CoinPostで今最も読まれています

パンデミックで金融市場の暴落止まらず、岐路に立つ仮想通貨ビットコイン

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

仮想通貨市況

世界保健機関(WHO)が、新型コロナウイルスの感染拡大について「パンデミック」と認定したことで、米株市場は過去2番目となる前日比1,464ドルを記録。日経平均株価も大幅続落した。

米国株ヒートマップ

新型コロナウイルスのパンデミックで各国の生活基盤や医療体制そのものが脅かされるなか、終息の目処も見えないことから、投資家心理は急悪化している。

欧州では、新型コロナウイルス の感染数、および死者数が急拡大するイタリアで、薬局と食品店以外への営業禁止という重い対策が発表された。10日には、欧州連合(EU)加盟の全27か国で感染者が確認されており、欧州中央銀行(ECB)のラガルド総裁も「リーマン・ショック以来の危機再来」を警告している。

3月上旬以降、米国での感染拡大や緊急事態宣言を皮切りに、株や為替市場がリスク回避姿勢を強めたことで、その影響はビットコインなど金融市場全般に波及した。直近では、為替市場やダウ先物にも影響を及ぼす「指数売り」との相関が強まりつつあるビットコイン市場。

株価との比較(2020/3/11時点)

BTCは、今朝方の反騰局面でこそ独立した動きも見受けられたが、日本時間10時過ぎのトランプ演説で「欧州からのすべての渡航を今後30日間停止」する措置が発表された」たことで経済停滞懸念が広がったことや期待されていた実効力のある景気刺激策は確認されなかったことで、ビットコイン(BTC)など仮想通貨市場を含む金融商品全般に失望売りが広がった。

日本国内では昨年3月、「景気動向指数」は3ヶ月連続で悪化したことを受け、内閣府が景気基調判断を「足踏み」から、「下方への局面変化」に修正。14年11月以来、4年2ヶ月ぶりの表現となったことが報じられた。

コロナウイルス感染拡大による実体経済への深刻なダメージはまだ未知数であり、今後「景気動向指数」やIMF(国際通貨基金)による世界経済見通しが下方修正されれば、リセッション(景気後退)、および金融・経済危機への懸念が拡大することになるおそれがある。

金融危機発生時には、法定通貨の管理通貨制度における裏付けとなる「信用」の担保が難しくなるため、自ずと政府の信用力に紐づいていない仮想通貨に需要が集まるとの思惑もあったが、少なくとも現時点ではリスク資産としての側面の方が取り沙汰され、デジタル・ゴールドとしては機能していない。

関連:国内景気は不況を示唆する「リセッション」にあるのか?内閣府が基調判断を下方修正|仮想通貨ビットコイン市場への影響を探る

ビットコイン(BTC)市況

仮想通貨ビットコイン(BTC)は、前日比4.45%安の79.3万円に。BitMEXでは直近最安値の7600ドルを更新した。

半減期相場への思惑はコロナショックに伴う世界的な経済危機によって剥落し、12日時点で、前週比-15.8%、前月比-26.8%と極めて厳しい状況にある。テクニカル的には反発してもおかしくない局面だが、新型コロナウイルスの拡大に歯止めがかからず、金融市場全体の先行き不透明感が日々募っている点に警戒感が広がっている。

なお、日本時間2時頃、bitFlyer Lightningにおける価格乖離が急縮小。大口の投げ売りが示唆された。

本来価格急騰局面においてbitFlyer Lightning FXと現物価格との過熱感を抑制するために機能するSFD(Swap for Difference)が、直近のBTC急落局面でも発動水準を維持していたことでトレーダーから違和感が指摘されていたが、これが解消された格好だ。

海外アナリストの見解

海外アナリストJosh_Ragerは、長期の対数トレンドを割り込んだ可能性に言及。 焦点として挙げられるのは週足の200MAで、2015年から支持線として機能しているとした。

