ビットコイン蓄積を継続
暗号資産(仮想通貨)ビットコイン(BTC)を戦略的に購入し続けている国内上場企業のメタプラネットは18日、同日開催の取締役会で、ビットコイントレジャリー事業の開始を決議したと発表した。
これまで財務管理戦略の一環としてビットコインを購入・蓄積してきたが、この取り組みを一歩前進させると説明。融資、株式、転換社債などあらゆる金融手法を用いた効率的なビットコインの購入・蓄積を行うことを事業として確立・明確化したと述べている。
正式にビットコイントレジャリー企業となりました
— Simon Gerovich (@gerovich) December 18, 2024
We are officially a Bitcoin Treasury Company https://t.co/XyQdYh0VK8
ビットコインの購入・蓄積を明確に事業化してビジネスの中核にすると説明しているが、事業概要はこれまで発表されている内容と同様。今回の発表では、ビットコイントレジャリー事業の概要は以下の3つだとしている。
- ビットコインの購入・蓄積
- プットオプション売取引
- ビットコインマガジン
1つ目の購入・蓄積については、今後も「BTCイールド」を主要経営指標として活用していくと説明。BTCイールドとは、メタプラネットのビットコイン保有総額と完全希薄化発行済普通株式数の比率が、比較対象期からどのように増減したかを表す変化率を指す。
例えば、BTCイールドがプラスで推移する場合、希薄化以上に1株当たりのビットコイン枚数が増えることになる。これからも同社は、BTCイールドが高くなるような資金調達の手法として、融資、株式、転換社債などあらゆる選択肢を検討し、積極的にビットコインの購入・蓄積を進めていくとした。
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2つ目のプットオプション売取引とは、ビットコインのプットオプションの売取引を今後も行なっていくということ。この取引でビットコイン価格の変動性を活用してプレミアム収入を生み出し、主要な収益源に育てていくとしている。
プットオプションとは
特定の商品を将来のある期日までに、その時の市場価格に関係なくあらかじめ決められた特定の価格で売る権利のこと。あらかじめ決められた価格のことを「権利行使価格」と呼ぶ。
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3つ目のビットコインマガジンは、11月に発表した「Bitcoin Magazine Japan」の独占運営権取得に関するもの。メタプラネットはこの業務について「世界をリードするビットコインメディアブランドを日本に導入する原動力となり、ビットコインの採用と教育においてグローバルリーダーとなるという当社のコミットメントを展開していく」と述べている。
連結業績予想
メタプラネットは18日、2024年12月期の連結業績予想も発表した。最近の業績動向を踏まえて、連結業績予想を開示することも取締役会で決めたと述べている。
注目すべき点は、2017年12月期以来の連結営業利益が計上できる見込みとなったこと。2024年12月期にホテル事業で客室の稼働率と単価の両方が上昇し、売上と利益が共に好調に推移したため、売上高370百万円、営業利益135百万円を計上できる見込みとなったとした。
また、これにはビットコインのプットオプションの売取引も貢献していると説明。ビットコインの価格上昇に伴い期間収益が520百万円となる見込みであることから、販管費の385百万円を差し引いても、好調だったホテル事業と合わせて、連結営業利益が計上できる見込みとなったと述べている。
なお、18日時点で1,142.287BTCを保有するビットコインについては、12月31日時点の価格を予想することが難しいため、経常利益と当期純利益の予想を開示しないと説明。18日時点のビットコインの評価損益については、約74億4,600万円だとした。
18日9時5分までにXで上記2つの発表を行ったメタプラネットの同日の株価は、取引開始後9時台に一時4,065円まで上昇するも、終値は3,520円だった。
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