著名美術家によるNFT発行
世界的な現代アーティストとして知られる現代美術家の村上隆氏が、代表作のひとつをNFT(非代替性トークン)アート作品として世界最大手のマーケットプレイス「OpenSea」に出品した。
OpenSeaでは、時価総額2位の仮想通貨イーサリアム(ETH)を使ってデジタル資産が取引される。25日には、VRアーティストとして知られる「せきぐちあいみ」氏が、自身のデジタルアートをOpenSeaでオークションにかけた結果、入札競争の末に高騰。69.697ETH(約1300万円)で競り落とされたことが大きな反響を呼んだばかり。
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現在、花を模したアートが出品されている。今後は、毎日12種類ずつ追加していき、計108作品を出品予定だ。108種類が出そろったところでオークションが開始されるという。
108種類という数字に関しては、仏教における地上の欲望の数を表しているという。また、リリース文で村上氏は、同作品について「ファミコンへの郷愁を呼び起こす24×24ピクセルの花」と形容しており、今回の試みについては「これは我々がまだ理解し始めていない将来の価値への最初のステップ」であるとも述べている。
追記(4月12日)
村上氏はその後自身のインスタグラムで「NFT作品の販売を延期、再検討する」方針を表明。オークションは当初4月7日から始まり、12日に終了する予定だったが、作品の出品は中止となった。
NFTデジタルアートの作成に取り組んだ村上氏だったが、出品までの過程で多くのフィードバックを受け取る中、利便性や満足度を高めるためにはさらなる「慎重な検討と議論」が必要と判断。
「ERC-721やERC-1155のメリットとデメリット」やスマートコントラクト、IPFSなどの要否など、より緻密な議論を踏まえた後、再度NFTに挑戦したいという姿勢を示した。
所有権のみで著作権は譲渡されない
注意点として、リリース文の「(売買)規約と条件」という項目にて、売買規約について詳細に説明されている。
このNFTアート(以下「作品」)を購入することにより、購入者は作品の所有権を取得するものとするが、著作権、商標権、またはその他の知的財産権は譲渡されず、村上隆およびカイカイキキ株式会社がそれらの権利を保持する。
作品の画像(スクリーンショットなど)の商業目的での使用やバッグ、Tシャツなどの他の製品への印刷など、禁止事項についての記述もある。
OpenSeaは海外のサービスであるが、日本では国内大手取引所のコインチェックが、独自マーケットプレイスの「コインチェックNFT(β版)」をローンチしており、NFTのデジタル資産を使った仮想通貨の売買が活性化しつつある。
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