「暗号資産を再定義する必要」
自民党ブロックチェーン推進議員連盟の木原誠二会長と、自民党web3プロジェクトチームの平将明座長は18日、YouTube番組でビットコインなど暗号資産(仮想通貨)の再定義の必要性を話した。
木原誠二ブロックチェーン議連会長、平将明自民党web3プロジェクトチーム座長、日本における暗号資産の再定義の必要性を語る
— 平将明(たいらまさあき/Taira Masaaki) (@TAIRAMASAAKI) June 20, 2024
42:40から#web3 https://t.co/g30kVHjtVe
木原氏は、日本で仮想通貨はある種の「通貨」「貨幣」代替物として法的に定義されているが、現状は法律上「暗号資産」と呼ばれているように投資商品の「資産」と見られていると指摘した。
また、マーケットが大きくなり、金融商品として投資されている現在、貨幣代替物として法的にスタートした矛盾が残っており、再定義の必要があると続けている。
平氏も、仮想通貨は、ゴールド(金)のような役割を持っているため銀行や証券会社など金融機関が普通に扱えるように再定義する必要があるとして賛同した。
現状は、仮想通貨取引所と、一般の証券会社と法律が別個になっていて税制もそれに沿っていると指摘している。
自民党デジタル社会推進本部は4月、「web3ホワイトペーパー2024」を発表。仮想通貨の税制改正についてただちに対処すべき論点の一つとして、損益を申告分離課税の対象とすることなどを挙げていたところだ。
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税制については日本ブロックチェーン協会(JBA)代表理事の加納 裕三氏も今月17日、申告分離課税・損失の繰越控除の導入などを今年度の重要テーマとして取り上げていきたいと話している。
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Web3とは
現状の中央集権体制のウェブをWeb2と定義し、ブロックチェーン等を用いて非中央集権型のネットワークを実現する試みを指す。代表的な特徴は、仮想通貨ウォレットを利用したdAppsへのアクセスなど、ブロックチェーンをはじめとする分散型ネットワークのユースケースがある。
▶️仮想通貨用語集
JCBIはNFT流通の国際標準を提案
日本におけるブロックチェーン関連の動きとしては、コンテンツ産業に関わる民間企業によるブロックチェーン業界団体「一般社団法人ジャパン・コンテンツ・ブロックチェーン・イニシアティブ(JCBI)」が20日、自民党Web3PTに出席し、「ブロックチェーンを活用したコンテンツ流通拡大の取り組み」について発表した。
特に、NFT(非代替性トークン)流通にあたって権利関係が不透明であるため、消費者の不安材料になっていると共に、NFTを発行する権利者や事業者のリスクにもなっていると指摘している。
この問題を解決するためには、二次流通や二次利用についてのライセンス情報など、ブロックチェーン上に記録する項目や記載方法の国際標準が有益であり、日本が主導してこの規格を作るべきだと提案した。
JCBIは、講談社や集英社、朝日新聞、電通、博報堂、JR、NECなどをはじめとする様々な業界の64社が加盟しており、NFT市場の適切な発展やブロックチェーンを活用したコンテンツの流通拡大に取り組んでいる。
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