金融市場と仮想通貨の動き
月が明け、1日の暗号資産(仮想通貨)市場。ビットコイン価格は、前日比+0.79%の485万円(43,615ドル)で推移している。
米株市場が軟調にあることなどから、レジスタンスライン(上値抵抗線)で戻り売り圧力に晒されている。米ニューヨーク市場では、ダウが前日比546ドル(-1.6%)安となった。米連邦の債務上限問題や中国恒大集団のデフォルト(債務不履行)懸念、テーパリング(量的緩和縮小)関連のトピックが下振れリスクを想起し、投資家のリスク回避姿勢につながっている。
これに伴い、東京株式市場では日経平均株価が前日比-590円(-2.01%)で前場を終えた。米株先物指数に押される形で下げ幅を拡大した。
一方、仮想通貨市場は昨日は大きく反騰している。仮想通貨に対して一貫して厳しい姿勢を貫いてきた米SEC(証券取引委員会)のゲーリー・ゲンスラー委員長による「ビットコインETF(上場投資信託)」関連のポジティブ発言も好感された。
関連:米SECゲンスラー委員長、ビットコイン先物運用のETFに好感
データアナリストMinkyu Woo(@minkyutekken)氏がCryptoQuantに投稿した考察によれば、現在のステーブルコイン供給比率(Stablecoins Supply Ratio)のBTCデイリーネットフローは、大相場の予兆となった2020年第4四半期と類似した兆候を示すという。
ステーブルコインは、米ドルなどの資産に価値を裏付けられた暗号資産であり、ボラティリティの低い法定通貨の代替手段として機能する。 オレンジ線が低い位置にあるということは、仮想通貨取引所内に潜在的な買い圧力となるステーブルコイン量が潤沢にあることを意味する。
また、CryptoQuantのKi Young Ju CEOは、現在の相場について、「中国規制を念頭に、Huobiの利用者がイーサリアム(ETH)基盤の分散型取引所であるUniSwapなどに資金を移動させた」と指摘。
It seems Huobi users moved $ETH, #stablecoins, and DEX tokens to decentralized exchanges like Uniswap.
— Ki Young Ju 주기영 (@ki_young_ju) September 29, 2021
Outflow transactions spiked after Huobi announced the suspension of existing accounts in mainland China.
Ironically, regulation led to decentralization this time. pic.twitter.com/EKpkHIdSv0
「皮肉なことに、中央集権性の強い中国当局による本格規制は、”分権化”という仮想通貨のメリットを改めて思い知らせることになった」との見解を示した。
これに先駆け今年5月には、中国当局の規制強化によりマイナー(採掘業者)の締め出しが本格化。ビットコイン(BTC)の採掘能力を示す「ハッシュレート」がピーク時から半減するなどして、仮想通貨市場にも影響を及ぼした。
これまで世界最大のシェアを誇っていたマイニングの集積地帯である中国・四川省、雲南、新疆、青海、モンゴル自治区では、事業存続のために北米やカザフスタンなどに海外移転する動きが加速。結果的に、チャイナリスク低減と世界分散化が好感された節もある。
個別銘柄の動向
仮想通貨ネムの新通貨シンボル(XYM)が、国内大手取引所bitbankに上場することがわかった。Zaifに続いて日本では2例目。これが好感されたか、XYM価格は12:25時点で前日比+11.7%と買われている。
Polygon(MATIC)
主要レイヤー2(L2)アグリゲーターのPolygonは直近、ネイティブトークンの「MATIC」が、デイリーアクティブユーザー(DAU)で初めてイーサリアムを上回った。Polygon共同創設者のMihailoBjelic氏が報告した。
Another huge milestone for @0xPolygon! 🔥
— Mihailo Bjelic (@MihailoBjelic) September 29, 2021
We eclipsed Ethereum L1 in daily active addresses for the first time!
This is just the beginning. We are working round the clock to improve our tech, strengthen our ecosystem and increase adoption.
Let's bring the world to Ethereum! 💫 pic.twitter.com/K4sAF1y3LT
代替チェーンのL2が急台頭した背景には、DeFi(分散型金融)やNFT(非代替性資産)の市場急拡大に伴い、基盤として使われるイーサリアム(ETH)チェーンが混雑しており、取引手数料(GasPrice)が1トランザクションあたり平均3,000円以上かかるなど、高止まりしていることがある。
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Ethereum Gas Trackerのデータを参照すると、最大手NFTプラットフォームOpenSeaなどを用いたERC20トークンの転送で平均15.7ドル(1,750円)。最大手DEXのUniSwapの手数料に至っては、平均48.4ドル(5,400円)と高額だ。
Polygonは今年7月、NFT及びゲームプロジェクトのために1億ドル規模のファンドを立ち上げ、「PolygonStudios」プロジェクトをローンチした。ゲーム開発者が、Web2.0ゲームをWeb3.0分散型テクノロジーと融合できるようにすることを目的とする。
Polygon(MATIC)価格は年初来約60倍と高騰。Coinmarketcap(CMC)の時価総額ランキングでは、21位に食い込んでいる。
一方、21年5月のアルトシーズンで記録した過去最高値2.82ドルと比較すると-60%ほど下落したまま推移しており、極端な過熱状態は落ち着いている。
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