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『米国の仮想通貨事業に資本流入が加速している、コインチェックにノウハウを逆輸入したい』マネックス松本CEO

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

マネックス松本CEO 質疑応答
事業説明会後の質疑応答で、「低迷する仮想通貨市場だが、将来的にマーケットは良くなるだろう。ブロックチェーンを含め、アジアパシフィック領域の展開も考えている」などと言及した。

マネックス松本CEO 質疑応答

マネックスグループ(8698)は12月12日に開催した報道関係者向けの「事業戦略説明会」の後に、ぶら下がりで行われた簡易インタビュー内容をまとめた。

(記事内容は編集部で見やすくまとめたものであり、一部表現には意訳も含まれます。)

現在の低迷する日本の仮想通貨市場について

松本CEOは、事業説明会の後に行われた記者からの質問に対し、具体例を交えて回答している。

低迷する日本の仮想通貨市場について、どのように考えているか

仮想通貨の現状については、確かにマイナーや投機家が大幅に押し出されているような状況だ。

新しいマーケットができる際には、急に期待が過剰に膨らみ、やがてそれが剥がれ落ちるようなことは、往々にしてある現象で、長期的な成長過程の中では、ある意味で当然起こり得るプロセスになる。短期的なスペキュレイション(憶測)で入ってきた人たちがいなくなり、しっかりとしたルール整備の中で、長期的にブロックチェーン技術を信じる人たちが残るようになる。

詐欺まがいのICOなど、米国でも様々な問題があったのも確かであり、規制強化などである程度整理された方が、将来的にマーケットは良くなるのではないか。したがって、私たちは仮想通貨市場の行く末については、特に案じてはいない。

日本市場は、表面上の期待と破裂のようなものがどうしても目立つが、一方で米国のクリプト市場では、資本も人材もビジネスも、良好に進んでいる。

投資銀行や取引所などのOBやかなり額の資本が流入しており、毎月のようにインフラストラクチャー(基盤を形成する構造物)が改善している実感がある。

米国の場合は、日本の証券業などと同様に、「カストディアンはここ、プロバイダはここ、バックオフィスはここ、フロントシステムはここ・・・」というように、すでにサードパーティで出来ており、この一年間ですごい勢いで進化している。

したがって米トレードステーション事業は、国際基準というか、米国の技術で全て作る。コインチェックの技術は一切使用しない。その中に良いものが必ずあるので、それをコインチェックでも逆輸入しようと考えている。

金融庁による業登録の進捗に関しては、マネーロンダリング対策が一つのポイントになるのか?

事実上、旧通貨の売買など”サービス再開は実現”できており、現在も金融庁から与えられた宿題(業務改善命令)を淡々とこなし、良好な進捗にある中で、最終的に業登録がないということは考えにくい。

マネロンに関して言えば、証券業や銀行業を含めて一つの大きなテーマとして、「マネロン」や「テロリストへの資金供与」について、G20などから世界的な要請があるのも事実だ。

スケジュールとして、2019年に「FATF(Financial Action Task Force)」が日本に実地検査に入ることに合わせ、AML(マネーロンダリング対策)など金融庁として新しいガイドラインが出ている状態になる。これは、日本の金融機関全体のテーマだ。

仮想通貨分野が最重要だと認識しているのか

単純に回答すればその通り。しかし、可能性があるのは仮想通貨取引だけに留まらず、決済の仕組みもどんどん変わっていくことになる。

例えば海外送金を行う際に、SWIFT(国際送金システム)の中継地点となる「コレルス銀行(Correspondent Bank)」は、 送金に3日ぐらいかかる上、着金確認も不明瞭になることも少なくない”非常に古いシステム”があるが、この手数料(コレルスフィー)だけで、年間約20兆円にも及ぶ。

ブロックチェーンなど仮想通貨関連技術を使用することで、これが大きく改善することになるのは間違いない。

ほかにも、仮に”コークコイン”のようなものをコカコーラ社が出したとして、「コカコーラ製品しか買えない。コンビニでもBARでもペプシは買えない。」という制約があったとする。新しいマーケティングツールのような形で、仮想通貨を使用できる。

あるいは、特定の国の貧困層に、資金援助(エイド)しようとしてお金を政府に預けると、コラプションで国の政府が持って行ってしまう場合がある。彼らは銀行口座を持っている人はいないが、仕事に必要なのでスマートフォンは持っている。

彼らのスマホにデジタルマネーを入れても、悪い人に持って行かれてしまうリスクがあるが、仮想通貨の「スマートコントラクト」であれば、誰々しか使えない、ミルクしか買えない、薬しか買えない、といった契約としてデザインすれば、これを解決できる。

ほかにも、ブロックチェーンはデータベース技術なので、「J-REIT」投資などにも応用できる。ブロックチェーンであれば、リアルタイムで、「このビルの、この部屋の、この家賃が滞っている」という情報をリアルタイムに確認することが可能になる。

このように、実社会での利用もあるし、様々な会社とのコラボレーションも考えられる。ブロックチェーンコンサルの会社は、信頼の問題もあり難しい。我々は上場企業では珍しく、ブロックチェーンコンサルを含め、アジアパシフィックの事業領域としても、仮想通貨を根っことしたビジネス展開を考えている。

現在の仮想通貨市場はまだ黎明期であるが、どんな金融商品やサービスも、最初はトレーディングから始まるのが常で、そこからサービスが充実してくる。なぜなら、投資家が最も”リスク許容度”が高いからだ。

今後社会で実感できるような、有用な仮想通貨関連サービスがたくさん出てくるだろう。それを作れるのは、金融ノウハウに加え、専門のブロックチェーンエンジニアを60名以上抱えている我々だと考えている。

本日開催された、報道機関向けの事業戦略説明会の詳細については、以下の記事をどうぞ。

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