はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習-運用 WebX
CoinPostで今最も読まれています

「競合チェーンとの激しい競争に直面」JPモルガンがイーサリアム価格が奮わない理由を分析

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

停滞するパフォーマンス

米金融大手JPモルガンのアナリストは、新たな調査レポートで、イーサリアムブロックチェーンはライバルとの「激しい競争」に直面し、ここ数ヶ月のパフォーマンスは他の暗号資産(仮想通貨)を下回っていると指摘した。

トランプ政権の誕生にあたり、ビットコインやソラナが史上最高値を更新した一方で、イーサリアムの価格は2021年に達成した最高値に及ばず、過去1年間の騰落率では他の主要銘柄に後塵を拝していた。

アナリストによると、競合チェーンからの圧力の高まりは、仮想通貨の時価総額に占めるイーサリアムのシェアが4年ぶりの低水準に落ち込んでいることから読み取れるという。

イーサリアムのパフォーマンスが停滞している主な要因として、アナリストは以下の二つを指摘した。

  • 「説得力のある物語」の欠如
  • 他のブロックチェーンとの競争激化

仮想通貨の代表格であるビットコインが「価値の保存手段やデジタルゴールドとしての認識から恩恵を受けている」一方で、イーサリアムにはそのような市場価値を裏付けるストーリーが欠けているとアナリスト。

また、手数料が安く、スケーラビリティに優れるソラナやレイヤー2(L2)ネットワークなど、他のブロックチェーンとの競争が激化。Dencunアップグレードにより手数料の削減やスケーラビリティの向上を図るも、活動はイーサリアムのメインネットワークからL2へ移行しており、イーサリアムの成長に悪影響を及ぼしていると、レポートは指摘した。

レイヤー2(L2)とは

「2層目」のブロックチェーンのこと。全ての取引履歴をメインチェーンに書き込むと負荷が大きくなり、処理速度の低下やネットワーク手数料の高騰につながる。そこで、取引の計算処理をオフチェーンで処理し、状態を示す証明情報をメインチェーンに記録することで低コスト、低レイテンシ、高スループットを実現する。

▶️仮想通貨用語集

関連:アークインベスト、ソラナが開発者数・処理性能で存在感 イーサリアムを上回る

Uniswapが独自L2へ移行

アナリストは、イーサリアム上に構築された分散型アプリ(dApps)が、パフォーマンス向上のために固有のチェーンに移行する例として、Uniswap、dYdX、Hyperliquidなどの分散型取引所(DEX)を挙げた。

中でもUniswapは、イーサリアムにおける「最大のガス消費プロトコル」であり、今後UniswapがUnichainへ移行することよって、ネットワークの手数料収益やバリデータの収益に大きな損失をもたらす可能性があると、JPモルガンは指摘した。

Unichainは分散型金融(DeFi)向けに設計された新たなL2で、トランザクション手数料はイーサリアムのメインネットの5%程度で長期的にはさらに削減される予定。また、ブロック生成は1秒で行われ、最終的には250ミリ秒未満に短縮される予定だという。

また、他のチェーンとの相互運用性を重視しており、ユーザーはシームレスにクロスチェーンのスワッピングが可能となる。

エコシステムの優位性

イーサリアムと他のネットワークとの競争は、当面の間、引き続き激しいものとなる可能性が高いと主張する一方で、同エコシステムはステーブルコインやDeFi、トークン化の分野において、依然として優位に立っているとレポートは指摘した。

イーサリアムのパフォーマンスが低迷する中、1月22日、イーサリアムネットワークと機関投資家を繋げることを目指す新たなプロジェクト「Etherealize」がローンチした。

Etherealizeは、イーサリアム共同創設者のヴィタリック・ブテレン氏とイーサリアム財団の支援を受けているプロジェクトで、元ウォール街の銀行家であるヴィヴェック・ラマン氏が、4年間の準備期間を経て設立。従来の金融とイーサリアムのギャップを埋め、ETHを本格的な資産クラスとして位置付けることを目標とする。

Etherealizeは、「さまざまなアプリやL2のパイプ役」としての役割を担い、イーサリアムのマーケティングとサポートを行う。機関投資家向けに、分散型アプリ (dApps) やトークン化サービスなどを提供することで、金融機関によるイーサリアムの採用を促す架け橋となることを目指している。

ラマン氏は、L2は顧客確認機能やプライバシーのレベルがカスタマイズ可能であり、また、資産を運用して最も利益を得られる場所として、ウォール街がL2をチャンスとみなしているとの考えを示した。

