はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習-運用
CoinPostで今最も読まれています

米民主党、トランプ一族の仮想通貨事業に関する「疑わしい活動報告」提出を財務省に要請

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

財務長官へ書簡

米国下院の民主党幹部らが14日、スコット・ベッセント財務長官に書簡を送り、トランプ一族の暗号資産(仮想通貨)ベンチャー企業「ワールド・リバティ・ファイナンシャル(WLF)」と、トランプ大統領ミームコイン「TRUMP」に関する疑わしい活動報告(SAR)の提供を財務省に求めた。

書簡を送ったのは、ジェラルド・コノリー議員、ジョー・モレル議員、ジェイミー・ラスキン議員の3人で、それぞれ監視・政府改革委員会、議院運営委員会、司法委員会の野党側リーダーを務める有力議員だ。

SARは、金融機関が潜在的な金融犯罪や汚職を警告するために、財務省に定期的に提出する書類だが、議会調査において政治的な武器として利用されるケースが増えている。財務長官宛ての書簡で民主党議員らは、トランプ一族の仮想通貨事業に加えて、イーロン・マスク氏と連携する政治活動委員会(PAC)や、共和党の資金調達プラットフォームWinRedもSARの調査対象として指定した。

調査要請の根拠として、議員らは「贈収賄、影響力行使、国家安全保障への脅威、市場操作、脆弱な立場にあるアメリカ国民を標的とした略奪的・欺瞞的行為の可能性」に対する懸念を挙げている。

民主党によるこの動きは、トランプ大統領と共和党が民主党の小口献金プラットフォーム「ActBlue」を標的にしたことに対する反撃だと、米メディアPoliticoは指摘している。トランプ大統領は先月、ActBlueが「ストロードナー行為」(他人の資金を自分名義で献金)や外国からの影響力行使を容認しているとして、司法省に調査を指示した。

米国上院では7日、ジェフ・マークリー上院議員とチャック・シューマー上院民主党院内総務が主導し、トランプ政権や他の政府高官による仮想通貨関連の利益相反や腐敗を防止することを目的とする「仮想通貨汚職防止法案」が提出された。この法案は、大統領、副大統領、上級行政機関職員、議会議員、およびその直近の家族がミームコインやステーブルコインなどの仮想通貨の発行、推奨、スポンサーから金銭的利益を得ることを禁止するものだ。

関連:米民主党議員ら20名、トランプ政権関係者に対する「仮想通貨腐敗(汚職)防止法案」を提出

仮想通貨関連活動への懸念

トランプ一族の仮想通貨関連事業について、民主党は以下の点を問題視している。

  • ワールド・リバティ・ファイナンシャル(WLF):2024年にトランプ大統領と2人の息子(エリック・トランプ氏とドナルド・トランプ・ジュニア氏)が立ち上げた分散型金融(DeFi)プロジェクト。
    • 譲渡不可能なガバナンストークンを販売するが、所有権や価値蓄積の機能がなく、実質的な価値が疑問視される。その約90%が米国人投資家よりも規制が緩い外国人投資家向けに販売されている可能性。
    • 当初の資金調達目標を大幅に下回ったものの、中国生まれのジャスティン・サン氏による7,500万ドルの投資(3,000万ドル+4,500万ドルのトークン購入)により救済される。当時、サン氏は証券取引委員会(SEC)から証券詐欺の疑いで調査されていたが、WLFへの投資直後にSECが執行措置を一時停止したことが疑惑を呼ぶ。
    • 2025年3月、ステーブルコイン「USD1」の発行を発表。アブダビの投資ファンドが支援する基金が、USD1を使用して大手取引所バイナンスに20億ドルの投資を行うと発表したため、WLFの価値が高まる。事業への外国勢力からの影響が懸念される。
  • TRUMPミームコイン:トランプ大統領就任直前に発表された公式ミームコイン。実際の用途がなく、価格が急激に変動する傾向がある。
    • トランプ大統領自身が宣伝し、トランプ家関連企業27社は取引手数料だけですでに1億ドル(146億円)の利益を上げたとされる。倫理上の問題。
    • SECは2月、ミームコインは連邦証券法上の証券に該当せず、SEC規制の対象外との判断を示す。詐欺やマネロンの温床となるリスク。
    • インサイダー取引や価格操作スキーム設定の可能性。
    • 身元を明かさず外国人エージェントによる大量購入が可能なため、トランプ氏に影響力を行使し、国家安全保障を脅かす可能性。

