CoinPostで今最も読まれています

米FRB、デジタルドル導入の前提条件を多方面から分析

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

デジタル通貨導入の前提条件を提示

米連邦準備制度理事会(FRB)が「中央銀行デジタル通貨の前提条件」と題する文書を発表し、デジタルドルを発行する際に必要とされる条件を各方面から説明した。

23日、FRBのJerome Powell議長はデジタル通貨(CBDC)についての取り組みは、「優先順位が高い」と表明。ただし、そのもたらし得る恩恵と課題の両方について、数年単位で慎重に検討を行うことが必要だとしている。

この議長の発言に続いて発表された今回の文書では、検討を行うべき点がより具体的に様々な角度から列挙されるものとなった。

5つの分野で条件を列挙

デジタルドルは、「明確な政策目標」、「幅広いステークホルダーの支持」、「強力な法的枠組み」、「堅牢なテクノロジー」、「市場の準備」という5つの分野で、その前提条件を考慮する必要があるという。

まず「明確な政策目標」については、FRBが長年目標としてきた「米国における決済システムの安全性と効率性、財政と金融の安定性」という理念に合致したものでなければならないと述べている。

また、これに加えて社会経済に悪影響をもたらさないこと、既存の貨幣形態を補完するものであること、革新と効率性を支援するという3つの基本原則も念頭に置くべきとした。

「幅広いステークホルダーの支持」については、次のように説明する。

CBDCのステークホルダー(利害関係者)としては、主に「政府機関、エンドユーザー、金融機関、テクノロジー・インフラの提供者、学者」などが挙げられた。ステークホルダーが多様であるため、完全な合意を得ることは難しいが、広範な議論とコンセンサスが前提となる。

例えばCBDCは、決済にそれを用いる人々や組織が使いやすいように設計されなければならない。そのため、デジタルドルを設計しテストを行う際には、年齢、地域、決済に関する習慣、金融リテラシーの面で多様性のあるエンドユーザーを対象とすることが推奨される。

「強力な法的枠組み」に関しても、幾つか課題を挙げている。その中にはCBDCについての法的権限を持つ機関の定義や、反マネロン・テロ資金調達対策、プライバシー保護についても言及された。

デジタルドルが安全に機能することを保証するためにも健全な法的枠組みを構築することが重要だという。

「堅牢なテクノロジー」については、システムの完全性(設計通りに動き、外部から操作されないこと)、運用上の堅牢性(様々な条件で正しく動作すること)、運用上のレジリエンス(何らかの障害が発生した場合の対応力)という3つの面で、大幅な技術開発と評価作業が必要だと指摘した。

また、「市場の準備」の項目では、CBDCを導入する際には、それを使うエンドユーザーの「需要」と、それをサポートするエコシステムによる「供給」が揃っていなければならないと論じている。

エンドユーザーが便利に使える機能が用意されていなければ、CBDCの採用は限られたものになる可能性があるという。CBDCのエコシステムには「発行、流通、保管、利用、顧客サービス、コンプライアンス、監視、保守」など多くの機能が含まれており、これらを準備することが必要だ。新しい決済インフラを設置し、既存決済インフラのアップグレードも行わなければならない。

こうしてFRBの議論により、具体的にCBDCを巡る多くの課題が浮き彫りになった。

短期間でこれらすべてを解決することは難しそうだが、FRBは挙げられた様々な点について、これから検討を進めていくと考えられる。

関連米FRBパウエル議長「デジタルドルは優先順位の高いプロジェクト」

CoinPost App DL
注目・速報 相場分析 動画解説 新着一覧
04/25 木曜日
17:42
ワールドコイン、仮想通貨WLDのトークンセールを計画
Worldcoinが個人認証に基づくベーシックインカムプロジェクトの拡大へ、機関投資家限定で暗号資産(仮想通貨)WLDのプライベートセールを計画。市場価格に近い価格で提供し、転売禁止やロックアップ措置を導入する。
15:00
ビットコイン強気相場継続の根拠、アーサー・ヘイズ氏語る
仮想通貨取引所BitMEXの創業者で元CEOのアーサー・ヘイズ氏は、世界各国で法定通貨の供給量が拡大し続ける中、ビットコインをはじめとする仮想通貨の強気相場は今後も継続するとの考えを示した。
13:20
2028年の半減期に向けてビットコイン価格など5つの予測=Bitwise
Bitwiseの最高投資責任者は次の半減期までにビットコインに起こる5つのことを予想。ビットコイン価格は約3,880万円以上になるとする予測も含まれる。
10:25
ビットコインの供給インフレ率、金を下回る=レポート
Glassnodeは4回目の半減期についてレポートを発表。ビットコインの供給インフレ率がゴールドよりも低くなり、希少性が増したと述べた。
08:15
zkSync基盤のWeb3ゲーム企業Tevaera、野村などから7.7億円調達
TevaeraはzkSync上でレイヤー3のゲームチェーンを立ち上げる予定で、年内に200万人のプレイヤーと12人のゲーム開発企業をTevaeraエコシステムに参加させようとしている。
07:00
ジャック・ドーシー率いるBlock、店舗売上をビットコインに変換へ
新たに導入する予定の機能は「Bitcoin Conversions」というもので、Cash Appのアカウントを持つSquareのユーザーは、店舗収益の最大10%を仮想通貨ビットコインで受け取ることができるようになる。
06:10
米司法省、バイナンス創業者CZ氏に懲役36ヶ月求刑
仮想通貨取引所バイナンスの元CEOのCZ氏は自分の「不適切な決断」を謝罪し、自分の行動の全責任を受け入れる内容の手紙を2月に提出した判事へ提出したことが明らかになった。
04/24 水曜日
17:00
「BTCは上昇トレンドに入る可能性」SCB銀
仮想通貨ビットコインは再び上昇トレンドに入る可能性があるとスタンダードチャータード銀行が分析。今回もビットコインとイーサリアムの価格予想をしている。
16:23
Block社(Square)、ビットコイン採掘産業の分散化に向けて高性能チップを開発完了
デジタル決済企業ブロック(旧Square)が、3ナノメートル技術を採用した最新のビットコインマイニングチップ開発を完了。このプロジェクトはオープンソース化され、ビットコインマイニング業界の分散化を推進することを目指している。
15:09
WebX2024、最大73%割引の「開幕セール」終了まで残り1週間
株式会社CoinPostが主催する日本最大のWeb3カンファレンス「WebX2024」にて、チケット販売を開始しております。2024年4月30日まで、最大73%割引のお得な開幕セールを実施中です。
14:35
米ブロックチェーン協会ら、仮想通貨業界の声をまとめSECを提訴
米ブロックチェーン協会とテキサス州暗号資産自由同盟は、米証券取引委員会が新たに制定したディーラー規則の阻止を求めて、SECを提訴した。
13:00
香港の現物ビットコインETF 4月30日にも発売かー報道
香港でボセラとハッシュキーキャピタルが提供するビットコインETFが取引を開始すると報じられた。2社の現物ビットコインETFは、価格安定性が高く、投資家に直接的な市場価格連動のメリットを提供する。
12:09
半値戻しのビットコイン、投資家心理改善で買い先行
暗号資産(仮想通貨)市場ではビットコインが66000ドル台まで反発し、50MA手前で一服した。イランとイスラエルを巡る中東リスク後退で米国株式市場でも買い戻しが先行しており、投資家心理が改善した。
12:00
ブラックロックのビットコイン現物ETF「IBIT」、70日連続流入を記録
ブラックロックのビットコイン現物ETF「IBIT」が70日連続で資金流入を記録した。運用資産は約2.8兆円に達している。
11:00
リップル社、SECによる20億ドルの罰金提案を過大と反論
リップル社は、XRPをめぐるSECとの裁判で新たな書類を提出。リップル社に対して約3,100億円の罰金支払いを求めるSECの主張に反論した。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
イベント情報
一覧
2024/04/25 ~ 2024/04/26
東京 国立新美術館
2024/04/27 10:30 ~ 20:00
東京 東京都渋谷区
2024/04/27 10:30 ~ 20:00
東京 東京都渋谷区
重要指標
一覧
新着指標
一覧