関連:スイス大手銀UBS、イーサリアムL2「ZKsync」でゴールド投資商品の実証実験に成功

CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
08/19 火曜日
14:05
仮想通貨モネロへ攻撃を仕掛けたQubic 、次のターゲットは?
AIブロックチェーンプロジェクトQubicがモネロ(XMR)への51%攻撃に成功したと発表した。次なる動きとして、コミュニティ投票でドージコインを次のターゲットに選定した。注目を集めたQubicの動機を背景について詳しく解説する。
13:50
著名投資家パリハピティヤ、370億円の新SPAC設立でDeFiやAI投資へ
「SPAC王」と呼ばれたチャマス・パリハピティヤ氏が、分散型金融(DeFi)やAI分野に特化した新たなSPACを設立。370億円調達を目指す。
13:00
「宇宙から届ける分散型インターネット」Spacecoin創業者が語る、衛星通信で実現するWeb3|WebXスポンサーインタビュー
大規模カンファレンス「WebX 2025」のタイトルスポンサーとしてブース出展を決めた、Spacecoin創業者Tae Oh氏独占インタビュー。衛星通信で実現する分散型インターネットとWebX 2025出展について話を伺った。
11:45
2025年末のビットコイン価格予想18万ドル維持、ヴァンエック最新市場レポート
ヴァンエックが最新市場分析で2025年末ビットコイン価格予想18万ドルを維持している。先物需要の回復や、ビットコイントレジャリー企業の動向についても言及した。
11:25
仏上場キャピタルB、アダム・バックから約3.8億円調達でビットコイン戦略加速
欧州初のビットコイントレジャリー企業キャピタルBが、暗号学者アダム・バック氏から220万ユーロの資金調達を実施。追加17BTC取得でビットコイン保有量拡大へ。
10:25
イーサジラ、イーサリアム財務戦略を正式開始
米ナスダック上場企業イーサジラは、企業の新ブランドを正式にローンチし、仮想通貨イーサリアムの財務戦略を遂行すると発表。発表時点で620億円相当のイーサリアムを保有している。
09:45
ストラテジー社、株式発行の基準を緩和 ビットコイン買い増しは76億円相当
米ストラテジー社が仮想通貨ビットコインを430枚追加購入し、保有量は62.9万BTCに達した。株式発行の自主基準も緩和しており、資金調達の柔軟性を向上させている。
08:30
中国大手銀招商銀行傘下のCMB、香港で仮想通貨取引サービス開始
招商銀行傘下の招銀国際証券が18日、香港で仮想通貨取引サービスを正式開始。ビットコイン、イーサリアム、テザーの24時間取引を提供。中国系銀行系証券会社として初の仮想通貨取引ライセンス取得企業となった。
07:10
国民民主党の玉木代表、ステーブルコインの支援を表明
国民民主党の玉木代表は、日本円ステーブルコインJPYCが発行のための登録を取得したことなどを受け、ステーブルコインの取り組みが促進されるように政策面でサポートしていくと表明した。
06:50
米財務省、ジーニアス法に基づく不正活動対策でパブリックコメント募集開始
米財務省が18日、ステーブルコイン規制のジーニアス法に基づき仮想通貨の不正活動検出手法についてパブリックコメントを募集。AI、ブロックチェーン技術、デジタル身元確認などの革新的手法に関する意見を10月17日まで受付。
06:10
米SEC、複数の仮想通貨ETFの承認判断を延期
米証券取引委員会が、トランプメディア運営のトゥルースソーシャルが申請したビットコイン・イーサリアムETFの承認判断を再延期。コインシェアーズのライトコインETFやXRP ETFも同時に延期決定。
05:50
ビットマイン、ストラテジーに次ぐ最大の仮想通貨保有企業に
ナスダック上場のビットマインが66億ドル相当のイーサリアム保有を発表し、マイケル・セイラー氏のストラテジーに次ぐ世界第2位のデジタル資産保有(DAT)企業となった。
05:30
米上場BTCS、世界初のイーサリアム配当を発表
ナスダック上場のブロックチェーン企業BTCSが18日、世界初のイーサリアム配当「ビビデンド(Bividend,)」を発表。1株当たり0.05ドルのETH配当と0.35ドルのロイヤルティ支払いで計0.4ドル相当を株主に提供。
08/18 月曜日
17:00
Tezos ecosystem at WebX 2025:RWA最新動向から日本限定グッズ、体験型コンテンツまで一挙公開
テゾス(Tezos)は、ハードフォークなしでアップグレードできる独自の仕組みを持つブロックチェーンプラットフォームです。2014年にArthur Breitman氏とKathl…
15:50
NewLo、リワードプログラム上のポイントを暗号資産に交換できる新機能をリリース
Web3マーケティング企業のNewLoは8月18日、「NewLo Quest」でポイントを暗号資産ETHに交換できる機能を開始。企業向けサービスも展開し、既存ポイントプログラムのブロックチェーン拡張を支援。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