関連:米ウォーレン議員、トランプ大統領のWLFI利益相反をSECに調査要請 仮想通貨関連規制への影響も懸念

厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
06/24 火曜日
18:14
金融庁、金商法移行を本格検討 分離課税やビットコインETFの機運高まる
金融庁が暗号資産(仮想通貨)の法制度の抜本的見直しを開始する。資金決済法から金商法への移行により、現在の総合課税(最大55%)から約20%の分離課税への転換や、ビットコインETFの国内解禁が期待される。政府の投資立国戦略の一環として、Web3・暗号資産分野の本格的な環境整備に乗り出す歴史的転換点となる可能性。
18:00
OKJ、イーサリアム(ETH)ステーキングサービスを6月26日開始|最大年率2.25%
暗号資産取引所OKJが6月26日よりETHステーキングサービスを開始。フレキシブル(年率1.80%)と定期(年率2.25%)の2プランが提供される予定。
13:30
シフ米上院議員が『COIN法案』提出、大統領と家族の仮想通貨事業を禁止する内容
民主党のアダム・シフ上院議員は大統領と副大統領、その家族による仮想通貨関連事業を禁止するCOIN法案を提出。違反には罰金と最大5年の禁錮刑を規定しトランプ大統領の仮想通貨関連事業を牽制する狙いだ。
13:00
テキサス州、犯罪関連の仮想通貨押収を認める法案が成立
米国テキサス州で犯罪関連の仮想通貨やNFTの押収を認める法案SB1498が成立した。先日、ビットコイン準備金設立法案も承認されたところだ。
11:44
ビットコインなど仮想通貨急反発、トランプ大統領の停戦発表報道を受けショートスクイーズ発生
トランプ大統領のイスラエル・イラン停戦合意発表を受け、仮想通貨市場でビットコインやアルトコインが急反発した。過去最大規模のショートポジション強制清算によるショートスクイーズが価格押し上げの主因に。しかし、イラン外相が停戦合意の存在を否定し、市場の先行きに不透明感も。
11:25
アダム・バック「ビットコイン財務株シーズンが新たなアルトシーズンに」
BlockstreamのアダムバックCEOがアルトコイン時代の終了を宣言。アルトコインよりもビットコイン財務戦略採用企業への投機を推奨。
10:50
今後1週間のトークン解除量は? ソラナやドージコイン、ワールドコインも予定
6月23〜30日の1週間で130億円相当のトークンがクリフ型でアンロックされる予定だ。ソラナ、ドージコイン、ワールドコインなど主要銘柄のライナー型アンロックスケジュールも解説する。
10:26
上場企業がハイパーリキッドに投資 EyenoviaとHYLQ StrategyがDeFi戦略を展開
EyenoviaとHYLQがHyperliquid基盤のDeFi戦略を発表。HYPEトークン取得やKinetiq提携を通じ、企業の分散型金融参入が進む。
10:10
トランプメディア、580億円自社株買いを発表 ビットコイン財務戦略と並行実施
トランプメディア・アンド・テクノロジー・グループが最大4億ドルの自社株買いプログラムを発表。30億ドルの資金でビットコイン戦略と株主還元を両立させる方針。
09:45
米仮想通貨企業に追い風か FRBが監督方針を転換
FRBは銀行の監督における審査項目から風評リスクを削除する方針を発表。ビットコインを初めとする仮想通貨や関連企業にとってポジティブな動きだとの受け止めが広がっている。
09:20
ビットコイン10万ドル割れから急騰、イラン・イスラエル停戦報道を受け|仮想NISHI
仮想通貨ビットコインは日本時間6月23日から24日にかけて一時10万ドルを下回ったが、トランプ大統領がイスラエルとイランの停戦合意を示唆したことで急反発し、イスラエル・イラン紛争開始時の価格帯まで回復した。
08:15
サークルの株価大幅続伸、コインベースやUSDC時価総額超え
ステーブルコイン大手サークル社がIPO後1ヶ月足らずで株価7倍上昇。31ドルから298ドルまで急騰した背景を分析。
07:35
イラン・イスラエル紛争でもビットコインは株式より安定か、今後の市場変動要因は?
イラン・イスラエル紛争激化でビットコインの60日実現ボラティリティが27-28%と、S&P500やナスダック100を下回る安定性を示す。地政学リスクでも資産クラスとして成熟化進む。
07:02
仮想通貨投資商品、先週は12億ドル超の資金が純流入
仮想通貨投資企業CoinSharesは、デジタル資産の投資商品に先週は約12.4億ドルの資金が純流入したと報告。イランとイスラエルの緊張が高まる中、ビットコインとイーサリアムが資金流入を主導した。
06:30
仮想通貨BNBの財務戦略採用、元コーラル・キャピタル幹部が「マイクロ型」で構築へ
元コーラル・キャピタル幹部3名がBNBトークン投資ファンドで1億ドル調達交渉中。ナスダック上場企業通じて今月完了予定。マイクロストラテジー型準備金戦略を採用。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