正式に上訴
米証券取引委員会(SEC)は10月17日、「民事上訴前議論陳述書」(フォームC)を提出し、ニューヨーク南部地区連邦地方裁判所の以前の判決に誤りがなかったか審査を求めた。これによって、リップル社との法的争いにおいて新たな段階に入った。
SECは、リップル社のプログラム的暗号資産(仮想通貨)のXRP 販売や、ブラッド・ガーリングハウスCEOとクリス・ラーセン共同創業者の個人的なXRP販売などについて、地裁の判断を再検討するよう要請。新規審理を求め、法律の適用に関する問題点を改めて精査するよう求めている。
これに対しリップル社のスチュアート・アルデロティ最高法務責任者は、「XRPは証券ではない」という地裁判断は上訴されておらず、その決定は「法律として確立している」と強調。リップル社も来週中にフォームCを提出する予定だと述べた。
SECは10月2日に上訴手続きを開始し、最高裁の判例を引用。一方リップル社も交差上訴の通知を提出し、「投資契約」の定義に関する争う点が残されていないことを明確にするために対応した。
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この法的争いは2020年12月に始まり、SECはリップル社がXRP販売で13億ドルを調達したことを問題視。2023年7月、アナリサ・トーレス判事は一部のXRP販売は証券法違反に当たらないと判断したが、機関投資家向け直接販売は証券に該当すると裁定。今年8月にはリップル社に1億2500万ドルの罰金支払いを命じた。
SECは昨年、中間上訴も試みたが却下された。トーレス判事は、上訴が「訴訟の最終的な終結を実質的に進展させる」とは言えないと判断されていた。
今回の展開により、リップル社とSECの法廷闘争は新たな局面を迎えることになる。
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