主流メディアに仮想通貨の広告
パンデミックと結び付いた各国の金融緩和政策をが行う中で、ビットコインを中心とした仮想通貨に関する広告がメインストリームのメディアに続々と登場している。
米国では大手仮想通貨投資ファンド「グレースケール」がテレビコマーシャルを全米で展開、さらにデジタル金融サービスを提供する「Galaxy Digtal」も英国の大手新聞に広告を掲載した。
また、日本では仮想通貨取引所BitFlyerが「乃木坂 46」の齋藤飛鳥を起用してテレビコマーシャルを放映している。
インフルエンサーを活用した広告事例も多数見られるなど、新規顧客獲得のチャンスと見た業界企業のマーケティング戦略が活発になりつつある。
グレースケールのテレビCM
全米でテレビCMの放映を開始した。まずCNBCで放映され、その後、MSNBC、FOX、FOX Businessと大手メディアでのCM放映が続いている。
Our new commercial debuts TODAY… Trust us: AUDIO ON! #GoGrayscale pic.twitter.com/hPhUgp7HiY
— Grayscale (@Grayscale) August 10, 2020
30秒間のCMは、貨幣が古代の物々交換から現在の裏付けのない法定通貨まで、どのように進化してきたかを辿り、金融緩和に伴うインフレにも言及、「だからこそ、デジタル通貨の時代がきた」と、ビットコイン等の投資信託(グレースケール)の存在をアピールするもの。
CMは8月10日に最初に放映され、8月15日にグレイスケールのBarry Silbert CEOが「今週は、今までで最大の資金流入額を得た。2億1700万ドル(約230憶円)が我々のファンドに投資された」とツイート、CMの効果を示唆している。
Galaxy digitalの新聞広告
億万長者のMike Novogratzが設立したGalaxy Digitalは、英国Financial Timesで全面広告を掲載した。この新聞は2019年時点で100万人を超える購読者を抱えており、その約20%が億万長者だと報告されている。
Big ad for bitcoin in the FT today from Galaxy Digital. Love it pic.twitter.com/ro05QdvDFf
— Barry Silbert (@barrysilbert) August 13, 2020
「不確かな時代では、ビットコインが体制から独立したヘッジ資産である」とこの広告は述べる。そして以下のように続く。
世界は流動的であり、現実は私たちの目の前で移り変わっている。非常に多くの経済的不確実性に直面し、私たちは「ニュー・ノーマルとは何か?」と自問している。
従来の金融システムから独立して動く、投資可能な価値の保存手段であるビットコインに参加しよう。
仮想通貨データプラットフォームThe TieのCEO、Joshua Frankは「デジタルゴールドとしてのビットコイン」という文脈が浮上したことにより、より年齢層の高い世代をターゲットとする紙媒体の広告が打たれるようになったと分析している。
BitFlyerのテレビCM
仮想通貨取引所の日本国内最大手bitFlyerは、アイドルグループ「乃木坂46」の齋藤飛鳥をイメージキャラクターに採用し6月24日よりテレビコマーシャルの放映を開始した。
bitFlyerは、CMを打った背景について「業界自体の裾野を広げていきたいという思い」があったこと、そして新型コロナ感染拡大の状況下で、bitFlyerで取り扱うビットコイン(BTC)取引額が急増していることも理由の一つになったと明かした。
関連:仮想通貨取引所bitFlyerが新テレビCM放映 乃木坂46 齋藤飛鳥がイメージキャラクターにインフルエンサーを使った宣伝も
米国の人気ポップカルチャーブログの創設者でインフルエンサーのDave Portnoyは、仮想通貨取引所Geminiを運営するウィンクルボス兄弟に案内されてビットコイン(BTC)を購入する動画を8月14日に発表した。
I Am Now the Baron of Bitcoin Featuring The Winklevoss Twins @tylerwinklevoss @winklevoss pic.twitter.com/0cGxEGZCs5
— Dave Portnoy (@stoolpresidente) August 13, 2020
関連性は不確かではあるが、この後ビットコインが2.6%上昇したことから、「Portnoy効果」として話題になった。
ブロガーやユーチューバー、Tik Tokなどのインフルエンサーを起用したり、ソーシャルメディアを活用した広告も注目されているところだ。