ビットコインの採用に再び懸念を示す
国際通貨基金(IMF)は24日、エルサルバドルと協議を行い、ビットコイン(BTC)を法定通貨としていることについて再び懸念を表明した。ビットコインの金融安定性などに対するリスクを挙げ、法定通貨としての地位を取り消すよう促している。
IMFは年一回、加盟国との間で経済政策に関して「4条協議」と呼ばれる二者協議を実施している。
IMF4条協議とは
IMF協定の第4条に基づく、各加盟国との定例協議。原則的に、年1回行われる。IMFのチームが加盟国を訪問し、経済・金融情報を収集、その国の経済発展や政策について関係者と議論する。さらにIMF理事会で議論するために、チームは協議内容について報告書を作成する。
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IMFがエルサルバドルとの協議後に発表した要旨には、次のように書かれていた。
2021年9月以降、エルサルバドル政府はビットコインを法定通貨として採用した。しかし、暗号資産(仮想通貨)を法定通貨として採用することは、金融や市場の健全性、金融の安定性、消費者保護に対する大きなリスクを伴うものだ。また、偶発的な債務を生み出す可能性もある。
IMFは、エルサルバドルの経済が縮小している一方で、公的債務が拡大していると指摘。ビットコインを法定通貨として使用することが、その回復を妨げる危険性があると主張している。
IMFは金融包摂を促進することの重要性には同意している。この点は、エルサルバドルが導入しているデジタルウォレット「Chivo(チボ)」などの決済手段が、その役割を果たす可能性があるとした。
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しかしその上で、チボと、ビットコインの決済システムに対する厳格な規制と監督の必要性や、ビットコインのリスクを強調。ビットコイン法を修正して、ビットコインの法定通貨としての地位を取り除くように当局に促した。
また、一部の理事は、ビットコインを裏付けとする債券の発行に関するリスクについても懸念を表明している。
過去にも懸念表明
IMFが公式に懸念表明するのは今回で少なくとも三回目だ。最初は21年6月にさかのぼる。同国のブケレ大統領が、ビットコインを決済手段として受け入れることを義務づける法案を提出すると発表した直後、IMFはそのリスクについて警告した。
また、IMFは、エルサルバドルのビットコイン法案が成立した後の11月にも、価格変動が激しいことを理由に、ビットコインを法定通貨から外すよう促している。
エルサルバドルのビットコイン法とは
米ドルと並行する形で、ビットコインを法定通貨として認め、市民がビットコインを全ての決済シーンで利用できることを定めている。エルサルバドルのブケレ大統領が推進した法案で、2021年6月9日に議会によって可決された。ビットコインが国の法定通貨として正式に認められる初の事例となった。
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エルサルバドル政府は最近の下落局面でもビットコインを買い増した。22日に、410BTCを追加購入したと発表している。なお、22日時点で、エルサルバドルはビットコインの保有で約-23億円の含み損を抱えているのではないかと推測されていた。
A nation state is losing money buying the dip! https://t.co/yJeAdxDQne pic.twitter.com/ydFAukDcFv
— Alex Krüger (@krugermacro) January 22, 2022
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