欧州中銀、デジタルユーロの実装を見据えたパブリックコメント募集へ

デジタルユーロへ取り組み進む

欧州中央銀行(ECB)は「デジタルユーロ」に関する意見の募集を開始した。CBDC(中央銀行デジタル通貨)のメリット等を解説した上で、どのような機能を重視するのか等について、一般から広く意見を募る。

ECBは、9月22日にデジタルユーロについてまとめた長編レポートを公表している。今回のパブリックコメントについても、このレポートでの議論を下敷きにしており、投げかけられる質問について詳細な情報が欲しい場合は、レポートを参照できる仕組みだ。

VISAやMastercardなど、米国企業が世界的な決済市場において存在感を示す中、外国のサービスに頼らない決済基盤を構築することも、デジタルユーロの狙いの一つとなる。

デジタルユーロ、どの機能が重要か

意見は基本的に質問形式で行われ、一般的なユーザー目線と、金融機関などに勤める専門家の意見を求めるパートに分かれている。

例えばユーザー目線での質問では、デジタルユーロの機能について、ユーロ全域で使えるようにするかどうかや、決済情報を非公開にするかどうか、スマートフォンなどの携帯端末から使いたいかどうか、といった計9項目について、自身の考える「重要度」に基づいて並べ直すことが求められる。

また、中央銀行などの仲介役が支払いを処理するものか、あるいは現金のように処理を必要としないものかについて、選ぶ選択肢が与えられた。

中央銀行によって支払いが仲介される場合、デジタルユーロへの付加的なサービスの可能性が広がる一方、現金に近い仕様の場合、プライバシーの観点でより保護されるだろうと説明されている。

一方、金融やテクノロジーの専門家の目線パートでは、AMLに関する質問や、デジタルユーロによって可能となる金融サービス、規制面についてなど、より前提知識を必要とする質問が用意されている。

その他にも通貨間の決済についての質問など、専門家向けの質問では、より自由に記述ができる形式が取られている。

G7も声明を発表

今月13日に行われたG7財務相・中央銀行総裁会議では、CBDCについて共同声明がまとめられ、透明性、法の順守、健全な経済ガバナンスという3つの要素が必要であることなどが示された。

中国は現在、デジタル人民元の実証実験として、深セン市の住民に通貨を配布する実証実験を行っており、CBDC開発における中国のリードを意識した内容と見られる。

そのほか日本では今月9日、CBDCについての取り組み方針が日本銀行より公表されており、2021年にCBDC(デジタル円)の実証実験が開始されるとの報道も出ている。

参考:ECB


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