直近価格では、価格帯別出来高などの観点から7200〜7300ドルまで下落する可能性が高いとの見解を示している。

CoinPostの関連記事

ダウが08年以来の弱気相場入り 相関高まるビットコイン、目線が変わる価格帯は?|仮想通貨市況
仮想通貨(暗号資産)ビットコインは12日深夜、一時7600ドルを下回り3月の安値を更新。ダウ平均も、2月12日に付けた最高値からの下落率が20%を超え、2008年の金融危機以来初めてベア相場入りした。
ビットコイン・ゴールドを凌ぐ安全資産 著名仮想通貨アナリストが指摘
新型コロナウイルス感染拡大で市場不安が増す中、仮想通貨市場アナリストSaz氏は、ゴールドやビットコインよりも注目すべき安全資産があると独自の見解を披露した。
CoinPost App DL
注目・速報 相場分析 動画解説 新着一覧
07/27 土曜日
09:45
3兆円運用の米ミシガン州の退職年金、10億円以上のビットコイン現物ETF保有
仮想通貨ビットコインの現物ETFに対する米国の年金基金からの需要は増加傾向にある。運用資産総額3兆円に相当するミシガン州の退職年金はウィスコンシン州とニュージャージー州のジャージー市の年金基金に続き、ビットコインETFの株を保有していることを報告した。
08:10
マスク氏のX(旧ツイッター)、ビットコインなどの仮想通貨絵文字表示を削除か
イーロン・マスク氏がオーナーのX(旧ツイッター)は、ビットコインなどの仮想通貨絵文字表示を削除した。ドージコイン擁護のためか。
07:35
BitwiseのETH現物ETFの横断幕、NYSEに掲揚
仮想通貨運用企業Bitwiseのイーサリアム現物ETFの横断幕が、ニューヨーク証券取引所に掲げられた。同社は、取引終了のベルを鳴らすことも報告している。
07:05
野村傘下のレーザーデジタル、利回り提供のイーサリアムファンド販売予定か
野村ホールディングスの仮想通貨資産子会社であるLaser Digital(レーザーデジタル)は、イーサリアム現物ETFの代替商品の導入を計画しているようだ。
06:40
米SEC、グレースケールのミニ版ビットコインETFを承認
仮想通貨投資企業グレースケールが提供するGBTCは手数料(1.5%)が最も高く資金流出は続いていたが、新商品を導入し0.15%という業界最安の手数料設定で競争力を高める狙いだ。
06:20
ビットコイン価格が21年後に最大で75億円に到達か、マイケル・セイラー氏の強気予想
ビットコインを最も保有する米上場企業マイクロストラテジーのマイケル・セイラー氏はカンファレンス「ビットコイン2024」で、BTCの今後の強気予想のプレゼンテーションを行った。
07/26 金曜日
17:10
「米大統領選で価格変動 トランプやハリス由来のミームコインの買い方
トランプトークンの概要 ドナルド・トランプ前米大統領とその「Make America Great Again」(アメリカを再び偉大に)というスローガンからインスピレーションを得…
17:10
ヤマハ発動機が初のVTuberコラボNFTを発行、Yamaha E-Ride Baseを訪れて進化可能
ヤマハ発動機が初のNFTデジタルステッカーを発行。横浜のYamaha E-Ride Baseで進化するダイナミックNFTを体験し、限定グッズをゲットできる。
15:13
ビットフライヤーがFTX Japan買収完了、カストディ事業展開へ
株式会社bitFlyer HoldingsはFTX Japanの株式100%を取得し、完全子会社化を発表。8月26日までに社名を変更し、クリプトカストディ事業を展開予定。法制度整備後の暗号資産現物ETF関連サービス提供も視野に入れている。
14:43
Neo Xメインネットが正式稼働 EVM互換でネオのエコシステムを拡張
Neoは高性能EVMベースのサイドチェーン「Neo X」のメインネット正式稼働を発表。クロスチェーンブリッジで流動性と互換性が向上し、エコシステムの可能性が広がる。
14:15
カマラ・ハリス氏のミームコインが過去最高値を記録、大統領候補指名の期待受け
PolitiFiと呼ばれる政治パロディのミームコインが、仮想通貨領域で独自のジャンルを形成しており、カマラ・ハリス副大統領のパロディコイン「 Kamala Horris(KAMA)」が急騰し話題となっている。
12:55
アルトコインETFの未来、ブラックロックが語る現実と可能性
ブラックロックのデジタル資産責任者は、イーサリアム現物ETFが承認されていても他のアルトコインETF誕生には困難があると話した。
12:14
仮想通貨相場反発、ビットコイン・カンファレンスのトランプ登壇に関心集まる
昨日までの大幅下落とは打って変わり暗号資産(仮想通貨)相場は反発した。強気シグナルのハッシュリボンが点灯しているほか、今週末にはビットコインカンファレンスに米国のトランプ前大統領が登壇予定であり、投資家の関心が集まる。
11:00
トランプ前大統領の陣営、4〜6月期で仮想通貨で6億円の寄付金調達
トランプ前大統領は、ビットコインなど仮想通貨で6億円以上の選挙資金を調達。「ビットコイン2024」でもさらに資金を集める予定だ。
10:30
BTCが290万ドルに到達するシナリオ、VanEckが公開
仮想通貨ビットコインが2050年までに290万ドルに到達するシナリオをVanEckのアナリストが公開。このシナリオを実現するための条件を説明している。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア