CoinPostで今最も読まれています

「ブロックチェーンを日本語で学べる機会を提供したい」東京大学の特任研究員が語る

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

Web3領域の課題解決へ

2023年7月開催のWebXカンファレンス(以下、WebX)で出展した東京大学の特任研究員である芝野恭平氏と伊東謙介氏に話を伺った。

両氏は東大で研究や教育活動を行い、寄付講座を担当している。今年の4月から公開講座を開始する予定で、ブロックチェーン技術を学べる機会を提供するという。

東大は昨年のWebXでゴールドスポンサーに就任。芝野氏はWebXに登壇し、ピッチを行った。今回は両氏にインタビューを実施し、Web3関連の取り組みやWebXに参加した感想などについて話を聞いている。

関連東大と京大がリップル社のブロックチェーン研究プログラムに参加 仮想通貨を含めた研究支援へ

インタビュー内容

芝野氏

伊東氏

まず、公開講座を予定する寄付講座について芝野氏は「外部のスポンサーから提供される資金をもとに運営している組織」だと説明した。WebXでは、東大の寄付講座に関心を示す人が多く、出展がスポンサー集めにつながったと語っている。

続いて伊東氏が一定額の寄付金が集まらないと組織の運営ができないなか、WebXを通じて多くのスポンサーと出会えたと説明。出展者の多くが海外のプロジェクトや日本企業であるためで、東大は異質で注目を集めたようだ。

これから行うブロックチェーン関連の講座では、技術的な内容を日本語で学べるようにしていくと芝野氏は述べた。ブロックチェーンは技術の推移や発展が非常に速く、今から初心者が学ぼうと思っても学習コンテンツが不足していると指摘しており、こういった障壁をなくすことが講座を開く目的だという。

対象は東大生や大学生に限定せず、社会人でも講座を受けられるようにすることを計画。実際に講座自体を受講できない人が学習できるようなコンテンツも作る予定だ。

芝野氏は、日本はWeb3を推進していこうとしているなか、技術に関するコンテンツが十分ではないと問題を指摘。講座が対象にするのは主に技術者だという。

ブロックチェーン領域は、暗号学や経済学、法学など様々な側面があるため、体系的に学べる機会を構築したいという思いがあると伊東氏は語った。

WebXに参加した感想

昨年のWebXに参加して良かった点については、両氏が人脈を構築できたことを挙げた。スポンサーに関心を示す企業だけでなく、個人の参加者との出会いも有意義だったとし、公開講座の準備を手伝ってくれるようになった人もいると伊東氏が話している。

また、芝野氏も同様の感想を持っており、ブロックチェーンに詳しい人と会話できる機会は多くないため、WebXは貴重な機会だったと語った。

関連日本最大級のweb3国際カンファレンス「WebX」レポート

今年のWebXに対する要望については、伊東氏が「若者が参加や発表をしやすい環境構築」を挙げた。学生を初めとして若い人々にはブロックチェーンに詳しい人が多いとし、より安価に参加できるようにしたり、自由に発表できる機会を設けたりした方が良いと要望している。

一方で伊東氏は、大学の関係者として、より学術的な発表をして欲しいとも希望。大学の論文を提示して研究者が集まって話をするような場があると良いと語った。

この点について芝野氏も賛同しており、ブロックチェーンの初心者も詳しい人も両方が楽しめるようなイベントになると良いと話している。

関連なぜ日本で大規模Web3カンファレンスが必要なのか|WebX創設者インタビュー

WebX 2024について

2回目のカンファレンスとなる「WebX 2024」は、2024年8月28日(水)と29日(木)の2日間、ザ・プリンスパークタワー東京で開催する。

前回のWebXは、来場者数1万6,500人、スピーカー数290人、協賛・協力企業372社(団体含む)と、想定を大きく上回る反響を集めることができた。また、政府・行政関係者では、岸田文雄総理をはじめ、西村康稔経済産業大臣(当時)や萩生田光一政務調査会長(当時)、小池百合子都知事、吉村洋文大阪府知事らが講演している。

今年のWebXのビジョンは「既存のWeb1・2業界と新たなWeb3業界における産業間の架け橋となれるよう目指すこと」。このビジョンを実現するため、Web3業界における世界各国のリーディングカンパニーや関係者はもちろんのこと、暗号資産(仮想通貨)・ブロックチェーンと普段接点のない事業者や、日本国内のみならずアジアのレギュレーターや推進省庁らも積極的に誘致したいと考えている。

また、アジアを代表するWeb3推進ハブの一つとなれるよう、積極的に海外のカンファレンスなどとも連携していく予定だ。

■開催日:2024年8月28日(水)・29日(木)

