
IPOに向けて
米国の大手ステーブルコイン発行会社サークル・インターネット・ファイナンシャル(Circle Internet Financial)が今年予定している新規株式公開(IPO)に向け、JPモルガン・チェースとシティの米国2大投資銀行を起用したことが明らかになった。フォーチュン誌が3月31日に関係者2名の情報として報じた。
4月2日更新:サークルは米時間1日に、米国証券取引委員会(SEC)に新規株式公開(IPO)の目論見書(S-1)を提出したことが判明した。
報道によると、サークル社は4月下旬に株式上場申請書類を提出する予定だが、この計画は変更される可能性がある。IPO申請から4週間後に株式が取引開始される可能性もあるが、登録状況によってはさらに長期化する見通しだ。
サークル社はこれまでにも2021年にSPAC(特別買収目的会社)との合併による上場を試み、2024年には米証券取引委員会(SEC)に非公開でS-1登録届出書のドラフトを提出するなど、過去2回の上場を試みてきた。
同社は昨年11月にSBIホールディングスと包括的業務提携に向けた基本合意書を締結しており、今年の3月26日にSBIホールディングス傘下の仮想通貨取引所SBI VCトレードはUSDCの日本円取引の提供を開始した。
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USDCの時価総額が600億ドル突破
同社が発行する米ドルステーブルコインUSDコイン(USDC)は先週、時価総額が過去最高の600億ドルを突破した。この節目は、仮想通貨エコシステムにおける信頼性の高い法定通貨裏付けのデジタルドルへの需要増加を示すものだ。
2024年3月にはUSDCの時価総額は300億ドルだったが、現在は602億ドルに達し、前年比で驚異的な100%増を記録した。これに対し、競合するテザー(USDT)の過去一年間の成長率は約38%にとどまっている。
一方、テザーは依然として1,440億ドル超の時価総額を持つ業界リーダーだ。しかしUSDCの着実な成長は、単一の支配的プレイヤーではなく、複数のステーブルコインが繁栄できる市場環境の変化を示唆している。
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