はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習-運用 WebX
CoinPostで今最も読まれています

ゴールドマン・サックスCEO 仮想通貨取引デスク開設の計画を否定も、将来的な可能性を示唆

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

ゴールドマン・サックス、仮想通貨取引デスク開設計画否定
GSのCEOを務めるSolomon氏は規制の欠如や通貨機能の実現を疑問視。同行の仮想通貨関連の動きを考察する。

ゴールドマン・サックス、仮想通貨取引デスク開設計画否定

ゴールドマン・サックス(GS)のCEOを務めるDavid Solomon氏は、同行が「仮想通貨取引デスクを開設する計画は一切なかった」と明確にし、計画を示唆した複数のメディア報道は「正確ではなかった」と指摘した。

内部でも見解が対立しているかのように、一転、二転するゴールドマンの仮想通貨事業拡大の報道の真相は未だ謎につつまれているものの、Solomon氏は規制環境の向上を条件に「将来的な仮想通貨取引デスク開設の可能性」を肯定している。

Solomon氏の発言は4月10日に開催された「United States House of Representatives Financial Services Committee(米国下院金融サービス委員会)」の公聴会でのものだ。

同委員会は米下院の常任委員会のひとつで、今回の議題は「Holding Megabanks Accountable: A Review of Global Systemically Important Banks 10 years after the Financial Crisis(メガバンクに責任を課す:金融危機から10年、国際的なシステムに重要な銀行の見直し)」だった。

ゴールドマン・サックス、JPモルガン・チェース、モルガン・スタンレー、バンク・オブ・アメリカなど、金融安定理事会(FSB)が「国際的な金融システムの安定に欠かせない」と認定した銀行(G-SIBs)のトップが勢揃いし、既存の金融システムから貧困問題まで議論を重ねた。

GS、「仮想通貨取引デスク開設」をめぐるこれまでの経過

これまで、ゴールドマンの「仮想通貨投資事業」に関する噂が多く見られ、その流れを振り返る。

まず、2017年12月、「ゴールドマンサックスが2018年6月末を目途に、仮想通貨に特化したユニットの立ち上げを計画している」と米有力誌ブルームバーグ紙が報じ、市場は一時興奮の渦に包まれた。

その情報筋が「匿名の関係者2名」であったため信憑性としては決定打に欠けたものの、当時CEOを務めていた Lloyd Blankfein氏(現会長)がビットコインに対して慎重ながらも好意的な見解を示していたこと、2018年5月からCBOEやCMEが提供するビットコイン先物契約のクリアリング(金融商品取引などの清算)の請負業務を始めたことなどが期待材料となっていた。

また中国で「ブルームバーグTV」の取材に応じたSolomon氏が、「ビットコイン先物のクリアリングだけではなく、(関連性のある)ほかの活動を始めることについても検討している」と発言したことで、市場はさらに楽観的な空気でつつまれていた。

しかし 2018年9月、匿名の情報筋から情報を得た「Business Insider」が「取引デスク立ち上げプロジェクトの保留」を報じ、計画は暗礁に乗り上げたかのように見えた。

その直後、ゴールドマンのCFO(最高財務責任者)であるMartin Chavez氏が記者団に対し、保留報道を「フェイクニュース」と否定したことで事態は再び反転した。CNBCの報道によると、Chavez氏は顧客からの需要に応え、同行が「ビットコイン・デリバティブ(ビットコイン派生商品)」に取り組んでいると語った。

なお、ビットコインの現物取引に着手していない理由として、「機関投資家に対するカストディサービス(資産管理)の安全性が確立されていない」ことを挙げていた。

将来的な仮想通貨取引デスク設立の可能性は否定せず

そこにきて今回のSolomon氏による否定発言だ。最初の報道からこれまでの経過を振り返ってみると、困惑せざるを得ない。

同氏はブルームバーグ紙の報道を「誤報」と断言する同時に、「(ライバル企業同様)仮想通貨への理解を深める努力を行っている」段階にあることを明確にした。機関投資家からの関心度が高まっていると考えられる。

将来的に仮想通貨取引デスクを設立する可能性は否定しないが、仮想通貨が新たな分野であることは疑う余地がない。規制面では未だ不明瞭で、長期的に見て通貨として実現の可能性があるかどうかも分からない

しかし、Solomon氏が指摘しているように、規制面が明確になり、通貨としての実現の可能性がみえてくれば、仮想通貨トレーディングデスク計画が始動する可能性は十分に考えられるだろう。

JPモルガンCEO「アンチ仮想通貨」のスタンスを維持

同公聴会にはJPモルガン・チェースのCEO、Jamie Dimon氏も出席していた。同氏はブロックチェーン技術の価値を認める反面、「仮想通貨には本質的な価値がない」という否定的なスタンスを維持した。

その一方でブロックチェーン技術には非常に高い関心を示しており、同行は5万人の技術者に年間年間108億ドル(約1兆2062億円)を投じているという。 また現在は独自のデジタル通貨「JPMCoin」の発行に向けプロジェクトに取り組んでいる。自社のオープンソース・ブロックチェーン「Quorum」を利用して、国際送金などに利用することを開発の目的としている。

米国の「トークン分類法」法案再提出

国会議員Warren Davidson氏は先日、米国が他国に遅れをとっており、規制の不明確性が原因で「仮想通貨の恩恵を逃している」と指摘した。

Davidson氏は4月に入り、仮想通貨を有価証券ではなく新たな資産クラスとして分類する法案「トークン分類法(Token Taxonomy Act) 」を米国下院議会に再提出した。この法案は昨年12月、民主党議員Darren Soto氏とともに提出した法案に、微調節を加えた最新版である。

