はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習-運用 WebX
CoinPostで今最も読まれています

ビットコイン採掘拠点の中国集中、リスクは? 仮想通貨カストディ業者が分析

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

BTCマイニング中国集中のリスクは?

ビットコイン(BTC)マイニングの大部分が中国に集中している現状であるが、そのことがBTCネットワークに及ぼすリスクがあるのか、仮想通貨カストディサービス企業「Casa」の創設者Jameson Loppが分析した。

中国では、安価な電力エネルギーと産業インフラストラクチャーを組み合わせてビットコイン採掘が盛んである。

乾季には内モンゴルの安価な石炭と風力を利用、雨期には四川省と雲南省で豊富・安価になる水力発電を利用することで、電力コストを抑えてマイニングを行うことが可能となっている。また、マシンの供給網も確立されていることも優位な点に挙がる。

ケンブリッジ大学の研究所オルタナティブ金融センターの研究によると、2020年の第1四半期に、ネットワークハッシュレート全体の約70%が中国で発生していると算出されており、世界的なシェアは大きい。

51%攻撃のリスク

Jameson Lopp氏は、こうした状況下で懸念されているリスクの一つに、51%攻撃があるとしつつも、それは現実的ではないと論じた。

51%攻撃は、ひとつのノードがネットワーク全体の計算能力の過半数を超えた場合に、不正取引の正当化や、正当な取引の拒否などが可能とされている攻撃で、最近ではイーサリアムクラシックで発生が確認されている。

Lopp氏が、51%攻撃が現実的ではないとする理由には、攻撃発生後もネットワークのコンセンサス・ルールは守られ、それを変更することも出来ないため、実際に出来ることには制限があるとの考えがある。

攻撃者が、ビットコインの二重支払いに成功したケースでも、そのコインを取引所に送信した上で別の検閲耐性のある仮想通貨と交換し、それらの資金を引き出してから、秘密裏に採掘されたブロックの束を解放するなど込み入った手続きが必要で、仮想通貨取引所には引き出し限度額やAML / KYC(資金洗浄対策/身元確認ルール)が設けられているため、現金化までのハードルが極めて高い。

また、根本的にビットコインのようなハッシュレートが群を抜いて高いブロックチェーンのセキュリティの堅牢性を踏まえても現実的ではないく、ネットワークを攻撃するよりも、ネットワークを保護することにより報酬を得る方が遥かに安全な方法だと結論付けた。

長期的に見れば、中国の優位性は揺らぐ

また、Jameson Loppは長期的に見れば、マイニングにおいて中国がいつまでも優位を保つわけではないと展望を述べた。

アジア圏以外で多くのマイニングチップの生産が開始され、安価な電力エネルギーを使用できる国々が産業インフラの面でも発展を続ければ、仮想通貨マイニング業者にとって魅力的な場所は中国以外にも登場するという。

現在、中国以外のマイニング場所として注目されているロケーションの一つはイランだ。

今年5月にロウハニ大統領が、仮想通貨マイニング産業に特化した国家戦略を策定するよう政府に命令、これまでに1千以上の仮想通貨通貨マイニングファームにライセンスを発行している。

2019年の同国エネルギー省の試算によれば、1BTCにつき約1400ドルの電力のみで採掘が可能であるという。イランでは、発電所にもマイニング業務を行う許可が出されたところだ。

関連:イラン当局、発電所のビットコインマイニングを認可

尚、ビットコイン調査企業BitOodaが公開したレポートでは、ビットコインマイニングの約50%が中国によるという見積もりが出ていた。中国ではマイニング関する情報はあまり公開されておらず、業者への匿名の聞き取りや、公開データの分析による推算だという。

このレポートでは、中国の次は米国が14%で、カナダ、カザフスタン、ロシア、イランの4カ国がいづれも7〜8%ほどのシェアを持っていると推定された。

関連:ビットコインの採掘シェア、中国は5割に留まるか

先に引用したケンブリッジ大学のグラフでも、順位は異なるものの、米国、ロシア、カザフスタン、イランがBTCマイニング量ランキングで上位に挙がっていることは共通している。

