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トランプ大統領就任100日で米国仮想通貨政策が大転換、公約実現と新たな課題

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

有言実行の100日間

ドナルド・トランプ米大統領は就任から29日で100日の節目を迎えた。「アメリカを暗号資産(仮想通貨)の首都にする」という目標を掲げるトランプ氏は、選挙公約に基づき、この短期間に仮想通貨業界を支援する施策を次々と実行に移してきた。

トランプ大統領は就任直後から明確に仮想通貨業界への支持を打ち出した。就任翌日に、仮想通貨コミュニティの象徴的存在であったダークウェブ市場「シルクロード」の創設者ロス・ウルブリヒト氏を恩赦したことは、仮想通貨支持への強い意思表示となり、業界内外の関係者から喝采を浴びた。

1月23日には、デジタル資産に特化した作業部会を設立する大統領に署名。この大統領令には、中央銀行デジタル通貨(CBDC)の「設立、発行、流通、および使用」の禁止が含まれている。

同作業部会の責任者には、人工知能(AI)・仮想通貨担当のホワイトハウス顧問デビッド・サックス氏が任命され、ステーブルコインを含む連邦規制の枠組みの提案や、3月に大統領令で設立された戦略的ビットコイン(BTC)準備金とデジタル資産備蓄の監督を担うこととなった。

さらに、2022年のバイデン政権による仮想通貨関連の指令が撤回された。証券取引委員会(SEC)はゲンスラー前委員長下で実行された仮想通貨企業に対する複数の訴訟を取り下げ、調査も終了。また、商品先物取引委員会(CFTC)や財務省が市場の定義や執行に関する新たなガイドラインを発表した。

「ワシントンはまさに大転換期を迎えた。6ヶ月前とは全く違う」と仮想通貨投資会社キャッスル・アイランド・ベンチャーズの創設パートナーであるニック・カーター氏は語る。同氏はトランプ氏の仮想通貨関連の選挙公約リストは、実行済みを示す「緑のチェックマーク」で埋まっていると述べた。

仮想通貨ウォレットExodusのJPリチャードソン最高経営責任者は、規制当局が「実際的な対話」を始めていると指摘。当局の対応の変化について次のように述べた。

我々は長い間、グレーゾーンに取り残され、明確な指針もなく、常に不意打ちを食らうことを恐れてきた。しかし今、我々は耳を傾けようとする姿勢を目にしている。

仮想通貨プラットフォームAnchorage DigitalのCEO兼共同創設者であるネイサン・マッコーリー氏は、SECが仮想通貨に関する円卓会議を開催し、財務省がビットコイン準備金を検討するなど、仮想通貨に対するホワイトハウスの友好的な姿勢が規制当局全体に急速に浸透しつつあると指摘する。

仮想通貨業界にとって「構築と革新の自由」は最も重要だが、その点において業界の楽観的な見方が高まっているとマッコーリー氏は述べた。

関連:ビットコイン相場の注目材料 米財務省のBTC準備金評価と機関投資家の動き──K33分析

政策関連の注目すべき動き

上記以外にも、100日間で数々の仮想通貨関連の画期的な政策転換が起きた。

  • 3月6日:戦略的ビットコイン準備金の創設とデジタル資産備蓄の設立
  • 3月7日:ホワイトハウス仮想通貨サミット開催、業界の著名人との対話開始
  • 4月9日:仮想通貨支持派のポール・アトキンス氏がSEC委員長に就任
  • 4月10日:トランプ大統領が内国歳入庁(IRS)の「DeFiブローカー規則」を廃止する法案に署名。仮想通貨関連初の法律が成立し、イノベーションを阻止する「実行不可能」とされた規則が廃止された。

仮想通貨企業Fortress Trustのプロダクト責任者マウリシオ・モンドラゴン氏は、「トランプ大統領就任後100日間で、仮想通貨をめぐる世論は確実に変わった。問題は今後、実際の政策にどう結びつくかだ」と語った。

トランプ大統領が署名した大統領令だけでは、仮想通貨の規制環境を完全に変革することは不可能だ。米国議会で仮想通貨関連法案が可決成立することが重要となってくる。

関連:「トランプ大統領がビットコイン準備金に取り組むのは関税問題解決と停戦の後」米商務長官が説明

現在、下院では、ステーブルコイン発行の規制を定める「GENIUS法案」が委員会を通過し、間もなく本会議で審議が開始される。上院では別のステーブルコインに関する「GENIUS法案」が銀行委員会において賛成18反対6の投票で可決され、本会議での審議に進む。

GENIUS法案とSTABLE法案が調整を経て、一本化されることで今年8月の議会休会前に成立する可能性が高まると見られている。トランプ大統領は、3月の仮想通貨サミットで、ステーブルコイン法案の作成に取り組む議員の努力を強く支持すると表明。8月までにステーブルコイン法案に署名する意向を示した。

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他の政策の影響

仮想通貨に対するトランプ政権の友好的な姿勢は評価されるが、トランプ大統領の関税政策は仮想通貨業界にも悪影響を及ぼしていると見られている。

大手取引所コインベースの研究者は4月の月次レポートで、トランプ大統領の関税戦争をめぐる不確実性が高まる中、「仮想通貨の冬」が到来する可能性があると警告した。

ExodusのリチャードソンCEOは、「金利、関税、地政学的ストレスなどのマクロイベントは投資家行動に影響する。ビットコインはマクロヘッジ資産として振る舞いつつあるが、最大のリスクは貿易政策ではなく不確実性だ。」との考えを示した。

また、トランプ大統領とメラニア夫人のミームコインやトランプ一族の運営する仮想通貨事業が、大統領として職務上の利益相反に当たる可能性があると指摘する声も上がっている。

民主党のエリザベス・ウォーレン上院議員らは、トランプ一族が率いるDeFi(分散型金融)プロジェクト「ワールド・リバティ・ファイナンシャル(WLFI)」が、トランプ政権の業界に対する監督方針に影響を与える可能性があるとして、SECに調査を求めている。

また、ジョン・オソフ上院議員(民主党)はトランプ大統領が自身のミームコイン(TRUMP)保有者向けに晩餐会を計画したことを「弾劾されるべき違反」と批判した。

関連:オソフ上院議員が批判 トランプ大統領のミームコイン晩餐会は「弾劾されるべき違反」

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