仮にこの法案が成立すれば、企業や団体にとって仮想通貨やデジタル資産の発行のハードルが低くなり、イノベーションの促進に貢献するほか、米国証券取引委員(SEC)の仮想通貨に対する規制スタンスが明確化されると見られている。

ゴールドマンの仮想通貨関連の動きやSolomon氏の発言、そして「トークン分類法」といった話題は仮想通貨の相場に大きな影響力をもっている。引き続き注視すべき判断材料である。

▶️本日の速報をチェック
CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
11/22 土曜日
10:55
米当局がビットメイン製品を国家安全保障リスクで調査、トランプ関連企業も1万6000台使用
米国土安全保障省が中国メーカーのビットメインを調査し、機器がスパイ活動や電力網破壊に使用される可能性を指摘。トランプ大統領の息子たちの会社アメリカン・ビットコインも1万6000台を購入した。
10:05
コインベース、ソラナのミームコイン取引所「ベクター」を買収
コインベースがソラナ基盤SocialFiプラットフォーム「ベクター・ファン」を買収すると発表した。年内に取引完了予定で、ソラナエコシステムへの参入を拡大し、すべてを取引できる取引所の構築を目指す。
09:35
ベセント米財務長官、ビットコインバーにサプライズ訪問 仮想通貨業界への影響は
スコット・ベセント米財務長官がビットコインバー「Pubkey DC」を訪問し、仮想通貨コミュニティで話題になっている。業界関係者の反応と今後の影響を解説する。
08:25
NYSEがグレースケールのXRPとドージコインETF承認、25日上場予定
NYSEがグレースケールのドージコインとXRP ETFの上場を承認し、11月25日に取引を開始する。今週はビットワイズのXRP ETFやフィデリティのソラナETFも上場し、アルトコインETF市場が急拡大している。
07:45
「仮想通貨財務企業などの上場後の事業の大幅変更について対応を考える必要」JPXのCEO
日本取引所グループの山道CEOは、ビットコインなどを保有する仮想通貨財務企業への規制強化は現時点では検討していないと説明。一方で、事業の大幅変更については対応を考える必要があるとも述べている。
07:05
個人マイナーがビットコイン採掘に成功、1億8000万分の1の確率を克服
極めて小規模な個人マイナーがわずか6TH/sのパワーでビットコインブロックの採掘に成功し、約26万5000ドル相当を獲得した。確率は1億8000万分の1で、近年最も幸運なソロ採掘となった。
06:25
トム・リー率いるビットマイン、初の配当実施もイーサリアム保有の含み損は6250億円超 
イーサリアム最大の企業保有者ビットマイン・イマージョン・テクノロジーズが11月21日、2025年8月期通期で純利益3億2816万ドルを計上し、大手仮想通貨企業として初めて配当を実施すると発表した。しかしイーサリアム価格下落で含み損は40億ドル超に達している。
06:02
金持ち父さん著者キヨサキ、3.5億円分ビットコインを売却し広告事業投資へ 以前の姿勢から一転
『金持ち父さん貧乏父さん』の著者ロバート・キヨサキ氏が11月22日、約225万ドル相当のビットコインを売却し、外科センターと看板広告事業に投資すると発表した。以前の「売らずに買い続ける」発言から一転した。
05:45
マイケル・セイラー、指数除外懸念に反論「ストラテジーはファンドではない」
ストラテジー社のマイケル・セイラー会長は主要株価指数からの除外懸念に対し「我々はファンドではなく上場事業会社だ」と反論した。
11/21 金曜日
17:25
米ビットコインETF、1週間で大規模な資金流出が2回
11月20日、米ビットコイン現物ETFは9億300万ドル(約1,395億円)の純流出を記録し、史上2番目の規模となった。1週間前の記録を更新。ブラックロック、グレースケール、フィデリティの主要3ファンドで流出の大部分を占め、全ETFで純流入ゼロという異例の事態に。
16:38
予測市場が急成長 カルシ(Kalshi)が1500億円調達と報道も
予測市場カルシが2ヶ月で評価額2倍超の110億ドルで10億ドル調達。取引量は10月に過去最高の44億ドルを記録。競合ポリマーケットも120億〜150億ドルでの追加調達を協議中で、予測市場への投資が加速。
16:33
暗号資産(仮想通貨)の申告分離課税が実現したら?押さえておきたい税務のポイント|Aerial Partners寄稿
仮想通貨の申告分離課税が現実味を帯びてきた今、投資家が知っておくべき税制変更のポイントを解説。税率の一定化、損益通算、特定口座の導入可能性など、制度導入後の注意点と準備すべきことをわかりやすく紹介します。
16:10
CAICAテクノロジーズ、JPYC決済ソリューションの提供を開始
CAICAテクノロジーズが日本円ステーブルコインJPYCの決済ソリューション提供を開始。企業向けにコンサルティングサービスと決済モジュールを提供し、ステーブルコイン決済の導入を支援する。
16:03
ナッジ、ステーブルコイン決済・還元対応クレカ「HashPortカード」発行開始
HashPortとナッジが日本初となる後払い型クリプトクレジットカード「HashPortカード」を発行開始。ステーブルコインJPYCで決済・還元が可能で、利用額の0.3%をJPYCで還元。年会費無料、カード発行手数料2,500円。
15:44
金融庁が語る暗号資産規制改革の全貌──銀行参入、インサイダー規制、DEX対応の狙い|独占取材
金融庁独占取材。暗号資産規制の金商法移行について、銀行グループ子会社の参入、インサイダー取引規制導入、分散型取引所(DEX)対応の狙いを詳しく聞く。投資家保護と健全なイノベーション両立への取り組みを解説。
通貨データ
グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