFP・AI・XAIの合計11銘柄のローンチパッドに登場しました。

つまり、BinanceでTUSDを保有するユーザーは、新規上場トークンを入手するチャンスに常に恵まれてきたことになります。

TUSDの特徴

TUSDは近年急速に利用が拡大してきましたが、その理由は「透明性の高さ」にあります。TUSDの特徴として、以下の点が挙げられます。

  • リアルタイム監査
  • 独立系CPAと提携
  • Chainlinkと提携

リアルタイム監査

画像出典:TUSD

ステーブルコインを利用するにあたって注意しなければならないのは、担保(裏付け)資産の有無です。

ステーブルコインが1米ドルの価値を保つことができるのは、運営会社が時価総額に相当する米ドルを保有しているからです。ユーザーは、運営会社が担保資産を確実に保有しているかどうかのチェックを随時行う必要があります。

TUSDはこういったユーザーのニーズに応えるため、リアルタイムでの監査を実施しています。ユーザーはTUSDの公式サイトにて、いつでも担保資産の金額をチェックすることが可能です。

2024年1月11日時点では、TUSDが約21億ドル(約3000億円)の担保資産を保有していることを確認できます。これは、TUSDの時価総額に相当しており、TUSDの価格が1米ドルに固定される根拠となっています。

独立系CPAと提携

画像出典:TUSD

TUSDは透明性と公平性を保つため、独立系の公認会計事務所MooreHKと提携しています。1975年に設立されたMooreHKは、英国で100年以上の歴史を持つ世界有数の会計・コンサルティングネットワークであるMoore Globalのメンバーです。

独立系の会計事務所に担保資産を監査してもらうことで、TUSDは市場で高い信頼を勝ち取っています。

また、仮想通貨を専門とする監査テクノロジー企業のThe Network Firmとも提携し、非常にわかりやすい情報提供を行っています。

Chainlinkと提携

画像出典:Chainlink

Chainlinkは仮想通貨業界を代表するオラクルプロトコルで、2000を超えるプロジェクトと提携を行っています。TUSDはChainlinkの「Proof of Reserve(担保資産証明)」という技術を利用し、リアルタイム監査を実現させています。

ミント時に自動確認

ChainlinkのProof of Reserveは、TUSDを安全に運営するうえで必要不可欠なテクノロジーです。

まず、監査企業The Network FirmはTUSDの担保資産額(金融機関で保有する米ドルなど)をリアルタイムで集計します。次に同社は、ChainlinkのProof of Reserveを通じて、このデータをブロックチェーン上に送信します。

このオンチェーンデータは、TUSDのスマートコントラクトによって利用されています。例えば、例えば、あるユーザーがTUSDをミント(発行)する時に、TUSDの総供給量が担保資産の総量を超えるかどうかが自動的にチェックされます。

このような施策によって、TUSDはステーブルコインの中でトップクラスの透明性と安全性を実現しています。

TUSDは躍進できるか

2024年1月に米国証券取引委員会(SEC)がビットコインETFを承認し、仮想通貨市場は盛り上がりを見せ始めています。そのような状況の中、ステーブルコインの重要性は今後も増すばかりと考えられます。

TUSDは、仮想通貨業界で初めて第三者機関によるリアルタイム監査を導入したパイオニア的な存在です。これから新しい仮想通貨ユーザーが増えるなかで、TUSDは代表的なステーブルコインとして台頭するかもしれません。

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