■開催場所:ザ・プリンスパークタワー東京

■主催:WebX実行委員会

■企画 / 運営:CoinPost

■来場者数(見込):20,000人以上

■参加企業数(見込):2,000社以上

■出展企業数(見込):150社以上

■メディアパートナー数(見込):100社以上

関連アジア最大級のWeb3カンファレンス「WebX 2024」、ザ・プリンスパークタワー東京で開催へ

CoinPost App DL
注目・速報 相場分析 動画解説 新着一覧
04/29 月曜日
20:00
株式の信用取引とは|現物取引との違いや効果的な投資スタイルを解説
株の信用取引とは、最大約3.3倍のレバレッジをかけられ、売りからも始められる取引です。そのため現物取引に比べて利益の幅が大きく、投資機会が多いです。仮想通貨の分散投資先の候補として考えてみてください。
16:37
GSTの買い方、特徴やSTEPNでの役割を学べる完全ガイド
歩いて稼ぐフィットネスWeb3ゲーム「STEPN」の注目度が再び高まっています。2024年以降に底値から大幅上昇した暗号資産(仮想通貨)GSTの買い方やGMTとの違い、将来性について初心者にもわかりやすく解説しています。
12:54
ブロックチェーンゲーム「Heroes of Mavia」、MAVIAトークンのインフレ抑制へ
Web3ゲーム「Heroes of Mavia」は、イーサリアムベースの独自トークン「MAVIA」のインフレ抑制のため、ロック解除スケジュールを変更した。
12:27
ワールドコイン開発元、OpenAIらとの提携を検討か=報道
仮想通貨ワールドコイン開発企業は、決済大手ペイパルや、アルトマン氏の別事業OpenAIと提携を模索していると伝えられる。
10:00
仮想通貨の「ポイ活」潮流、将来のトークン配布を見越した投資戦略
ポイ活やエアドロップといった、2024年の暗号資産(仮想通貨)市場におけるトレンドを掘り下げる。将来のトークン発行に向けて最大限の報酬を得るため、ソラナやBASEでユーザーの活動量が増加。資本競争が激化している。
04/28 日曜日
11:30
ビットコイン相場は中期的には下降チャネル内での揉み合い続くか|bitbankアナリスト寄稿
ビットコイン半減期を終え1000万円周辺で推移する相場をbitbankのアナリスト長谷川氏が分析。ビットコインチャートを図解し、今後の展望を読み解く。
11:00
週刊仮想通貨ニュース|BTCの半減期完了に高い関心
今週は仮想通貨ビットコインが半減期を迎えたこと、QCP Capitalによる半減期後の相場分析、イーサリアムの証券性などを巡りConsensysが米SECを提訴したことに関する記事が最も関心を集めた。
04/27 土曜日
21:00
OKCoinJapan 5月にオプティミズム(OP)取扱い開始へ
OKCoinJapanが暗号資産(仮想通貨)オプティミズム(OP)の取扱いを開始へ。イーサリアムのレイヤー2ソリューションとして、その技術はCoinbaseが支援するBaseやバイナンスのopBNBの基盤に使用されている。OPのユースケースや今後の展望も言及。
17:20
機関投資家のDeFiリスク管理を強化、Fireblocksの新セキュリティ機能
FireblocksがDeFi製品にdApp ProtectionとTransaction Simulationを追加。リアルタイム脅威検知と安全なトランザクション実現で、機関投資家のオンチェーン活動をサポート。
13:00
BAYCで知られるYuga Labs、事業再編でチームメンバー削減 
Yuga Labsは、事業再編の一環としてチームメンバーの一部を削減した。「より小規模で機敏でクリプト・ネイティブなチーム」にする意向だ。
10:30
米国で仮想通貨発行の推奨事項5ヶ条、a16z明かす
大手ベンチャーキャピタルa16zは、米国で仮想通貨トークンを発行する際の推奨事項を挙げた。特に証券性など米SECをめぐる対処を中心としている。
09:30
ビットコインRunesデビュー1週間、200億円以上の手数料生み出す
手数料については、ミーム仮想通貨取引への高い需要が原因で、4月初めの5ドルから平均40ドルまで高騰している。ビットコインのマイニング報酬が半減し、収益が大幅に減少する見通しとなっていた採掘業者にとっては朗報だ。
08:00
半減期後のBTCのリターン、Nansen主席アナリストが分析
半減期後の仮想通貨ビットコインのリターンを、ブロックチェーン分析企業Nansenの主席リサーチアナリストが分析。半減期後250日までが最もリターンが高いという。
07:30
円安で1ドル158円台に、米ハイテク株高 来週FOMC金利発表|金融短観
本日の米国株指数は反発。エヌビディアやアルファベットなど大手IT株がけん引役となった。前日発表の米1-3月期GDPは予想を下回って悪材料となっていたが、昨夜発表の米3月PCEデフレーターはほぼ予想通りだった。
05:55
パンテラ、FTXの仮想通貨ソラナを追加取得
FTX破産財団はこれまですでにロックアップされた仮想通貨SOLの約3分の2を手放した。その多くは4年後に完全にアンロックされる見込みだ。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア