はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習-運用 WebX
CoinPostで今最も読まれています

ビットコイン相場はCPI・FOMC通過で乱高下、売り買いのシグナル交錯へ

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

マクロ経済と金融市場

13日の米NY株式市場は、ダウ平均株価は前日比65.1ドル(0.17%)安の38,647ドル、ナスダック指数は59.1ポイント(0.34%)高の17,667ポイントで取引を終えた。

米国株の暗号資産(仮想通貨)関連銘柄では、コインベースが前日比2.8%安の247.6ドル、マイクロストラテジーが7.4%安の1483ドルと反落した。

CoinPostアプリ(ヒートマップ機能)

東京株式市場では、日経平均株価(前引け)は前日比11.4円安と横ばいに推移している。

仮想通貨市況

暗号資産(仮想通貨)市場では、ビットコイン(BTC)は前日比0.76%安の1BTC=66,856ドルに。

BTC/USD日足

上値を切り下げつつも辛うじて50日移動平均線の66,000ドルで踏み止まった。割り込んだ場合は64,500ドル付近のサポートライン(下値支持線)を試すことになりそうだ。

関連:マイクロストラテジー、ビットコイン買い増し目的で約800億円資金調達へ

ここ最近のビットコインなどリスク資産の値動きは、重要指標の影響を色濃く受けている。

12日夜(日本時間)に発表されたCPI(米消費者物価指数)は総合、コアCPIいずれも市場予想を下振れるなどインフレ鈍化を示し、FRB(米連邦準備制度)の利下げ観測が高まった。

しかし、その後の米連邦公開市場委員会(FOMC)では主要政策金利を据え置くことを決定。政策金利見通しでは、利下げ予想を年内3回から1〜2回に下方修正したことで、マーケットにネガティブな印象を与えた。

これに伴い、ビットコイン(BTC)など暗号資産(仮想通貨)相場が振り回されるように乱高下した格好といえる。

関連:ビットコインの買い方|投資メリットやリスク、おすすめ取引所は?

オンチェーンデータ分析

なお、Santimentのオンチェーンデータによれば、ビットコインの取引所の供給量は、2021年12月以来の最低水準となる約94.2万BTCまで減少した。

暗号資産(仮想通貨)取引所のビットコイン残高減少は、直ちに売却可能なビットコイン量が限られていることを意味する。また、ステーブルコインのテザーの取引所供給量は22年7月の最高値である170億USDTに迫る勢いを見せており、潜在的な買い需要は強気シグナルと見なされる。

一方、現物ETFが承認されながらも実際の取引開始まで時間を要しているイーサリアムの取引所供給量は2020年5月に次ぐ高水準の1800万ETHまで増加するなど対照的だ。

関連:米イーサリアム現物ETFの上場承認は「今夏中に」、ゲンスラー委員長発言

マイナーの売り観測も

CryptoQuantのリサーチマジェージャーのJulio Moreno氏によれば、大手マイナー(採掘業者)のデジタルウォレットから暗号資産取引所へのインフローは先週末2か月ぶりの高水準に達し、売りシグナルとなっている。

6月9日には、マイナーのウォレットから取引所へのBTC送金量は1時間あたりの3000BTCを超え、マイナーは翌日にかけてOTC取引で1200BTCを売却したとみられる。

BTCマイナーの日間収益は、ビットコイン半減期を経て今年3月のピーク時比較で55%減の3500万ドルまで下がっているという。

関連:仮想通貨取引所とマイナーのビットコイン保有量が今年18.3万BTC減少、クジラによる買い集め傾向も

先物ショートの行方は

ここのところ、ヘッジファンドによるCME(米シカゴ・マーカンタイル取引所)のビットコイン(BTC)先物契約のショートポジションが過去最高に達している点も、市場の関心を集めている。

米SEC(証券取引委員会)が今年1月にビットコイン現物ETF(上場投資信託)を承認して取引可能になって以来、投資家はビットコインを直接保有することなくビットコインへのエクスポージャーを得ることができるようになった一方、先物契約の価格プレミアムによってアービトラージ(裁定取引)の機会が生まれている。

このようなキャッシュ・アンド・キャリー戦略は、厳格に規制された証券市場のブローカーを通じて取引されるビットコインETFが利用できるようになったことで実行しやすくなったと見られる。

関連:ビットコイン続落、過去最大のCMEショートポジションについてBitMEX Researchらが見解

ただし、暗号資産(仮想通貨)調査会社のK33リサーチのシニアアナリストであるVetle Lunde氏は、ビットコインETFへの強いフローの主要な要因は「オーガニックな方向性の需要」が確かにあると評した。

先物プレミアムを利用したベーシス取引が主要因ではなく、投資家がビットコインを買いたいという純粋な需要が強い投資フローを引き起こしているということだ。

先物契約の年率プレミアムであるベーシスは、23年11月末から24年3月中旬にかけて約20%まで高騰しており、先物契約が現物価格に対して大きなプレミアムを持っていたことを示していたが、直近では6%前後まで縮小した。これは、市場のリスク回避姿勢が強まったことで先物市場のプレミアムがさらに縮小し、現物価格との乖離が少なくなったことを示している。

