はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習 WebX
CoinPostで今最も読まれています

米eコマース大手Overstock:ブロックチェーン投資事業をコアビジネスと計画|今後の展望も

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

Overstock:ブロックチェーン投資事業のコアビジネス化を計画
14年に初めてビットコイン(BTC)を決済手段として導入した大手小売企業Overstockは、ブロックチェーンビジネスに注力することを表明した。

Overstock:ブロックチェーンチェーン投資事業のコアビジネス化を計画

14年に初めてビットコイン(BTC)を決済手段として導入した大手小売企業「Overstock.com(以下、Overstock)」が所有するブロックチェーン技術投資会社の「Medici Ventures」のJonathan Johnson社長と最高執行責任者Steven Hopkins氏は、投資先19社に関する「2019年の目標」を説明した。

発言要旨は、以下の通りだ。

  • Overstockの創設者Patrick Byrne氏は、これまでの主要ビジネスである小売店舗サイトを2月までに売却し、Mediciのブロックチェーン投資事業をコアビジネスとすることを計画している
  • 経営陣は、ブロックチェーンを長期的な投資先として見る一方、中期的な成果も狙っており、投資先企業にはアイデア段階から商品の生産段階へ飛躍することを期待している。また、商品が実用化することが人々の技術の理解度を深め、局面を変えることに繋がると考えている

収益の早期改善

Johnson氏は、投資の成功事例として、ブロックチェーン基盤の選挙アプリ「Voatz」を挙げている。

初期段階は、米ウェストバージニア州で13人の小規模試験から始まり、その後30郡144名の有権者や在外選挙人を対象とした規模に発展させたものになる。

「Voatz」は、ジャーナリストやサイバーセキュリティアナリストから批判も浴びたが、それを差し置いても、ブロックチェーンはどんなに信頼性の高い選挙管理組織でもなし得ない、誰でも自分の投票がちゃんとカウントされているかどうかを確認することができる「透明性の高さ」を実証している。

このアプリにより選挙システムへの信頼回復につながり、すでに試験施行した在外選挙に加え、今後は身体障害者や不在投票者に対して試験施行されると考えられる。

長期的な視野での事業投資

MediciがOverstockの収益を牽引したにも関わらず、最初の9か月で3900万ドルの損失を計上し、最終的に1億7000万ドルの損失を出すに至った。

しかし、Oversotckの経営陣は、「何が四半期のベストを求めているわけではなく、何が長期的な価値を生み出すのか」の考えに基づいており、ブロックチェーンビジネスに注力することを決断している。

また、2019年のもう一つの優先事項として、tZEROの実用開始がある。

これはByrne氏が強く勧める”セキュリティトークン”を使った取引で、ウォールストリートの非効率性と透明性の欠如の問題点を解決するためのものである。技術的には、取引は2年間行われ続け、Overstockの優先株が取引トークンとなった。

しかし2016年12月半ばから2018年3月の間では、10回の取引しか行われていない状況であった。2019年には本格的に取引が開始され、トークンは基準に合格した投資家1000人に売られ、1億3400万ドル(約150億円)の収益を得ている。

未だ開発途上の規制制度がサービスの有効利用に対して障害になる一方で、Mediciが投資するスタートアップ企業は政府と直接作業を行うことが、それらの障害を乗り越えていく重要なステップになるだろうと言及している。

政府の規制よりも業界全体のコンセンサス

政府との直接作業はMediciが投資するスタートアップ企業がアメリカの国外で行っていることであり、それはバルバドス拠点でフィンテックスタートアップ企業のBittが、同中央銀行に対してデジタル貨幣を発行するように交渉していることや、Mediciがザンビア政府とデジタル土地登記に関して動いているなどの事例が挙げられる。

これらの動きは、過剰な規制から、おそらく明瞭な規制→そして緩い規制の管轄へ、さらには非中央集権へと向かう手がかりになるだろう。

アメリカ政府がこの国で現在最大の媒介者となる必要は全くなく、Mediciのリーダーシップにより、規制環境が徐々に変化していくことになることも予想される。

Johnson氏は、「旅行代理店とインターネットの状況を見ると分かることだが、一夜で旅行代理店の存在を取り除くことはできない。しかし、明らかに私達にとって段々と必要なくなり始めている。我々は規制はおそらく必要ないと考えており、人々が同意するように働きかけていきたい。」と述べた。