こうした中国以外の国々で、今後どれだけBTCマイニング産業が発展していくのか注目される。

CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
18:06
リミックスポイント、ビットコイン追加取得 新株予約権の残存分は消却
リミックスポイントは10月31日に約5億円分のビットコインを追加取得。累計1,411BTC・214億円規模に達し、第25回新株予約権を全て消却、希薄化型ファイナンスを終了した。
17:02
エアドロップやCZ支持で注目集めるDEX「Aster」とは
エアドロップやバイナンス創業者CZ氏からの支持などで注目集めるAsterについて、DEXの特徴や使い方を解説。注目される理由、エアドロップの参加方法やリスクまで詳しく紹介します。
17:00
OKJ、国内初の「MEME」取扱いを発表 
OKJがWeb3スタジオMemeland発の暗号資産(仮想通貨)「MEME」を国内で初めて上場。11月11日17時より取引開始し、販売所・積立など4サービスに対応。
16:46
モブキャストHD、ソラナ(SOL)を1.5億円取得
モブキャストHDがソラナ1億5,000万円超取得、累計5,177SOL保有。クオンタムソリューションズのETH保有など、国内企業アルトコイン保有の動きが活発化。
15:09
ストラテジー、ビットコイン購入で約620億円を調達へ
ストラテジー(旧マイクロストラテジー)は、ユーロ建て永久優先株で約620億円を調達し、ビットコインの追加購入資金に充当する。保有総量は64万BTCを突破。
13:51
トランプ大統領、バイナンスCZとの面識を否定 恩赦に対する批判をかわす
トランプ大統領がCBSのインタビュー番組で、バイナンス創設者CZ氏への恩赦について「面識がない」と主張し、その妥当性を強調した。民主党議員らはこの恩赦について強く批判しているが、トランプ氏は米国を仮想通貨No.1にする戦略の一環と擁護している。
11:59
イーサリアム財団、戦略的な新助成金プログラムを発表
イーサリアム財団が優先項目に特化した新助成金プログラムを発表した。ウィッシュリストと提案依頼の2経路で、仮想通貨イーサリアムのエコシステムを戦略的に支援していく。
11:09
チェーンリンク、英FTSE Russellと提携 伝統金融の代表指標をブロックチェーンへ
ロンドン証券取引所グループ傘下のFTSE RussellがChainlinkと提携し、Russell 1000やFTSE 100など主要株価指数のデータをブロックチェーン上で提供開始。18兆ドル超の運用資産の投資指標として利用される指数データがオンチェーン化される。
10:59
リップル社、米国で仮想通貨現物のプライム・ブローカレッジ事業を開始
リップル社は、仮想通貨現物のプライム・ブローカレッジ事業を米国で開始。機関投資家の顧客が、XRPやRLUSDなど複数の著名なデジタル資産の現物取引をOTCで行えるようになったと説明している。
10:02
ビットコイン一時10万5千ドルまで下落、流動性不安再燃|仮想NISHI
*本レポートは、X-Bankクリプトアナリストである仮想NISHI(
09:27
Web3大手アニモカ・ブランズ、ナスダック上場の計画 AIインフラのカレンクと合併で
アニモカ・ブランズがAIインフラを手がけるカレンクと合併契約を締結。2026年にナスダック上場することを計画している。上場Web3・仮想通貨コングロマリットが誕生する見通しだ。
07:56
Balancerの不正流出受けて、L1「ベラチェーン」ネットワークを停止
仮想通貨イーサリアム互換のL1ベラチェーンは、バランサーへの攻撃を受け、エコシステムへの影響を抑えるために対策を講じたと発表。場合によってはハードフォークを行うと述べている。
11/03 月曜日
13:40
欧州が仮想通貨・証券の統一監督機関設立を検討 米SECモデルに
欧州委員会が仮想通貨・証券取引所を一元監督する機関を構想している。米証券取引委員会をモデルにしており、ESMAの権限拡大案も検討していると伝えられる。
13:36
FTX債権者は仮想通貨上昇分の恩恵受けられずか 債権実質回収率の試算は9%~46%
仮想通貨取引所FTXの債権者は破綻時の現金相当額で弁済されるため、債権者はビットコインなどの上昇分を受け取れないことになる。債権者代表は、実質回収率は9~46%と推算した。
10:25
仮想通貨Zcash、プライバシー取引機能をさらに強化へ 新ロードマップ公開
匿名機能を重視する仮想通貨Zcashが2025年10~12月期のロードマップを発表した。プライバシー機能を大幅強化し、スワップ毎の使い捨てアドレスなどを導入する計画だ。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