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ビットコインマイニングで生産コスト高騰が深刻化=CoinSharesレポート

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

生産コスト上昇の背景

暗号資産(仮想通貨)投資企業CoinSharesは最新のレポートで、 ビットコイン(BTC)のマイニング業界は今年、収益とハッシュ価格の下落により大きな課題に直面する一方で、将来の価格上昇への期待から、さらなる拡大のため新たなインフラ投資を行っていると指摘した。

そのため、マイニングの難易度は史上最高レベルに達し、生産コストの高騰が深刻化。第2四半期(Q2)のデータに基づいた上場マイニング企業の1BTCあたりの平均コストは、Q1から5%上昇した49,500ドル(約753万円)と推定されている。

しかし、上記は現金コストのみであり、減価償却や株式ベースの報酬など現金以外のコストを含めると、上場マイニング企業の1BTCあたりの平均コストは、96,100ドル(約1,460万円)に達すると見られる。

さらに、マイニング業界にとっての運用上の課題の一つとして、2021年11月の暗号資産(仮想通貨)取引所FTXの崩壊に端を発した信用危機と金利の上昇による信用へのアクセス制限や不利な条件での借入などがある。

マイニング企業にとっての資金調達の選択肢は限られており、多くの企業が株式発行を通じて資金を調達したことから、投資家にとっては所有権の希薄化に繋がった。

関連:ビットコインのマイニング収益、3ヶ月連続で低下=JPモルガン

マイニングとBTC直接投資の比較

CoinSharesは、独自のモデルを用いてマイニング事業の収益性を評価。ビットコインへの直接投資と比較している。

現在、コンテナストレージを使用した1MWのプロジェクトでは、約74万ドル(1億1,230万円)の費用がかかるという。

レポートでは、ビットコインの価格とハッシュレートが上昇し続けると想定したモデルを設定。ビットコインが2026年末までに13万ドル(約1,970万円)に達し、電気料金が現在の業界平均の1kWhあたり 4.5セント(約6.8円)から変わらないと仮定すると、運用開始から27か月以内に投資資本の全額回収が見込まれると算出した。

しかし、現在の状況において、今後4年間を見通すと、ビットコインに直接投資する方が、マイニングよりも高いリターンが得られる可能性が示唆されるとCoinsharesは結論づけている。レポートによると1BTCあたりのリターンは234%であるのに対し、マイニング事業では62%にとどまっている。

ハッシュレートが現在の傾向を維持した場合、マイニング収益がビットコインへの直接投資に匹敵するためには、今後4年間で手数料からの収入が、1日の総発行額の70%まで上昇する必要があると、CoinSharesは指摘した。

コスト削減の努力

Coinsharesは、現在、ビットコイン業界は岐路に立っているとして指摘。ますます競争が激化するマイニング市場で生き残り、収益性を確保するには効率とコスト管理が重要になると主張した。

それぞれのマイニング企業で、安価な電力へのアクセス、運用効率、資本管理のレベルが異なっていることから、ビットコインの生産コストには企業間で大きなばらつきがある。

Coinsharesは、ビットコインの生産コスト、ハッシュコスト、資本効率などを総合して、主要マイニング企業の1BTCあたりのコストを分析した。

企業のコスト削減努力として以下の例が挙げられている。

  • Riot: 電力削減戦略=電力削減クレジットの獲得
  • CleansparkおよびBitfarms:構築済みのインフラ取得=費用対効果の上昇
  • Core Scientific:AIインフラへの注力と同時に、高出力密度を設定
  • TeraWulf:固定料金設定の電力契約
  • Cormint:革新的な電力管理戦略

電力消費から見たマイニングコストの面では、TeraWulfが1BTCあたり14,400ドル(約218万円)で最も低コストの生産者であり、非上場企業のCormintが14,900ドル(約226万円)で続いた。

経営の多角化

生産コストの上昇とビットコイン価格のボラティリティなど、マイニング事業は先を読むことが大変難しいことから、多くの企業が経営の多角化を図っている。

Core Scientificは、AIデータセンターサービス事業を大幅に拡大することで生き残りを図る。同社はGPUクラウドプロバイダーのCoreWeaveと12年にわたる契約を締結。この契約はCoreWeaveの高性能コンピューティング(HPC)運用のために、200メガワット相当のインフラを貸し出すものだ。

関連:米マイニング企業Core Scientific、AIデータセンター事業拡大で評価額4兆円を目指す

米マイニング企業Hut 8は、マイニング機器製造最大手ビットメイン社と提携して開発した次世代ASICマシンの発売を発表。データセンター設備の独自設計も同時に開発することで、大規模なハッシュレートの増加を図る。

関連:米マイニング企業Hut8とBitmainが提携強化、次世代ASICマシン販売へ

一方、マイニング企業Cathedra Bitcoinは9月、マイニング事業を離れ、データセンターの開発・運営へと軸足を移すとともに、ビットコインを購入する財務戦略を実施すると発表した。

関連:Cathedra Bitcoin、マイニング事業から軸足移す データセンターとビットコイン購入戦略に転換へ

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