CoinPostのLINE@

スマートフォンへの「プッシュ通知」で、相場に影響を及ぼす重要ニュースをいち早く知らせてくれる「LINE@」の登録はこちら。大好評につき、登録者8,000名突破。

CoinPostの関連記事

米大手EコマースOverstock社が「仮想通貨・ブロックチェーン事業」への本格参入を表明
同社は現在の収益の中心である小売事業を近いうちに売却し、仮想通貨やブロックチェーン技術に注力する意向であると公表。同社のプレスリリースに合わせて市場は大きく反応し、株価は23日に前日比26%の上昇を見せている。
米仮想通貨企業OverstockのCEOが20億円相当の株を売却:ビットコイン価格と株価の相関関係は直近で85.5%
米大手ECサイトOverstockのCEOが2000万ドルに及ぶ価値の株を売却し、不安を抱いていた株主に対して、心配する必要はなく、OverstockやMedici Venturesへの投資を計画している旨を伝えた。
CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
12/11 木曜日
07:40
ビットコインの買い増しなどを計画 米Strive、最大約780億円を調達へ
米Striveは、最大約780億円相当の株式を発行・販売する契約を締結。調達資金は仮想通貨ビットコインの買い増しやビットコイン関連商品への投資などに使用すると説明した。
12/10 水曜日
18:00
JPYC株式会社、次世代金融カンファレンスMoneyX 2026の企画・運営として参画決定
JPYC株式会社が、2026年2月27日に東京都内で開催される次世代金融カンファレンス「MoneyX」に共催企業として参画。ステーブルコインやデジタル証券など「通貨の進化と社会実装」をテーマに、産官学のリーダーが議論を行う。
17:48
仮想通貨のインサイダー規制導入、市場成熟へ IEO投資上限も提案|金融審議会
2025年12月10日公表の最新の金融審議会報告書で暗号資産(仮想通貨)が金商法の規制対象になることが明記された。IEO投資上限のほか、コード監査義務化、インサイダー取引規制など投資家保護を抜本強化する。交換業者への影響と今後の展望を詳解
17:11
シルクロード関連ウォレット、10年ぶりに突如活動 4.7億円相当ビットコインを送金
10年以上休眠していたシルクロード関連の仮想通貨ウォレット約312個が突如活動を再開し、約4.7億円相当のビットコインを送金。今年は5月にも大規模な移動が確認されている。米政府は押収資産を戦略準備金として保有する方針を示すも、売却疑惑も浮上。
14:59
SEC委員長、2026年に仮想通貨規制の大幅進展を予告 トークン分類制度など導入加速
SEC委員長が2026年の仮想通貨規制大幅進展を予告。トークン分類制度で3カテゴリーを非証券化、1月にイノベーション免除導入へ。前政権の法執行重視から明確なルール制定へ転換。
14:10
著名投資家レイ・ダリオ「中東は資本家のシリコンバレー」:国家によるAI・デジタル資産戦略を絶賛
著名投資家レイ・ダリオ氏がAIのハブとして急速に成長する中東を高く評価し、「資本家のためのシリコンバレーになりつつある」と述べた。一方、マイケル・セイラー氏は中東がビットコイン担保型デジタル銀行システムによって「21世紀のスイス」になる可能性を指摘した。
11:05
「ビットコイン・アフターダークETF」申請 夜間取引時間の高パフォーマンスに着目
ニコラス・ウェルスが米国夜間取引時間のみ仮想通貨ビットコインを保有する新たなETFを申請した。夜間の高リターン傾向に注目したものだ。ヘッジ型ETFも同時申請した。
09:50
プライバシー重視のステーブルコイン「USDCx」、Aleoのテストネットでローンチ
仮想通貨のステーブルコインUSDCを発行するサークルは、プライバシー機能を持つL1ブロックチェーンAleoのテストネットでUSDCxがローンチされたことを発表。ユースケースなどを説明した。
09:48
仮想通貨市場は政策待ち姿勢 ビットコインとイーサリアムに資金集中=Wintermute分析
Wintermuteの最新市場分析によると、仮想通貨市場は米FRBや日銀の政策決定を前に様子見姿勢を強めている。資金はビットコインとイーサリアムに集中し、レバレッジ水平は低位。先週金曜の急落後も市場は底堅さを保ち、質への選別が進む。レンジ相場継続の見通し。
09:05
プライバシー重視ブロックチェーン「Octra」、30億円規模のICO実施へ
完全準同型暗号技術を採用する仮想通貨プロジェクト「Octra」が2000万ドル規模のトークンセールを実施する。これまでも分散化重視で資金調達を行ってきた。
08:40
コインチェック、NACの新規取扱いを検討 NOT A HOTELとRWA領域で協業強化へ
コインチェックがNOT A HOTEL DAOの暗号資産NACの取扱い検討とRWA領域の協業強化を発表。NACの活用や共同サービスの開発方針について解説します。
08:20
「仮想通貨市場は次の10年間で最大20倍成長する可能性」Bitwise幹部
Bitwiseの最高投資責任者は、仮想通貨市場は次の10年間で10倍から20倍まで容易に成長する可能性があるとの見方を示した。ビットコインなどを例に挙げ、根拠を説明している。
06:00
仮想通貨トランプ(TRUMP)は「どこで買える?」買い方を初心者向けに解説
ソラナで発行されたトランプ大統領公式ミームコイン『TRUMP』について初心者向けに詳しく解説。Phantomウォレットやソラナ系DEXでの買い方、投資リスク、今後の見通しまで説明しています。
12/09 火曜日
17:40
リミックスポイント、エネルギー事業の中期経営計画を発表 3年で営業利益3.7倍目指す
リミックスポイントが2027-2029年度の中期経営計画を発表。エネルギー・蓄電事業で売上高692億円、営業利益91億円を目指す。日本蓄電池と提携し系統用蓄電所7カ所を共同運営。同社は242億円超の仮想通貨も保有し、多角的な事業展開を推進。
15:52
補正予算の国会質疑で仮想通貨税制が議題に 国民民主党が質問、高市首相は「与党税調で検討中」と答弁
補正予算の国会質疑で暗号資産(仮想通貨)税制が議題に。国民民主党は雑所得として最高税率55%が適用される現行制度を見直し、分離課税化を要求。高市首相は税制改正大綱に基づき与党税調で検討を進めていると答弁した。
通貨データ
グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