そうなれば、ベーシス取引の需要が減少し、先物売り圧力が緩和される一方で、現物買いの需要が維持または増加すればビットコインの市場価格に上昇圧力がかかりやすくなるだろう。

関連:ステーキングや積み立てサービスに優位性、仮想通貨取引所「SBI VCトレード」のメリットを解説

過去に掲載したマーケットレポート一覧はこちら

CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
10/22 水曜日
06:20
イーサリアム財団、95億円以上のETHを内部ウォレットへ移動
イーサリアム財団が6.3億ドル相当のETHを別のウォレットに移動したとアーカムが報告した。財団幹部は予定されていたウォレット移行の一環だと説明。
06:00
金価格、2020年以来の下落幅 ビットコインへ資金移動か
金の現物価格が火曜日に5.3%以上下落し4125ドルとなった。ビットワイズは金市場からわずか3%から4%の資金移動でビットコインが2倍になる可能性があると分析。
05:30
米FRB、仮想通貨企業向けに簡易版マスターアカウント構想を発表
米FRBのクリストファー・ウォーラー理事が仮想通貨関連金融機関向けに簡易版マスターアカウントを発行する構想を発表した。FRB決済システムへの直接アクセスを可能にする新たな取り組みとなる。
10/21 火曜日
17:30
日銀副総裁、ステーブルコインが国際決済の中核担う可能性を指摘
日銀の氷見野副総裁は21日、ステーブルコインが国際決済システムの主要プレーヤーとして浮上する可能性があると指摘。世界の資産の半分がノンバンク保有で規制の枠組みが追いつかない現状に警鐘を鳴らした。
17:06
ヴィタリック、ゼロ知識証明を10倍高速化する新技術「GKRプロトコル」を解説
イーサリアム共同創設者ヴィタリック・ブテリン氏が、ZK証明を高速化する新技術「GKRプロトコル」を解説した。従来のSTARKと比較して約10分の1のコストで検証が可能になるという。長期目標「Lean Ethereum」の実現に向けた重要技術として注目される。
15:35
SBI系ビットポイント、法人のイーサリアム活用支援を強化 
SBIグループのビットポイントジャパンは、株式会社Def consultingとの提携により、イーサリアムを活用した法人向けの資産運用支援を強化。最新の戦略で企業価値向上を目指す。
14:08
片山さつき氏、財務大臣に起用 暗号資産規制整備にも期待
片山さつき氏が新財務相に就任。1988年に財務省入省後、金融政策や暗号資産規制、税制改革に関与してきた実績が注目されている。
13:30
X、ユーザーネーム市場を開設し最高100万ドルで販売開始
Xがプレミアム会員向けにユーザーネーム市場を開設し、非アクティブなユーザーネームを最高100万ドルで販売すると報じられた。無料の「プライオリティ」と有料の「レア」の2種類を提供する。
13:17
株価大幅下落のソラナ・カンパニー、私募株ロックアップ解除を予定通り実施へ
パンテラ・キャピタルが支援するソラナ・カンパニーは、株価下落する中、私募株のロックアップ解除を予定通り実施すると発表。「絆創膏を一気に剥がす」アプローチで、市場の圧力に対処する方針を示した。
12:50
ナスダック上場グリーンレーン、165億円調達でベラチェーン(BERA)戦略を開始
米グリーンレーン・ホールディングスが1.1億ドルの私募増資を実施し、仮想通貨BERAの保有戦略を開始すると発表した。ポリチェーン・キャピタル主導で上場企業として最大規模のベラ保有者を目指す。
11:40
アマゾンAWSの大規模障害、コインベースやロビンフッドにも影響
アマゾンAWSの障害で仮想通貨取引所コインベースや取引アプリのロビンフッドに一時不具合が発生した。集中型クラウドへの依存リスクが改めて浮き彫りになった。
11:25
パンプファン、ミームコインローンチ市場を再び支配 日次1.5億円収益維持=報道
ミームコインローンチパッドのパンプファンが市場シェア95%を獲得し独占状態に。市場低迷下でも日次1.5億円の収益を維持。圧倒的な卒業数と強固な回復力を示す。
11:03
ユーザー数5500万人突破、Web3ソーシャルインフラ「UXLINK」のCEOが描くマスアダプションへの道
UXLINK CEOローランド・サフォー・ンタゲ氏の独占インタビュー。Telegram基盤で5500万ユーザーを抱えるWeb3ソーシャルインフラの戦略と日本市場への期待を聞いた。
10:40
カナダの州政府、AI電力制限と仮想通貨マイニング恒久禁止を提案
カナダのブリティッシュコロンビア州が人工知能データセンター向けの電力供給を制限し、新規の仮想通貨マイニングプロジェクトを恒久的に禁止する法案を提出したと報じられた。
10:00
BTC採掘企業ビットディアの株価目標上方修正、ベンチマークがAI事業を評価
ベンチマークが仮想通貨ビットコイン採掘企業ビットディアの目標株価を大幅に引き上げた。AI事業の社内化により収益創出が加速すると予測している。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